シリーズ「人々の本音」、第三回のゲストはパチンコ・パチスロの業界ライターとしては誰もが知る存在、POKKA吉田氏に話を聞いた。

スカパーやYoutubeなどの映像媒体にも数多く出演する同氏だが、その切り口は、世間一般のユーザーがイメージする「ライター」とは全く異なる。

長年業界の中枢を取材し続け、パチンコ・パチスロジャーナリストとして他の追随を許さない経験を持つPOKKA吉田氏に、悠遊道の安田一彦と万回転が規則改正の素朴な疑問をぶつけてみた。(文中敬称略)

インタビュー日:2017年8月7日

取材:安田一彦 万回転

パチスロには数字以上に厳しい実態が……

――今回の規則改正には2段階あった。初めは6月19日に警察庁より出された改正案。そして7月5日案。後者がパブリックコメント募集の元となった案で、そこには一定の緩和があったと言う。

 

POKKA吉田 6月19日案は相当に厳しい内容だった。そこから7月5日の間に業界内でどのような交渉などがあったのか、その本当に核の部分はボクも分からないんだけど、7月5日案では初期案に比べ、大幅に緩和された。特にパチンコは。ただ、パチスロに関してはこれでも正直まだ厳しいと思う。

 

万回転 MAX119%だったところが115%に下がりました。確かに波は抑えられましたが、機械割という面ではそこまで厳しいようには感じなかったのですが……

 

POKKA吉田 115%にはならない。だけど6月19日案の110%よりはかなりマシ。これまでの5.5号機のようなAT・ARTの小役ナビ機能に厳しい制限が入っているし、ノーマルタイプのジャグラーを例にしたら分かりやすいと思うけど、BIGの枚数が今より少なくなって、しかもベースは上がる。

POKKA吉田 短時間出玉率の問題で大当たり確率も今より悪くなる。こんなもん誰が打つねんって話が6月19日案であり、上限110%はそれくらいひどかったので助かった。ザックリ言うとね。

 

万回転 ベースについてですが、ボクが規則を見て計算したところ400Gで1/3が下限となっていたので、単純計算して25G/千円あたりとなるので、これまでとそれほど変わらないと思ったのですが。

 

POKKA吉田 全然そんなことない。まず勘違いしているのがリプレイはIN OUTの枚数に計算されないんです。枚数の出率に関わる計算は、短時間規定の400Gからその分は引かなきゃならないから実質約345Gで、IN枚数は×3の約1035枚。1035-345枚で約マイナス690枚が下限になるわけだけど、出率計算時のゲーム数にはリプレイも含めるからこれを400Gで下回ったらダメという計算になる。

POKKA吉田 そうすると単純計算では下限は約29G/千円になるけど、たった400Gなんて短いスパンじゃ千円あたりのゲーム数だって収束しないでしょ?少し小役のヒキが悪いから回りませんでしたー、だけで検定落ちてしまうんだから、実際に出てくる機械はもっとベースが高いものしか作れなくなります。

 

安田一彦 これは上限にも同じ事が言えて、規則は115%になったけど実際に115%の機械が作れるわけではない、と?

 

POKKA吉田 そう。恐らくだけど108-110%ぐらいが限界になるんじゃないかな。あと、パチンコもパチスロも時間当たりの差玉の基準は一見同じに見えるんだけど、パチスロの場合さっき言った通りリプレイが計算されないんで、パチンコの上限が4時間48,000円(等価換算)のところ、パチスロは実質40,000円ちょっとになっている。

POKKA吉田 あと、パチスロの場合、長時間出玉率が17,500Gになっていて、パチンコは10時間が長時間出玉率なのに、パチスロでは17,500÷400で40時間以上。このあたりもパチンコとパチスロの整合性が取れてない

 

万回転 なぜ、パチスロだけ厳しいのでしょう?裏基板等の問題で、警察庁からパチスロが問題児扱いされているからですか?

