所変われば、何とやら…と。

いまでこそ、設置機種や営業形態などなど、全国どこへ行っても、さほど劇的な違いは見られないものですが。昔はけっこう地域格差があったりして。馴れない土地で戸惑うことしきりでした

今回は、そのあたりの昔話でも、しましょうか。

パチンコを本格的に打ち始めて間もない1989年の初夏の、ある日のこと。バンドのライヴツアーで東京へ行った際、オフが1日ありまして。宿泊先である知人のアパートでゴロゴロしてたんですが、あまりに暇だったもんで、散歩がてら近くのパチンコ店を覗いてみました。

地元のホームグラウンドJ店の半分にも満たない、小さくて古くさい店。台間やシマ通路も狭く、また呼出ランプや椅子、内装などなども軒並み前時代的で、その時点で違和感満点でした。

設置機種は、特に違和感なく、デジパチ(三共のドラム式だったような)が1コースに、あとはハネモノ。カウンタのわきにはパチスロ機が1列、置かれてました。まだこの時点ではパチスロは「高嶺の花」だったので、スルーして…と。西陣のハネモノ「ちんどんショー」に座りました。

地元J店の姉妹店Mにもあったのてすが、この店のものはセンターチャッカーが2回開きチューリップになってました。あとで知ったことですが、この「ちんどんショー」にはチャッカーの違いで3種類があったそうです。

メンテナンスが悪いのか、単に経年劣化なのか。盤面も役モノも釘も、かなり汚れてくたびれた感じです。しかし、鳴き・寄り・拾いいずれも良好で、さくさくと球が増えていきます。

…と、小箱(800個くらい入る長細いもの)が2箱満タンになったあたりで、「ぴぽぴぽぴぽ~♪ ○○番台、定量確認お願いします!!」といった自動アナウンスが流れてきました。台番を確認すると、自分が打つ台でした。

ほどなく、よれよれのカッターシャッツを着た初老の店員が、鍵束をじゃらじゃらさせながら、やってきました。そして彼は開口一番、こう告げたのです。

「はい、お兄さん。終わりね」

…は? なんで?
ここに、「打ち止め3000個」って、書いてあるやん。まだ2杯しか出てないで。

「いや、もう打ち止めだからさ」

だから、なんで?
3000個ちゃうの、打ち止めは。なんで!? なんで!? なんでーっ!?

まぁまぁキレ気味に関西弁でがなり立ててみたところ、店員さんはやや申し訳なさげに、こう言いました。

「えっと…ね。前のお客さんが出した分と合わせて、3000個なんだよ。悪いね、お兄さん…」

…………は? …ってか、なんやねん、そのシステム!!!!!!
前のお客さん…の? 知らんがな!! 前のお客がどんだけ出したかなんて、わしには関係ないやんけ!!!!!!!

…まぁ、最後の2行は、心の中に留めておきましたけどね。店員さんも、いい人そうだったから。

ともかく。東京ではかようなシステムが一般的であることを知るまで、さほど時間は要さなかったのですが。地元J店をふくめ関西では「現時点で打っている客の『持ち玉』がおおむね所定個数(4000個が主流)に達したら予定終了」というのが一般的だったもんで、なかなか馴染めませんでしたね。

そんな感じで次回も、旅先で戸惑ったり驚いたりしたエピソードなんかを、書き綴りたいと思います。

では…再見!!