読者の皆様、こんにちは。私が月イチで連載している「こうして私はパチンコ&パチスロと長く付き合いながら良い年をしたおっさんになった」は、いよいよ5号機時代の後半に突入…ってな感じで盛り上がっておりますが、今回はそちらをお休みして特別コラムをお届けします。どうぞよろしく。

 

 

話は去る3月31日に新宿ロフトワンプラスで行われた「栄華・中武・チェロスの廃業ホール探訪記」に遡ります(主催はゲームセンターライズさん)。

 

この日、私は客席のど真ん中という最高のポジションで、栄華さん、タケちゃん、チェロスさん、それから特別ゲストの神保さんによる軽快なトークを、心から堪能しました。レトロホールや廃業ホールの記録を写真に残そうとする栄華さんの活動は、本来ならばパチンコ&パチスロ情報誌が行うべき文化事業ではないかと個人的に思います。もちろん、私もレトロホールが大好きで、昭和57年からパチンコ店に足を踏み入れている私は、当時のホールの写真を残さなかったことに後悔しきり。やろうと思えば37年分の写真を残せたのに、私はそんなことを全く考えませんでした。まぁ、当時は今のようにスマホで手軽に写メを撮れる環境じゃなく、ホールでカメラを構えたら店員さんが飛んでくるような時代でしたから(昔のパチスロ必勝ガイドの取材で何度か経験しています)、ホール内において写真撮影はタブーと刷り込まれたのも仕方ないっちゃないんですけどね。

 

これは栄華さんの監修による「八画文化会館パチンコホールディテール図鑑」。会場で販売していたので迷わず購入しました。ついでに栄華さんのサインも入れていただきました。昔を懐かしむ貴重なアイテムとして、そして貴重な資料として非常に読み応えのある本なので、興味を持たれた方がおられましたら是非とも購入されることをお勧めします(定価1800円+税)。

でもって、トークショーの終了後に、少し離れた席に座っていらした男性に声をかけられました。そう、この方こそ西陣屋広瀬さん。レトロ機種が好きな方なら、一度くらいはお名前を聞いたことがあると思います。この業界では知るひとぞ知るパチンコ台コレクター、それが広瀬さんなのです。広瀬さんと私はツイッターを相互フォローしており、かねてよりSNS上のやりとりはあったのですが、実際にお目にかかるのは初めて。まさかこんな場所で初対面の挨拶をしようとは思いませんでしたが、人の縁(えにし)とはこういうものかも知れませんね。

そして、なんとなくレトロ機種の話で盛り上がって一緒に晩御飯を食べに行き、最後に「機会がありましたらぜひ広瀬会館に遊びにいらしてください」と招待してくださいました。広瀬会館とは、もちろん広瀬さんのご自宅です。それなら是非お願いします…ってな感じで訪問を約束しまして、GWの最終日である5月6日に広瀬さん宅にお邪魔しました。

 

これがその時の写真(中央が西陣屋広瀬さん)。タケちゃんも一緒に行きました。タケちゃんは「スロの人」というイメージが強いライターですが、私と同じく昔のパチンコ台に造詣が深く、特に西陣の羽根モノに詳しいため、声をかけたら即答で「ご一緒します」と返ってきたんですな。

広瀬会館に到着したのは午後2時過ぎ。ワクワクしながらご自宅に案内されると、そこはまさに異世界でした。右も左もパチンコ台の山。それこそ足の踏み場もないくらい。しかも、西陣屋さんの名が示す通り、所有されている実機は全て西陣の機種だったりします。それがパーツ取り用の壊れた台も含めて所狭しと置かれており、正直言ってこの環境でどうやって生活してるんかな…と妙なことを考えたりもしました。

