現場と取材(ウン十年やった対談は自分の宝物的経験だ)を通して、多くのパチンコ打ちを見てきた。
ウデも様々、人間性やタイプも全然違う人達ばっかりだったな。彼らに会えたことで、自分は「プロはこうでなくちゃいけない」という、勝手な固定観念が取り払われた。これは大きな収穫だったな。

そんなたくさんの打ち手さんの中で、好みというか「いいなあ」と思ったのは、天才肌タイプだ。

自分は独創性に欠けるので、余計に憧れるのかもしれない。なんでもソツなくこなす人は凄いし、現場でも着々と収支を挙げるわけだが、世間の理屈の範疇内だと「ああ、マジメだね」で終わってしまう。
(現実はそれだけでチョー立派ですが)

逆に天才系の打ち手は穴があっても、それを余りある閃きというか才能で凌駕する。抜けてる面があっても、それが逆に愛嬌と感じられるような人だね。

例を挙げるとヒヒーンさんという人がいた。
現在は現場を離れているようだが、顔出しをしなかったにもかかわらず、メディアでも腕自慢の実績がある人達の多くが名を知っていたくらいの説得力を持った人だ。
当時誰も注目していなかった(ミドルで攻略された後に出た)湘南爆走族の羽根デジ版H33で全国を廻り、年間収支一千万を記録したプロで、自分は度肝を抜かれた。

ネタだけでなく、当時はまた世間に浸透していなかった羽根モノの大当り中の羽根に合わせて打つ打法についても
「電チューはみんな分けて狙うのに、なんで羽根は狙わないんですか?」
と言われて、自分は返す言葉がなかったもんだ。

そうそう、麻雀ではポチ君にさんざ自分が毟ってるように書かれているけれど、自分は必ず始める前に「ルールは何でもいい。ただ、チョンボだけは厳しく取らないでいただきたい」と言っている。
だって、少牌に多牌、違う場所からツモる等、厳密にやられると、それだけで点棒が山ほど出ていって全部ラスになるから。
こっちの麻雀は(すっごく低いレベルだけど)人並みのことができないのに、そこそこ浮くってのは、閃きと可愛げがあるってことにさせてもらいますわ。