 

POKKA吉田 いや、決してそういう事でもない。なのにこういう案が出てきた。

POKKA吉田 と言うのも、そもそもAT機で二万枚オーバーとか、射幸性が高すぎるという話は前からあって、実際その流れの中で警察庁と業界は協議をしてきて、自主規制として5.9号機なんかの基準を作ってきた。今回の規則改正についてもそういう流れの延長で出てくるものだと思っていた。

POKKA吉田 そしたら、急にこれ(6月19日案)。メーカーの連中は、「へ??何これ???」ってなったと思う。警察庁としては依存症問題の対策を主旨としてこれを出してきたわけだけど、なぜかパチンコよりパチスロの方が厳しくなっている。

 

安田一彦 もしパチスロを問題視してって話ならパチンコを規制するのも筋違いだよねぇ。

 

POKKA吉田 パチンコの方が設置台数も多いわけですし。

 

安田一彦 てことはよく調べもせずイメージでパチスロを厳しくした?

 

POKKA吉田 イメージ……イメージもない。ただ、適当にやってます。ボクも20年業界の中から警察行政を見てきたけど、今の警察庁生活安全局保安課はデタラメすぎる

POKKA吉田 こんな規則改正これまで無かった。パチスロが今の規則になったのは平成16年だったけど、その時は厳しくなったとは言え、もう少しちゃんとしてた。

 

安田一彦 その時はパチンコは緩和されたしね。でも今回は両方とも締め付けという。

 

POKKA吉田 まぁ、それはただの偶然なんです。片方締めたら片方緩めて、なんてのを意図的にやってたわけではなく偶然。

POKKA吉田 そもそも今回は業界事情でやっている規制ではない。IRがあって、依存症対策の話が出てきて、これは公営ギャンブルを管轄する他の省庁もやってる話なんだけど、パチンコ業界は参加人口も売上規模も抜けて多い。そんな中、政治やら社会から「お前らなんもしてないやん」って言われるのがイヤだから、警察庁が先にやっちゃったっていうのが実情

 

安田一彦 ボクは今回のコレは、依存症対策も勿論なんだろうけど、もっと裏の……なんていうか業界を潰したい的なものも働いてるのかな、なんて思ってたんだけど。

 

POKKA吉田 いや、かなり適当ですよ、今回のは(笑)

改正案とギャンブル依存症対策

万回転 ギャンブル依存症対策の話が出ましたので、少しそちらの話をお聞きしたいのですが、これまで業界が取り組んできた対策はどんな事がありますか?

POKKA吉田 まず依存症対策で日本で最初に認定を受けたのが横浜にあるワンデーポートという施設です。ここにはこれまでも業界は様々な面で支援を行ってます。

POKKA吉田 ただ、これは厚生労働省のページを見てもらえば分かると思うんだけど、厚生労働省ですら行動の障害である事は認めていても、ギャンブル依存症を病気とは言ってないんです。

POKKA吉田 ケースバイケースすぎて(依存症の有効な対策が)まだよく分かってないものをどう支援したらいいのか。それはまだ不確かなところなんですよ。

 

安田一彦 少し話は変わるかもしれないが、ボクは昔のパチンコを知ってるから、射幸性が落ちるのは良い事なんじゃないかと思う。身の丈に合った遊びになれば生活破綻などの依存症の症例には当てはまりにくくなるし。

 

POKKA吉田 ボクは、射幸性の抑制なんて依存症対策に逆行すると思ってます。と言うのもアメリカのニューヨーク州でペニースロットが大盛況となった際、アメリカの専門家がマスコミを通じて「こんなに気軽にギャンブルに参加できたら依存問題が拡大する」と警鐘を鳴らしていて、ボクはそれが当たり前だと思う。

POKKA吉田 変な例えかもだけど、アルコール依存症を無くしたいからと、アルコール度数を下げたところで解決になるか?と。

万回転 量が増えるだけ?

POKKA吉田 そう。パチンコも同じ。

 

安田一彦 あとボクは、遊技の“技”を無くして勝ったり負けたりするのがギャンブルじゃないですか。そうじゃなく“技”を重視するのが自制のカギなんじゃないかと。

 

POKKA吉田 依存問題を抱える人っていうのは、遊技の“技”の部分を全く知ろうとしなかったり、上手になろうって気にならない。それで負け続けていく人たちがいる。

POKKA吉田 あと、その論法で解決できるのは色々あるギャンブル依存症のパターンの中で“認知”に欠陥があるケースのみだから、全ての人に当てはめられる話ではない。

 

万回転 だとすると今回の規則改正は依存問題と何の関係もない?

