依然としてホールを取り巻く状況は厳しいようで、全体の9割が増収を見込めていないようだ。客離れに歯止めがかからないことで、結果的に売上が伸びないということである。いかに切り抜けるか !?

帝国データバンクは11月26日、パチンコホール経営業者の経営実態調査をまとめ、ホール企業の9割超が増収を果せていないことを明らかにした。147万社収録の同社企業概要ファイルの中から5期連続で業績が判明しているパチンコホール経営業者2,106社を抽出し、売上高合計などについて調査・分析した。

それによると、パチンコホール経営業者の売上高合計は、2013年度の21兆882億円から減少基調で推移し、今回で4期連続の減少。2017年度は17兆3,735億円となり、2013年度比で17.6%減少した。また、前年度比の減少幅は、2014年度が3.0%であったのに対し、2015年度が4.2%、2016年度が5.4%、2017年度が6.3%と年々拡大している。

2017年度に増収となったのは182社で全体の8.6%。2014年度は366社で構成比17.4%だったが、2015年度(260社、同12.3%)、2016年度(197社、同9.4%)、2017年度(182社、同8.6%)と年々減少している。増収以外の「減収」「横ばい」の合計である「その他」は2017年度の構成比が91.4%に達し、9割超が増収を果せずにいる現状が明らかとなった。

             ~中略~

帝国データバンクでは、パチンコホールを取り巻く経営環境は、規制強化が進むなかで厳しさが増している上に、スマートフォン向けアプリゲームの台頭が余暇の過ごし方に変化をもたらし、集客の妨げになっている可能性があるほか、将来的には国内IR施設が競合となりうるなど、パチンコ業界には潜在的な競合リスクが存在することを指摘。経営難であっても好立地の土地不動産を有していれば不動産業へ転業したり、資産超過のまま廃業できるケースも想定されるが、なかには倒産という形で債務整理を迫られる業者も引き続き発生する可能性があるとしている。~以上、遊技通信webより抜粋~ https://www.yugitsushin.jp/news/category/

 パチンコがダメな時はパチスロが頑張り、パチスロがダメな時はパチンコがと、そんな風にして何とか不況を乗り切ってきたこの業界だが、ここ数年はパチンコ、パチスロ双方が今ひとつで、そんなところに規制強化となったのだから、増収が期待できないのは致し方ない。

 射幸性に頼った営業を続けてきたツケがジワジワと効いてきているのかもしれないが、いずれにせよ、このままではジリ貧である。とにかく稼働を上げ、売上を伸ばすしかないと思うのだが、パチスロ6号機は今の時点で評価が今ひとつ、設定付きパチンコもそれほどの盛り上がりはない。

 ただ、今までも大きな危機に直面しつつ、何とか切り抜けてきたこの業界である。規模がまた縮小しつつも、いずれは持ち直すだろうとは思う。何らかの規制緩和がなされる可能性もなきにしもあらずだが、今後はオリンピックの準備が本格的になり、カジノ開業も控えている。

 行政当局がいつまでもこの業界を気にかけてくれるとは限らないのだが、やや楽観的に考えれば、目先の売上だけにとらわれず、健全化や依存症対策等に真面目に取り組む姿勢を続けていれば、案外早く事態も好転するかもしれない(?)。まあ、そう甘いものでもないだろうが、とにかく今しばらくは我慢の営業が必要だろう。