必要以上にのめり込んでしまうのは、その要因として発達障害的なものもあるのではと個人的には思っていたので、このような切り口からの提言は参考になる。依存問題は単純なものではないのだ。

ギャンブルの問題に悩む人やその家族を2000年から支援し続けているNPO法人ワンデーポートは5月12日、横浜市瀬谷区内の「鳩の森愛の詩瀬谷保育園」でセミナーを開催した。

セミナーでは、「マスコミが伝えないギャンブル依存症の話」を主題に、発達障害の視点から見たギャンブル依存の問題をレクチャーしたほか、依存問題が生じる原因の多様性をテーマにパネルディスカッションを実施。今のギャンブル依存問題が、単純化した医療中心の報道になっていることに対し、警鐘を鳴らすなどした。

冒頭に、趣旨説明を行ったワンデーポートの中村努施設長は、「今回のセミナーは、今社会で言われてるのとは違う切り口でのセミナーとなる。IRとの関連で、依存問題が報じられているが、今後は予防や教育も課題になってくる。子供の頃からの生活で気をつけることなど、どんな人が依存の問題を持ちやすいかなどを学んでいただきたい。依存問題は、最終的には個人の人生問題に行き着くと思うので、今の流れである病気と一括りにされることによって、間違った方向に行ってしまうことが心配だ」と、現状のギャンブル依存問題に対する偏った捉え方について問題を提起するなどした。

また、基調講演を行った「神泉こころのクリニック」院長で、児童精神科医の朝倉新氏は、発達障害という観点から依存問題について解説。患者のカテゴリーや様々な症例を指し示しながら、「ギャンブル障害は、発達障害の2次障害的な部分がある。もともとあった発達障害に対し、不適切な養育や精神的なストレスが加わることで、ギャンブル依存といった2次障害を引き起こすケースだ。治療に関しては、発達障害が十人十色であるのと同じく、ギャンブル障害も十人十色。それぞれの人に合わせたオーダーメイドの対応が必要。国やマスコミが依存症は病気といっているが、それによって、どんな人にも同じ治療を施してしまうのは困る」と述べ、個々に応じた対応の重要性を強調した。~以上、遊技通信webより引用〜  https://www.yugitsushin.jp/news/category/

 ここ数年、マスコミでも発達障害という言葉がよく聞かれるようになった。器質的な問題でもあるが、それまで生きてきた社会環境にも少なからず影響されるので (うまく適応できたり、そうでなかったり)、通り一遍の治療では解決は難しい。

 文中、~発達障害が十人十色であるのと同じく、ギャンブル障害も十人十色。それぞれの人に合わせたオーダーメイドの対応が必要~ とあるのだが、今後行政や医療関係機関もこのことを十分鑑みての対応が必要になるだろう。今までの対応が良くなかったとは言わないが、個別にアプローチしていく姿勢が重要ということだ。