自分の世代はパチンコ専門誌の隆盛期ということもあり、年齢が近い誌上プロが何人も同時に出てきた。
最初は石橋プロ、ついで自分や亡くなった飛鳥プロ、登場は遅れたがパチマガの看板となった池上プロ、理論の方では熊ちゃん先生とか根本さんも有名かつ大きな実績を残している。TVで有名になったベンツ小林プロもまたその一人。

杉本プロも同時期の実力派で、石橋達也さんとの13時間デスマッチ勝利を機にメディアで確たる地位についたプロだ。
思えば「パチンコ王」という専門誌は濃い雑誌だった。石橋さんが起こした編集プロダクションが作っていたのだが、パチプロ満載という感じで、石橋さんや自分、件の杉本プロに飛鳥プロ、後にパチテレの社長になったリスキー長谷川さん!や自分の友人二人も若手プロとして日記やコラムを書いていたものだ。

そんな杉本プロ、自分ではリスぺクトこそあれ何も文句は無かったのだが、ある日突然関係がこじれた。彼のことなど想定しないで書いた文章を誌面で怒られたり。
後でわかったのだけれど、互いの知り合いにせっせと火に油を注いでいた人がいたのが理由。自分は何年も経ってからその事実を知り、問い詰めたあげくに「羨ましかった」と言われてもねえ…。

結局、当時の編集のトップだった石橋さんには「俺はガイドでも書いてるし、身を引きましょうか?」と言ったものだが、杉本さんが辞めることになった。
編集サイドからは、心配した自分に「私も不快でしたので」との言葉があったが、やっぱり気持ちがいいものではなかった。

能力は自分よりも確実に高かったから、今の機種の隙を突くような時代なら、彼の価値はもっと上がったろう。「業界の有能な人材を潰したのはお前だ!」と言われたら、自分は謝ることしかできない。
今はパチンコにせよ、能力を活かして他の業種に変わったにせよ(もともとそういう指向だったので)、成功していることを祈るだけだ。