 

POKKA吉田 そもそも今回の改正は、大きく言うと“4時間50,000円”という基準から作られています。これを守れば依存症対策になる、と勝手に警察が言いました。で、パチンコもパチスロも計算方法は謎だけど、それに則った基準を出してきた。出玉性能に関してはこれが全てです。

POKKA吉田 そして、6月19日の初案の際に、警察庁は業界6団体に対して「リカバリーサポートネットワーク(以下RSN)の報告によるとこういう数値が出てるからそれに則って決めた」との説明がありました。ところが、RSNは4時間50,000円なんて言ってないし、そんな依存症対策を提唱した事もありません。だから、内容以前にデタラメなんですよ。

万回転 そんな雑な決められ方なんですか……

POKKA吉田 2年前に「RSNへの相談者の約72%以上が1ヶ月の遊技金額が5万円以上だった」という報告はあります。そして、警察はこれを参照したと後にウソつきます。

安田一彦 ウソとは過激な(笑)

POKKA吉田 まぁボクのサイトではもう書いている話なので。それで、じゃあ4時間という数字はどこから出てきたのか、50,000円という数字はお客さんが使う出ていくお金なのに、上限が50,000円とはどういう事なのか。

POKKA吉田 4時間で50,000円以上使えないとかなら分かりますけど……RSNは電話相談も含めた実態調査の報告をしているだけで、依存対策の基準値として出した事もない。もう論点からしてメチャクチャで、それがベースになっている改正が適切なわけあるか!というのが率直な意見ですね。

POKKA吉田 さっきも言ったけど平成16年の前回の改正の時はもっと考えられてた。勿論、細かい部分でここはちょっと違うな、と思うところはあっても、警察庁には警察庁の考え方やロジックがあるのは見えたし、良かれと思って真剣にやってました。それからしたら今回の役人の適当な仕事ぶりはあり得ない。

 

安田一彦 そこに何らかの裏の力が働いたとかは?

 

POKKA吉田 それは政治の話になってしまうので分からない。でも、それが仮にあったとしても、やる事はちゃんとやれ、と言いたい。

安田一彦 役人だから中のメンバーは変わるしねぇ

POKKA吉田 今のメンバーはアホしかおらんのかっつう話ですわ。ボクは依存症対策とは切り離した考え方としては、射幸性を抑制する事については賛成なんです。パチンコ・パチスロは一日で10万も20万も勝ったり負けたりしたらアカンっていう。それにしたって、こんな形で決められた改正は全く評価できません

POKKA吉田 改正案の中で唯一依存症対策と言えるのは「管理者の業務の追加」に関する一文だけ。

万回転 それも中身はボヤっとしてますしね。

安田一彦 結局、IR法案の流れで依存症対策をやれって言われて、自分たちはやりましたっていう警察庁のエクスキューズにしかなってないよね。

POKKA吉田 そう、やっつけ。ボクは依存症対策に関しては素人なんで対策になるかならないかは断言できません。ただ一つ言えるのは、色々なところからこれでは依存症対策にならんってツッコミを受けて当然な、お粗末な内容だって事です。

警察庁とパチンコ業界の関係性

安田一彦 そんなに杜撰な内容で、それではパチンコ業界が困るわけだけど、それは警察庁としてはいいんですかね?

POKKA吉田 関心が無い。その一言に尽きます。

安田一彦 とは言え、天下り先としてずっとあった業界だよね?

POKKA吉田 こと利権に関して言えば、警察庁の天下り先は交通・警備業界の方が圧倒的多数。正直、現職の警察官僚はパチンコ業界なんてアテにしてない。業界が潰れようが発展しようが関係なくて、ただ国会や社会から“叩かれたくない”だけ。

POKKA吉田 そもそもパチンコはキャバクラやデリヘルなんかと同じ風俗という括りなわけで、誰も「デリヘルの未来を!」なんて考えないでしょ?(笑)それと同じなんです。

安田一彦 なるほど、ただ業界としては座して死を待つわけにはいかない。

POKKA吉田 そういう意味では新たな法律を作って管轄を他の省庁にする、という事は考えらえれます。それで、警察庁は悪い事したやつを取り締まればいいだけ、と。

安田一彦 ただ、それは利権を手放す事になる?

