この年は、いわゆる「大量獲得タイプのストック機」がいろんなメーカーからデビューしました。もちろんこれは、前年に大ヒットした大都技研の「吉宗」の流れに追随したわけですが、どの機種もそこそこのスマッシュヒットを放つも、同カテゴリにおいて“吉宗の販売台数を超えるマシン”は最後まで誕生しませんでした。

 

ヒット機種の有名どころは以下の通り。

アントニオ猪木自身がパチスロ機(平和)、ガメラHGV(ロデオ)、シンドバッドアドベンチャーは榎本加奈子でどうですか(エレコ)、主役は銭形(平和)、鉄拳R(山佐)、梅松ダイナマイトウェーブ(ロデオ)、お見事!サブちゃん(オリンピア)、ボンバーパワフル(SANKYO)、ガッツだ!森の石松(エレコ)、サイボーグ009(アビリット)、ドラゴンギャル(SNKプレイモア)、巨人の星2(アリストクラート)、十字架(NET)、南国育ち(オリンピア)、カイジ(ロデオ)、パチスロだよ黄門ちゃま(平和)…etc。

純粋なAT機でヒットしたのは猪木自身のみ。つまり、世の中のニーズはすでにAT機からストック機に移行していたわけですが、それでも4号機時代の末期まで根強く生き残った猪木自身は本当に凄いと思います。

 

大量獲得機にちょっとしたトラブルもありました。パチスロの検査機関から「ビッグ中に押し順ナビを発生させて打ち方を限定するのは遊技の任意性に欠ける」といったクレームが付いたため(正確な表現ではありませんので悪しからず)、直後に申請された「梅松ダイナマイトウェーブ」ではビッグ中にJACインの押し順ナビが発生しませんでした。この機種はJACインと15枚役が同一フラグなので、要はビッグがスタートしたら1&2ゲーム目に順押しでJACインさせ(ただし、右リールに青7を目押ししないと獲得枚数が少なくなる)、後は小役ゲームの29G目まで逆押しフリー打ち、ラストゲームで順押しJACインさせれば獲得枚数が711枚になります。しかし、液晶画面にはJACインの順押しナビが表示されないため、パチスロ攻略誌や小冊子を読んで「正しい消化手順」の知識を身につけていない人は、オール順押しで獲得枚数が400枚にも届かなかったり、はたまたオール逆押しで0パンしたりしました。さすがにこれは不親切すぎるでしょ…というわけで、以後は全ての機種が押し順ナビを表示するようになりましたが、ビッグ中に「ダン、ダダダダン、ワンツー、ワンツー…」のフレーズを繰り返すだけのシュールな楽曲は、今でも強烈に脳裏に焼き付いています。

 

ところで、前述した「この年のヒット機種」の中には、サミーと大都技研のマシンが1機種も含まれていません。これは何故か?

答えは簡単。いずれも前年にリリースした機種が売れすぎて(追加注文が殺到して)、新機種を発売する必要がなかったんです(…だと思います)。サミーは「北斗の拳」、大都技研は「吉宗」。いずれも息の長いロングセラー機として活躍し、追加ロット分は新パネルとして発売されました。結果、北斗は全6パネル(ケンシロウ、拳王、無想転生、ユリア、黒王、宿命)、吉宗も6パネル(家紋・吉宗・姫・悪代官・爺・ラブリー)が発売され、以後は新機種がヒットする度にパネル違いがリリースされるようになりました。

 

ちなみに、この年の私の収支は以下の通り。

平成16年のトータル

  1月        +4,500円

  2月  +175,000円

  3月   -145,000円

  4月   -269,000円

  5月     -49,000円

  6月  +512,000円

  7月   -200,500円

  8月       -51,000円

  9月    +241,500円

10月     -108,500円

11月     -76,000円

12月  +297,500円

合計 プラス 331,500円

 

おそろしく浮き沈みが激しいのがわかりますが、これはガイドの仕事で「企画物の実戦」がやたらと多かったのが原因。要は北斗と吉宗です。これらの機種はすでにプログラム解析が全て終了し、普通ならガイドの誌面から姿を消すはずなのに、あまりにも機種の人気が高すぎて掲載しないわけにはいかなかったんです。となると、企画に走るのは当然のこと。両機種とも、勝ってこい実戦だの、漢らしい実戦だの、演出改革実戦だのが毎月のように行われ、必ずしも毎回負けるわけじゃないけど、かなりの年貢を北斗と吉宗に貢ぎました。ざっと振り返っても、北斗で10万負けを3回、吉宗では10万負けを4回やらかしています。

息の長い機種はいずれも「店側が儲かるからハズされない」わけで、企画物で大負けを叩いた後はリカバリーが大変でした。

 

そして、時代はいよいよ4号機の末期に…。