令和が始まりましたね。まだピンときていないどころか、まだ私の平成は終わっていないくらいに感じているのが正直なところ。令和はどうしたいとか目標もなかったりしますし、それ以前に平成の振り返り原稿が溜まっている始末。連休明けには令和を感じてみたいものです(笑)。

ということで、前回の続きです。

 

○5号機創成期(平成19年〜平成20年:2007年〜2008年)

平成19年9月に最後の4号機となった『俺の空』と『イミソーレ-30』の検定期間が終了し、完全5号機時代へと突入しました。爆裂AT機もストック機も禁止された5号機。勝手知ったる機種の撤去、射幸性の低さによる客離れは激しく「パチスロ冬の時代」と呼ばれることに。

この時期の5号機は、ボーナスにRTを絡めたものが主流。ボーナスから突入するRTをパンクさせる小役などを目押しでハズして延命させる“リプパン方式”やその応用。押し順ナビで小役が揃うゲーム性も、まだ5号機では登場しておらず。出ないと思われただけでなく、敷居の高さも感じさせてしまいました。

4号機の隆盛でパチスロコーナーは、人気機種を大量に並べた大型店舗が増えましたが、それを埋めるほどの5号機は登場せず。ベニヤ板を貼って減台する店舗も多く見かけられました。パチスロ総台数の減少は平成22年上半期(2010年)まで続くこととなります。

 

○ART機で反転攻勢(平成21年〜平成23年:2009年〜2011年)

その流れを変えたのが、平成21年初頭に登場した『忍魂』通常時からも突入するARTでゲーム数上乗せもあり。押し順ナビこそありませんでしたが、5号機ART機の完成型が近付いてきます。ここから『パチスロ交響詩篇エウレカセブン』(平成21年)『新鬼武者』(平成22年)が大ヒット。パチスロの総台数も増加に向かい、ついにパチスロがV字回復を遂げました。

そこから、さらに進化を見せたのが平成23年の『モンキーターン』と『ミリオンゴッド−神々の系譜−』に『押忍!番長2』。ボーナスがない、もしくはプレミアム的な存在の機種も受け容れられることを示しました。ノーマルタイプも、まだ作られていないわけではなく。ボーナス+ARTやART専用機などを合わせ、バラエティに富んだラインナップが組めたのです。

平成23年には東日本大震災が発生して電力問題などもありましたが、パチスロ環境としては穏やかな時期だったと言えるでしょう。情報の入手とイベントの取捨選択など、勝ち方も4号機末期に近い状態となりました。

 

○純増3枚AT機の隆盛(平成24年〜平成26年:2012年〜2014年)

平成23年に発表された『エージェントクライシス』で、純増0枚となるボナスの概念が生まれ、平成24年の『ねえねえ島娘』と『パチスロ鉄拳デビルVer.』と自主規制限界の1Gあたり3枚純増となる押し順AT機が登場します。そして平成26年には通常時のベースを抑えた“アクセルAT”も登場。

従来のART機よりも荒いため、当初はユーザーからの人気は今ひとつでした。しかし、粗利の高さに惹かれてホールの大半がAT機となっていきます。利益が出るように知恵を絞るのではなく、利益が出る機種を好む客層を重点ターゲットにする経営方針のホールが増えていったのがこの時期です。

そんな射幸心を煽りたい機種が増えていった中。平成24年から、いわゆる“広告規制”の強化が始まります。厳しくなったのは最近と感じている方も多いでしょうが、7年も前から問題視されていたのです。

 

○規制の連続を経て6号機へ(平成27年〜平成31年:2015年〜2019年)

アクセルATの技術が各メーカーに浸透した平成26年。行き過ぎた諸構成を抑えるための規制が立て続けになされました。ペナルティ仕様を5.5号機です。平成27年11月をもって旧基準機の新規設置が終了。平成28年6月には有利区間の概念をもった5.9号機の概要を発表。平成29年には6号機への遊技機規則改正案も発表されました(施行は平成30年2月より)。5.9号機のみ新規設置できたのは数ヶ月と短かったです(笑)。

平成の期間中に『HEY!鏡』や『RE:ゼロ』といった6号機のヒット機種も生まれましたが。概ね平成の期間は2号機から5号機まで。令和は6号機以降と分けられるのではないでしょうか。

 

インターネットもなく足で情報を稼いだ昭和の時代、パチンコは国民の余暇と言われていました。そこから情報網が発達し、その収集が大事になってユーザーがコア化していったのが平成時代でした。この流れは変わらないようにも思えますが、広告規制による発信情報の制限やギャンブル等依存問題対策など大きく環境は変化することが予想されます。

どうなるか? 分かりませんよ(笑)。少なくとも改元特需を狙うような動きはできませんでしたな。他業種より圧倒的不利なんですから。次世代ユーザーを育てるために種を撒くこと。情報化時代に情報発信が制限されているのですから、来店した顧客の満足度を上げること。この2つしか答えはないと思っていますけどね。