POKKA吉田 勿論、警察庁は今ある利権を自ら手放す理由は何もない。ただ、一般のユーザーが思ってるよりは、警察庁が持つパチンコ利権が少ないのは確かです。

メーカーやホールの思惑

安田一彦 POKKAさんは色々な業界団体に取材に行ったりしているけど、今回の規則改正についてメーカーやホールからはどんな声が聞こえてくる?

POKKA吉田 まず、パチンコメーカーとパチスロメーカーで受け止め方が大分違います。パチンコメーカーは決められたものを受け入れて、これからどうやって新機種を作っていくかに向かっています。で、パチスロメーカーは「こんなやり方って……そんなに俺たち嫌われてたんか」って感じ。

POKKA吉田 ただし、今回は3年の経過措置が取られていて、検定(と認定)が通っている機械の製造・販売は来年2月の規則施行後も認められているので、パチンコもパチスロもギリギリまで経過措置に委ねます。

 

万回転 2016年末のMAX機のように、自主規制で全回収なんて話にはなりませんか?

 

POKKA吉田 それは少し難しいところ。中には回収した方が売れるって思っているメーカーもいるんだけど、全体的なトーンとしてはこんな改正案なら自主規制どころじゃないっていう風潮。

POKKA吉田 そもそも、パチスロの高射幸機の問題でこれまで日電協と全日遊連(※1)がバチバチやってて、2017年12月までに高射幸機のシェアコントロール目標30%(※2)という数値を出したら警察庁から「もっと前倒しにせえ!」と言われてました

POKKA吉田 そんな中、6月19日に業界6団体の代表が呼ばれて行ったわけだから、この目標について怒られるもんだと思ってた。

POKKA吉田 そしたら、これまでの流れぶった切った初案が出てきて「このままじゃパチスロメーカー全部倒産するぞ」って感じだったところが、7月5日案で何とか希望が見えた、と。そんな流れだから、一旦出したシェアコントロール目標値は達成に向けて動くにしても、それ以上の自主規制なんて冗談じゃないってところ。

 

万回転 ボクのイメージではメーカーはバンバン入替させた方が儲かると、そっちの方向に持っていくのかと思っていたのですが。

 

POKKA吉田 いや、売れないよ。いくら新基準機をすぐに作ったところで、経過措置があるわけだから、5.9号機までの機械をホールは買うし、メーカーも検定期間が残っている間はそっちの製造・販売に力を入れる。そして、経過措置の2~3年をかければ新基準でも面白い機械が作れるだろうから、それを開発猶予とするのがビジネスとしては当たり前じゃないかな。ボクがメーカーならそうする。

POKKA吉田 あと、ホールの最大の関心事は、いわゆるみなし機(※3)がどうなるか。これは規則改正が施行される2018年2月1日以降、法律上は完全に違法機になります。しかし、それを撤去するのに出来るだけ猶予期間が欲しいというのがホールの要望で、これについても経過措置が取られるのかどうか。これについては、9~10月に警察庁が一定の回答をするような話はあるが、まだ不透明なのが現状

※1
日電協……日本電動式遊技機工業協同組合。パチスロ(回胴式遊技機)製造会社28社で構成する組合。
全日遊連……日本遊技関連事業協会。ホール、遊技機メーカー、販売商社、設備機器メーカー、景品卸、その他遊技業に関連した企業が参加する、唯一の業界横断的組織。 

※2 高射幸機のシェアコントロール目標30%……パチスロのみなし機について、2017年12月時点までに各ホールの総設置台数の内、みなし機が30%以下に抑えられるよう順次入れ替えを行う事を取り決めた自主規制。
参考:http://web-greenbelt.jp/news/detail.php?n=00009786

※3 みなし機……現在設置されている機種の内、パチスロであれば主に5.5号機以前の機種、パチンコであれば北斗無双以前の旧基準ミドル機が対象になるが、2018年2月までに検定が切れるもしくは認定切れとなる台を出来る限り残したい業界と警察庁との綱引きが行われているのが現状だ。

今後どんなパチンコが出てくる?

安田一彦 パチンコの話ですが、羽根物が作れないなんて噂もありますが?

