全国ホール数の減少に歯止めがからないようで、前年比では390店舗の減少となった。ホールの減少はこれで22年連続ということらしいが、規模別の減少率を見ると、大型店舗は逆に増えている。小・中規模店がやむなく廃業し、大規模店が店舗数を伸ばすのはここ数年の傾向と言える。

警察庁保安課がまとめた「平成29年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」によると、29年末現在における全国の遊技場数は1万596店で、前の年から390店の減少になった。年間における店舗減少数はここ7年間、増え続けており、今回の減少数も前年より拡大した。遊技場の減少はこれで22年連続。前回、ほぼ横ばいながら3年ぶりに店舗数を増やした回胴式専業店も22店減少し、973店になった。

規模別営業所数では「100台以下」が38店減の209店、「101台~300台」が250店舗減の3,630店、「301台~500台」が142店減の3,845店と、小規模店舗ほど減少率の大きさが目立った。一方で、「501台~1,000台」は18店増の2,603店に、また1,000台以上は22店増の309店になるなど大型店は伸張した。結果、長く続く店舗の大型化傾向がさらに進行し、1店舗当たりの平均設置台数は6.8台増の418.7台になった。

遊技機台数は不振が続くぱちんこ機が8万3,601台の大幅減で274万9,532台になったほか、増加基調にあった回胴式遊技機も今回は4,792台の減少で168万7,084台になった。その他遊技機を含めた総台数は443万6,841台で、平成4年以来25年ぶりに450万台を割った。ぱちんこ機の減少は7年連続で、5号機ショックから立ち直り、平成22年にそれまでの減少傾向を反転させた回胴式も、今回、8年ぶりの減少となった。

~以上、遊技通信webより抜粋~ http://www.yugitsushin.jp/news-list/

 先月からの新規則施行やカジノ関連、その他遊技業界に関する様々な悲観的状況を鑑み、廃業を決断した中小ホールは少なくないと思われるが、業界としてはそこまで追い込まれた要因を今一度考える必要性がある。業界全体がただひたすら射幸性を追い求め、その結果が取り返しのつかない客離れを招き、気付いた時には行政側も守ってくれず、やれ釘をいじるな、イベントは禁止、適性を欠く機械はさっさと外せ、外したら新しい機械を入れろと、結局追い込まれるのは行政でもなく、メーカーでもなく、末端の中小ホールになる。そして、世間一般からのパチンコ批判は行政やメーカーではなく、ホールに向けられる。稼働が取れず、利益も出ないとなれば、やめたくなるのも当たり前だろう。

 今後は大型店舗中心の業界となるのは避けられないだろうが、一般のファンや世論の動向も踏まえ、広い意味で健全な営業を粘り強く続けていくほかはない。利益重視で射幸性に頼った営業をやると、一時的には潤うかもしれないが、その後は今の通りである。

 遊技通信web内の「脚下照顧」というコラムで代表の伊藤氏が━━「自分だけはなんとか生き残ろう」ではなくて、「このままでは全体がダメになってしまうかもしれない」という危機感を共有することが、遊技業界でいま必要なことかもしれません━━と述べておられるが、まさにその通りだろう。