ヒーローズロードがすべてのボーナスを抽選できる純粋な通常時で、天井までの払い出し枚数をカウントダウンする通常ゲームはボーナス中。『ルパン三世−世界解剖−』のシステムの要であり、そこまでは何となく知っていたという方も多かった部分を前回は解説しました。

それだけでは、ただ単に“規定払い出し枚数到達でボーナスが終了する”天井到達を待つだけの機種となってしまいます。今回はその先の話です。

 

この機種は凄いと思わされたのが、チャンスゾーン扱いの「ルパンザチャンス」です。例によって、正確な役構成からスタート(笑)。

RB(1)〜(4)までがCZですね。RBと書かれているようにREGとなっています。

パチスロのボーナスは大別すると3種類。BIGと2種BB(ジャグ系のMBや本機の通常ゲーム部分)は規定枚数到達で終了しますが、REGは、12G以内の特定ゲーム数の消化か、8回以内の特定回数の入賞で終了するのが特徴です。この役構成ではRBとしてくれていますが、どんな名称になっていようとも??Gの作動・??回の入賞とあったらREG確定です。

 

前回から解説しているように『ルパン三世−世界解剖−』の通常ゲームは2種BB(2)の消化中です。BIGを抽選することはできません。しかし、REGを抽選することはできます。REG成立時にどうなるか? その時点で2種BBはパンクします。

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このようにゲームが進行するのが自然

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1)REG成立で2種BB(2)がパンク

2)REG消化後は純粋な通常時に移行

3)本来ならばすべてヒーローズロードに!

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REG終了後は2種BB(2)もパンクしているので、本来は全部が純粋な通常時に移行しなければなりません。「純粋な通常時=ヒーローズロード」と説明してきました。しかし、しかし。現実はこうなってしまうのです。

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残念パターンのゲームの流れ

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1)REG成立で2種BB(2)がパンク

2)REG中に条件を達成できず

3)すぐに2種BB(2)が再セットされる

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CZで失敗した場合、予定調和のように2種BB(2)の通常ゲームに戻されるわけです。天井までのカウントもやり直し。『不二子TYPE-A』では強JAC中に強JACのストックを抽選していましたが、それより強力に2種BB(2)を引きやがります(涙)。

CZのクリア条件を考えながら、役構成をもう一度見てみましょう。異色揃いのクリア条件は、最終ゲームがリプレイ以外。同色揃いは、リプレイ以外の小役を5回揃えるか、最終ゲームがリプレイ以外となっています。ね、同色はREGの終了条件が「5回の入賞」となってるでしょ? こんなところにヒントがあるのです。

 

小役を5回揃えてクリアした場合と、最終ゲームがリプレイ以外で終了した場合には、ある共通点があります。それは、MAXBETボタンを叩けることです。純粋な通常時の1G目から3枚掛け遊技できるんですね。それに対して、最終ゲームがリプレイだった場合。純粋な通常時に移行しても、掛け枚数は「その前のゲームの掛け枚数」から動かせません。REG中はどちらも2枚掛け消化です。

REGが終了した後は、漏れなく純粋な通常時に移行します。3枚掛けであれば、いろいろなボーナスを高確率で抽選するヒーローズロードとなります。しかし、2枚掛けだと超高確率でハマリを生み出す2種BB(2)を抽選してしまうのです。CZのクリアに失敗するとイチからやり直しとなるのは、こういった仕組みだから。新たな2種BB(2)が入賞して開始されるので、天井は再セットせざるを得ないんです。

 

ここまで付いてこられたかしら? ちょっと不安(笑)。

 

ヒーローズロードの時にも2枚掛け遊技できてしまうんですけどね。もちろんのこと、2種BB(2)がすぐ成立して陥落するので絶対にやらないように!

……となると気になりません? 天井到達時です。ギリギリ1枚で到達した場合、ヘタするとクレジットが2となっている可能性もありますよね。うっかり2枚掛けして終わらせてしまわないか心配するのが当然です。そこは安心してください。MAXBETでは3枚掛け遊技しかできなくなります。

2枚掛けと3枚掛けのように複数の掛け枚数で遊技できる状態では「MAXBETを最大掛け枚数で固定」することができ、それを採用しています。上限が2枚掛けのボーナス中以外で2枚掛けできるのは、コインを手入れしたときだけですね。

 

私がこの機種を凄いと思ったのは、通常時とボーナス中の逆転ではありません。2枚掛けでハマリを作るボーナスに誘導するところと、うっかり2枚掛けをさせないための工夫がなされていることだったりしました。

って『HEY!鏡』から2枚掛けのことばかり書いているような(笑)。3枚掛けのアイデアはほぼ出尽くしてしまっています。それでもメーカーは新たな挑戦を模索し続けているのです。

 

新たなアイデアも、一瞬で終わらせられてしまったりするんですけどね。次回はそんな『ルパン三世−世界解剖−』の番外編をば。