POKKA吉田 それは大ウソ。そんな話は一切ない。勿論、6段階設定をつけるというのは、釘を叩くなという警察庁からのメッセージなんだけど、釘が無くなるとは決まっていない。

POKKA吉田 そもそも設定が関係するのは確率に関するところだけなんですね。パチンコもパチスロも台を作る際の技術上の規格があって、羽根物で言えば、例えば1チャッカーに玉が入った時に何秒で羽根が開いて、とかって機種やメーカーによって様々でしょ?あれは、明確に数値を決められているものではなく、技術上の規格に適合した上で、警察庁の解釈基準にも則っている、という判断で世に出ている物。

POKKA吉田 今回の規則改正に当たって、技術上の規格内容も警察庁の解釈基準もまた変わるし、解釈基準というのは警察庁の課長決済ですぐに書き換える事が出来るので100%羽根物が無くならないとは断言できないけど、これだけ締め付けられたんだから(ゲーム性の幅を縮めるような技術上の規格の)変更や自主規制はしてこないと思う。

 

安田一彦 封入式はどうなんでしょう。釘を叩くなというメッセージを受けて、設定付き封入式というのはホールも歓迎しているなんて話もありますが?

 

POKKA吉田 封入式そのものは実現します。ただ、お客さんが一切玉を触れないというだけで、他はこれまでと同じ。台ガラスは開けられるし中に釘があれば叩く事も出来る。それならばこれまで通り叩くお店もあるでしょうね。

 

万回転 釘が無くなるという事は?

 

POKKA吉田 ありません。勿論、釘が全くない台も作ろうと思えば作れます。ただ、遊技釘に関する技術上の規格は何も変わっていないし、自主規制でそれを無くすなんて話もないので、釘あり・設定あり・封入式、こんな台も勿論可能。ただ、そうなった場合、今まで以上に釘を叩く事に関して取り締まり強化が予想されるでしょうね。

POKKA吉田 よく「どんな台が出るんですか?」って聞かれるんだけど、技術上の規格解釈基準やらが決まってないのに分かるかい、と。

POKKA吉田 ただ、予想では面白くなると思うんですよ。そら法律で決まってるわけだから釘は叩いちゃいけません。でもネカセや個体差でも回転率が違う中、回転率はいいのに設定1とか、その逆とか色々なパターンが考えられるし、それがゲーム性にもなる。羽根物だって同じで、SPルートに行きやすい開放パターンが多ければ設定6とか、そんな形だってあり得る。

POKKA吉田 勿論、出玉率の問題があるのでそこまで極端な仕様にはならないとは思うけど。色々な可能性が考えられるんです。

万回転 良し悪しはともかく、パチンコでもカチカチ君を使う日が来るのかもしれませんね(笑)

POKKA吉田 パチンコのゲーム性が根本から変わると思う。設定が主流になるかすらもまだ分からないけど、設定付きの台にはパチスロみたいな設定示唆が入るだろうし、黄保留が多いとか魚群が沢山出やすいとか、魚群に何か変なのが混ざってるとか。

POKKA吉田 これってすごい事で、もしかしたら何年後かに「昨日の〇〇は▲▲が良く出たから設定4以上だ」なんて朝並んでる時に常連の年配者が話してる未来とか、震えない?(笑)

安田一彦 ボク個人的にはイヤな時代だなぁとは思うけど(笑)。他人の台ばかり気にしなきゃいけないとかってなるかもしれないし。ただ、それも受け入れるしかないからね。

 

――まず話を聞いて驚いたのが警察庁のあまりの杜撰さだ。ボクはこれまで官僚というとても頭の良い人たちが、IR法案絡みという国家プロジェクトの一環として動いている規則改正に対し、まさかここまで根拠の無い改正案を出しているとは露ほど思わなかった。

しかし、パチンコ業界に対する無関心さや、一般人が持つ癒着のイメージとは程遠いパチンコ業界と警察庁の関係を聞けば納得してしまう部分がある。

同時に、それもこれも業界のこれまでの行いに対する因果応報であり、不要不急の産業がどうなろうが知ったこっちゃない。

そんな声が聞こえる気もする。

どんなにデタラメな規則でも、それを覆せるほどの力がユーザーを含む業界全体に無かったのは事実だ。それを再確認する意味はある。

既に賽は投げられた。パブリックコメントを経て改正規則の内容もすでに固まり、後は行く末を見守るしかない。
 
それでも「ゲーム性が根本から変わる」という言葉には希望を感じた。全てを受け入れた上で、どのような新機種をメーカーが作り、ホールがどのように運用するのか。それを楽しみにしたいと思う。

 

構成・文/万回転

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