ずいぶん前の話になるが、MOND21でやっている守山塾の特番にお呼ばれしたのは4月の連休直前のこと。
放映は6月だったので、ご覧になった方もいらっしゃるかな。

そのメンバーの中に、はるか昔(21世紀最初の年の放映だったかな?)のTVチャンピオンでご一緒した、大阪のたいがー山本さんがいた。

あまりにも久しぶりだったので緊張するかと思ったけれどねえ。
そこはそれ、当サイトのライターである、じゃじゃさんに活躍ぶりを聞いていたり、同じパチンコ打ち同士ということで、あっと言う間に以前お合いした時みたいに話が弾んだ。
(これはたいがー山本さんの人間性もある)

で、実戦も終了して、収録後には座長である守山アニキの声掛けで打ち上げへ。
ここでたいがーさんから出たセリフは
「むかし安田さんにアドバイスいただいたことがあります。メディアで文章を書きたいなら、どんな形でも続けること、という言葉です」
「それがあったから、オカルト系専門誌ですが、私はその中でも正攻法を書き続けています」
だった。

うん、その専門誌は読んだことがある。風当たりも強かろうが、たいがーさんは一生懸命連載をやっているのがわかるから、そこは自分としても「頑張ってるなあ!」と評価していたものだ。
自画自賛になるけど、いい話じゃないか。
ただ一点、そのアドバイスを口にした自分が年月と共にセリフを忘れていた以外は…。
うわぁ、たいがーさん、マジすんません!

もう一つ、守山アニキさんとは彼がサンダースケルトンで必勝ガイドの年間オリ攻大賞を受賞した頃に対談をさせてもらった。
当時は今後のペンネームを複数考えていたそうで、その中の一つである「アニキ」を推したのが自分。現在それが自然な形で定着していることを考えると、自分も嬉しい限りだ。

問題はその時、たいがーさんの時と同様に偉そうにしちまったアドバイス。
「アナタは才能があるけれど、自分が稼ぐだけなら、メディアに出る必要はない。誌上プロをやる以上は、手の内を隠さないことが大切」
という内容だった。

当時は本当にそう思っていたし、自分自身もそうやっていた。
旨い話は隠して、通り一遍の打ち方だけ公表するのでは読者に申し訳ない。
そして、これだけ遊技人口がある以上、自分が思いつくことは絶対に誰か別の人も考えつく。
いつかは表に出ることなら、下手に内緒で自分だけシコシコ稼ぐより、メディアでの自分の評価を上げるためにも書いちまえばいいですよ、と。

そういう言葉があったせいなのか何なのか、アニキはアラジンディステニーの攻略も書いた。各方面からの風当たりは強かったらしい。
プロには「テメ~、大事な飯の種を公表しやがって」みたいなね。
いや、自分で考えた人なら憤る資格もあろうけど、どっかから情報を仕入れた人は、そこまで言う資格はある? と自分は思うのだけど。

もし、自分が同じことを考えついていたら、書いていたと思う。
「小さいことを言いなさんな。昔から攻略なんて自分が大事に使おうとしても、どこからか別のプロが現れてブッコ抜いていくのが常だったでしょ」との反論を胸にしてね。
幸か不幸か、湘爆もアラジンもファフナーも、自分が調べる前に知り合いから耳にしたので、「やる以上は書かないわけにゃあいかんし」と自問の末に、攻略には手を出さずじまいだったけど。

ただ、後年右打ち機が続々と登場し、ひねりブームを迎えた頃に、自分は海を左でひねる打法(正確には電チューに向けて弱める)を書くのを誌面では控えて、4年も5年もそればっかりやっていた。
やり始めて4年目辺りに、必勝ガイドのオリ攻の投稿で似た打ち方を見た時は(止めるタイミング等は掲載されていなかったから、投稿者もボカしたのだろう)、ちょっとだけ抗議するプロの気持ちもわかったっけ。
自分は先のセリフが身上だから、恨み言は絶対口にできないけどね。

理由は
「手順自体は難しくない」
「今は情報過多の時代だから、何も考えない人達が拾っただけの打ち方を手に入れて、ドヤ顔するのが目に浮かぶのが嫌」
「結果として、自分が大切にしている、打ち手として大事にすべき、考えることを放棄する潮流を加速してしまうのではないか?」
ということだ。

でも、これは先に書いたアニキへの言葉に背くこと。
自分は変節をしたら、理由も含めて必ずそれを伝えたい。
アニキと直接会って胸の内を話すまでは、ずっと心に引っ掛かりを残したままでした。
もちろん、自然発生的に大海2辺りで多くの打ち手が同じことをやり始めて、誌面でもそこまで隠していた理由や心情を、言い訳として書いたものですが。

人間、信念を持って生きてはいても、年月を重ねると思い自体が変わることはある。
以前に吐いたセリフは、ブーメランになって自分に帰って来ることもあるんですよ。う~ん、言葉って重いですね。

でも、変わる己もそれはやっぱり自分だし、大切なのはその都度過去の言葉にケリをつけること&それができる勇気だと思うのです。