「マシンになるのはカッコいいことか?」

パチプロ生活も31年を数えた。

最初は(根がひねくれ者だけに)アウトロー気分を悪くないと思ったし、公務員を辞めた後の自由さは本当に幸せと思ったもんだ。
そんなガキな考えが引け目と不安に変わっていったのは、30歳を前にした辺りだったろうか。後に同じ土俵である「誌上プロ」から旅立っていった何人かの友人を見て、羨ましく思いつつも自らを変えられなかったのは、ひとえに怠惰ゆえだ。

今はそんな葛藤を越えて、達観というか諦めというか、一言では言い尽くせぬ境地にいる。
「もう、今さら他のことはできんし、しようとも思わない」
「もしも、ずっと誌上プロでいられたら、それはそれで価値もあるんじゃないか」
「パチンコ打ちとしても成功者にはなれなかったろうが、隅っこの方で過不足なく最後まで生きていけたらそれでいい」
みたいな心境なのですよ。
これは「あくまで今の状況が続けば」の条件つきですがね。

打ち方というか、心構えも変化していった。
自分の場合は食い始めた頃は「利に聡いことこそプロの上手さ」的な考えがあった。
でも、それは他人を利用したりのズルさに通ずるもの。特に周囲の勝ち組はそういう人間ばかりだったので、臍曲がりな自分は嫌気が差したんだな。
今もよく口にする「まず自分で!」は、そういう所から来ていたりするのですよ。

ホールでの感情も変わっていった部分かな。
デジパチをメインに打ち始めた頃は正直、「おっちゃん、おばちゃん達のように、目先の当りに一喜一憂するのは恥ずかしい」なんて気持ちがあったもんだ。
でも、ある時期から自分たちがメディアで唱えた「期待値で考えろ」「感情を揺らすな」だの「店の中ではお金は紙切れと思うべし」なんてのが一般化し過ぎて、今ではネットでパチンコの勝ち方を覚えたばかりの小僧さんも当たり前のように口にするようになっている。
でも、本当にそれで楽しいか? 誌上で言い出した人間の一人が書いてはまずいかもしれないけれど、マシンになってお金を拾っても、そんな人生で死ぬ時に満足できるんだろうか?

自分は今現在、当りが見られたら嬉しいし、ハマったら悔しい。後者は若い頃からずっと変わらんがね(笑)。
別に真面目に打つという行為は変わらないのだし、感情は抑制しない方がいいんじゃないか、とね。
だから、ボタンも押すし(俺、連打速いっすよ!)、ストレスばかりなプロに囲まれた状況はできるだけ避けている。そっちの方が楽しく打てるしさ。

まあ、各人が好きにすればいいんだけどね。パチンコなんて他人が評価するもんじゃないし、周囲に迷惑をかけなければ、それでいい。元々小さな自己満足の世界なんだから。

☆「アテがない日、好きな台で過ごすのも幸せだ」

先月は当りまくりだった。若い頃も月間70万だの80万なんてのはあったものの、6月のように内容が収支の半分もないほどのツキはなかった。
「こんなこともあるんだな」と感嘆しながら、「今の機種、営業形態はそれだけ荒いってことだ」と自分に言い聞かせてもいる。

とはいえ、こんなツキ目を経験すると、知らず知らず浮かれている自分がいる。
ははは、冬場に真・慶次2で痛い思いをしていて、いつまたあんな日々が来るともわからないのにね。
まあいいや、苦しくなったら己に負けないように頑張る。調子がいい時はちったぁ浮かれる。
どうせ年間均すと実力通り+少々の確率のブレにしかならない。それを前提にしたら、自分は感情を否定しないよ。

さて、本日は確たるアテがない。こんな日はしょっぱい保険を打ちに行くのが常なんだが、今年は異例の時期に梅雨明けして、もう外は真夏。
暑さは地獄のような冗談か、冗談のような地獄って感じですよ。
暑いし遠いし、今日はちょっと楽をさせてもらうとしよう。

てなわけで、打ちに来たのは33玉交換の店。実は一昨日に夕方からここで偽物語ライトを打ち、前作の化物語が好きだった自分は純粋に演出を楽しめたのだ。
「もうちょっとやりたい!」実はそんなプロとしては邪念が、ここへ来た理由だったりしてね、てへへ。

昔はこんな収支度外視の打ち方はしなかった。でも、今は「一日くらいならいいじゃん」と思う。自分も衰えたのか、肩の力がいい感じに抜けたのか? 後者だと都合よく思っておくよ。

うん、偽物語は一昨日よりちょっとキツいかな。まあ、ここは3円だし、電サポ中に玉を減らさないメドは先日つけてある。屋根への引っ掛かりにくさとハンドルの遊び範囲の関係で大当り中のオーバー入賞に期待はできないけれど、それなりに持ち玉で打てばプラスにはなるだろう。

打ち始めると、回りはやっぱり予想通り。先日は千円24個ほどあったのが、再プレー1250個で89回転。
もっとも、これは危機感を持って合わせをいろいろ試したせいもあろう。もう少し正体はマシと決めつけて続行だ。

当たったのはもう1プッシュしたところ。激熱表示に青から赤保留への変化、群まで入って詐欺師の貝木泥船SP(でも、彼って本当はシリーズのずっと先に、撫子を命懸けで救うお人好しなんです)から大当り。

さあ、STだ。電チューを狙うのにまだ慣れきってないから演出のパネルまで目がいかないけれど、保留&できる範囲での画面には注目して確変を消化していくと…。
う~ん、式神の斧乃木余接強すぎ! ていうか、アンタ原作では暦じゃなくて忍と戦ってコテンパンだったよね。

心の中で愚痴を一つ吐いて通常時に戻ると、また激熱が出て、緑保留から赤へチェンジに群発生。メモには「真宵CU」とあるけれど、ステップアップとかあったかな? 偽物語初心者で覚えていないのが残念なり。
これも何だったかな? 怪異スーパーに発展して、ドキッとする2段階で大当り。

テンコ盛りの演出が見られたのはラッキーだが、今度のSTはどうだ?
いや、今度は余接に暴力陰陽師の影縫さん、信頼度高めのはずのデカい方の妹火憐ちゃんと、対決する相手が多かったものの、連チャンはなし。ちぇっ。

やっとSTで引けたのは、持ち玉を飲まれて残りの再プレー1125個と8500円を足した384回転目。翼スーパーがドライブギア(あの引くやつね)から大当り。
まずは29回転で4R。そして、本日因縁の余接を倒して(やられたシーンは忍高校生バージョンと対決したアニメと同じだ)また4Rかと思えば、「ぱないの!」と忍が出て16Rへ。
連チャンはここまでだったけれど、目的の一つはゲーム性の堪能。一応は連チャンも経験できたから満足かな。
あとは挽回して浮ければ、額は問わずに大満足。

おっ、そんなことを考えていると、277回転目にどっから発展したのか忘れてしまったものの、ST中のようなよつぎと対決のリーチになっている。
これがモノになって、連チャンは16Rが二つ。いい感じになってきたんじゃな~い?

しかし、この後は45回転で同じくよつぎとの死闘から引いた当りは単発~350回転でドライブギアから当たった貝木SPの当りも単発と来て、最後に84回転させて持ち玉は消滅。
少し遅刻&ゆっくり昼飯を取ったりで、時刻はそろそろ18時。あの世界観を堪能させてもらえたし、今日はこの辺にしといてやろう。16000円程の負けで納得して帰宅。