パチンコ・パチスロ機をギャンブルとして考える人が圧倒的に多いかと思います。しかしながら、日本では一部の公営ギャンブルなどを除いて賭博は禁止されています。ギャンブル依存問題で真っ先に叩かれる業界ですが、建前上は“遊技”なのです。今年の2月に改正されましたが、遊技機規則によって遊技の範疇を越さないように指導されているわけです。

この遊技機規則に書かれているのは大枠です。リールのコマ数は21コマまで。リールの回転速度は1分間に80回転未満。そういったハード面や、ボーナスで払い出しできる枚数、許される出玉率の範囲なども決められています。ただ、あくまでも大枠。どのように運用していくかは、内規(内部規則)として決めていきます。

遊技機規則は法律なので、改正には大変な手続きが必要となります。昨年の夏にパブリックコメントが行われたのを覚えている方も多いことでしょう。これが改正されたので5号機時代が終焉し、新たな法律の6号機時代となりました。

 

それに対し、内規はあくまでも自主規制。割とホイホイ変えることも可能です。5.5号機や5.9号機などの名称は、内規の大幅変更にともなって「どのレギュレーションの元で作られたか」をわかりやすくするためのものです。遊技機規則は変わっていないので、上の数字は変えられず。小数点以下のみをチョチョイと変えています。4号機時代も同じでした。4.1号機・4.5号機・4.7号機を経て5号機へ。

 

6号機スタート時の内規は、遊技機規則が厳しすぎたので、5.9号機の内規よりは遥かに緩いものとなりました。これはかなり異例のこと。いろいろな陳情などが実ったのでしょう。正直なところ、5号機旧基準から5.9号機を見るよりも、6号機を見たほうが違和感は少ないでしょう(笑)。

しかしまあ、大体の内規変更は締め付けられる方向なのです。なんと6号機が世に出る前の9月5日に、6号機の内規が変更されました。

 

 

○『ルパン三世−世界解剖−』のシステムはもう作れません。

 

9月5日に回胴式遊技機製造業者連絡会から「役物及び役物連続作動装置作動時の遊技回数に関する自主的措置について」という発表がありました。自主的措置とは自主規制。つまり内規にあたります。その内容がこちら。

 

すべての遊技回数のうち、役物作動時の遊技回数及び役物連続作動装置作動時における役物非作動時の遊技回数を加算したものの割合(以下、役物等状態比率という。)が5割未満であること。また、当該割合を識別できるように役比モニタに表示すること。

 

簡単にいうと、すべての消化ゲーム数のうちボーナス消化中が半分以上はダメということ。通常ゲームが実はボーナス(2種BB)消化中となる『ルパン三世−世界解剖−』は、ボーナスを消化していない純粋な通常時がほとんどありません。このシステムはこれにて終了となってしまいました。

ま、正確には『ルパン三世−世界解剖−』は5.9号機なわけですが。6号機でも応用可能な技術で、より激しい性能を作ることも可能だったのでしょう。先手を打って内規で封印したことになります。

 

○意外と多い!? ボーナス消化の長い機種

 

気になるのは、他にも作れなくなる機種があるのか? ということ。厳密にどうかはわかりませんが『HEY!鏡』のようなAT機も、シミュレート試験ではボーナスが揃いまくります。また『リノ』タイプも同じ試験では潜ってトマト揃いになることはありません。ずっと連チャンゾーンに滞在し、そしてボーナス消化は長くかかります。

これらの機種が引っかかってしまうのか。正確なところはわかりません。ただ、個人的には大丈夫なんじゃないかと予想しています。“役比モニタ”の文字があるからです。役比モニタとは市場でどのように動いているかを監視するカウンタのことです。シミュレート試験と違って“実際に打つ場合は”ボーナス中がそれ以外よりも長くなることはありません。『ルパン三世−世界解剖−』は完全にアウトですけどね。

他の機種も数多くの内規の上で成り立っています。『ルパン三世−世界解剖−』方式を作れないよう警察主導で内規を作られると、とばっちりを受けていろいろ作れなくなる恐れがあります。それを避けるために先手を打ったのかな……なんて。素人の推理ですけど(笑)。

 

ということで、6号機でも『リノ』タイプが登場してきます。『スーパーリノXX』がいまから待ち遠しくてなりません。ま、内規が変更される前に持ち込まれたと思うので、今後も作れるかは参考になりませんが。

ちと『ルパン三世−世界解剖−』は難しすぎましたよね。『スーパーリノXX』が導入されたら、のんびり易しめにシステムを改めて解説しようかと思います。