「いえ、これが意外と住めるんですよ」

広瀬さんは笑ってそう仰いましたが、コレクターの熱意と根性は本当にすごい。以前、貴方のチェロスさんのご自宅に遊びに行ったことがありまして(チェロスさんも実機コレクター。ただし、広瀬さんと違ってパチスロがメイン)、その時は全てのスペースが実機の保有空間になっていることに唖然としましたが(置き場所がなくて階段にも実機を1台ずつ置いていました)、パチンコ&パチスロが大好きだからこそ、生活空間を犠牲にしてでも実機を大量にコレクションできるんですね、ええ。

 

以下は広瀬会館で見学した実機の数々。広瀬さんにSNSに上げても良いという許可を頂いたので、その一部を紹介しようと思います。

 

ルーキーZ。旧要件時代の西陣の30秒機で、4桁デジタルがオール7になれば大当り(写真は単なるハズレです)。三共のフィーバーしかり、大一のアイドルセブンしかり、三洋のパニックしかり、京楽のスカーレットしかり、当時は4桁デジタルのデジパチ(超特電機)が主流でした。例外は3桁デジタルに3か7のゾロ目で大当りになる平和のラッキーブラボーと、2桁デジタルに88+3つのカラーランプに黄色2つで大当りとなる豊丸のバックファイヤー8くらいだと思います。

 

エレックスサンダーバード。天横またはジャンプ釘上の小窓に球が入賞するとカイザーチューリップが開いてヘソチャッカーへの道ができ、これに入賞するとアタッカーが開放する。本来は権利獲得とパンクを繰り返しつつ出玉を増やすゲーム性でしたが、一発台調整された台ではこれでもかとジャンプ釘が下に叩かれ、天横は完全に潰されているのが普通でした。また、手前に傾斜させる店も多かったため、そのような店では左窓に飛び込んだ玉が右窓を抜けて飛び出ることもありました(笑)。

 

ゴング2。新風営法以前の羽根モノですが、セル盤に描かれたボクサーがどこぞのチャンプに酷似しています(後期版は全く違うキャラに変更)。当時の西陣の機種はこういうのが非常に多かった。世界のホームラン王とミスターに似たキャラで物議を醸したベースボールや、まつげの長い金髪美女が描かれたD-51など。肖像権って何? って感じだったんでしょうね。

 

アイアンキング。新風営法施行後の羽根モノです。ラウンド後半になると役物内のロボットが激しく両手を叩いてV入賞をサポートしますが、継続率はさほど高くありませんでした。大当りとパンクを繰り返しながら出玉を増やす、昔ながらのオーソドックスな羽根モノですね。

 

アミーダ。いわゆるジャンケンポンタイプの電役で、状態に入れば店側が決めた定量まで連チャンして一気に打ち止めとなります。メモリーはないため、ヘソの釘調整によって打ち止めに要する時間が激変しました。これも新風営法以前の機種です。

 

ザ・カンフー。どこかで見たことのあるキャラが描かれた羽根モノです。以下自粛(笑)。

 

ジャックポット。役物内に3桁デジタルがありますが、デジパチではなく羽根モノ。大当たりするとデジタルに777が揃う…という、それだけの演出です。Vゾーンが「Vスポット」となっているのが面白い。あまり設置店は多くなかったように記憶していますが、私は水道橋みとやで何度か打ったことがあります。

 

この他にも多くの実機を見せていただいたのですが、とてもここでは紹介しきれません。広瀬さんのご自宅には200台以上の実機が並んでおり、さらに別の倉庫にも大量の実機を保管されているということです。

う~ん、実に良いものを見せていただいて目の保養になりました…てなわけで、すでに夜になったこともあり広瀬さん宅を後にしました。次にまた広瀬会館に遊びに行った時には、この続きをコラムにアップしたいと思います。広瀬さんはご自身のツイッターでも頻繁に実機の紹介ツイートを行なっていますので、レトロ機種が好きな方はフォローをオススメします。

(ツイッターアカウント  西陣屋 広瀬 @hirose_18)

 

それではまた。