全米ベストセラーの小説がアメリカでテレビドラマ化されるようだが、タイトルはそのものズバリ『PACHINKO』だ。ただ、その内容は在日韓国・朝鮮人が経験した苦悩を描いたもので、パチンコ業界云々は話の中心ではないようだ。

 韓国と日本を舞台にした在日韓国・朝鮮人の4世代にわたる年代記で、2017年の全米図書賞の最終候補になるなど全米ベストセラーとなった『PACHINKO』が、さらにアメリカでテレビドラマ化されるという。(参照:「Hollywood Reporter」)

                 ~中略~

ドラマ化されるという『PACHINKO』は、元はアメリカで出版された小説。韓国系アメリカ人のイ・ミンジンの作品だ。

 彼女が書いた『PACHINKO』という小説が、アメリカの全米図書賞最終候補作に残り、またニューヨークタイムズ紙が発表する「2017年、この10冊」にも選定されたことから、にわかに『PACHINKO』がブームとなった。

 イ・ミンジンは韓国生まれ。7歳の時に、両親とともにニューヨークに移住する。「鼠の出る小さな部屋一つのアパートに家族5人で暮らした」という彼女は、貧困と戦いながらイエール大学の歴史学部、ジョージタウン大学のロースクールを卒業し企業弁護士として活躍する。その後、体調を崩し弁護士の仕事を離れたことを機に作家としての活動を始めた。

 彼女が、小説『PACHINKO』を書いたのは、日系アメリカ人の夫の転勤により4年間を過ごした日本での生活がきっかけだった。

 彼女自身が移民として苦労したこともあり、ルーツは違えども、元々日本に住む在日韓国人・朝鮮人に深く興味を持っていた。また彼女は、「朝鮮人」とバカにされ自殺した中学生の話を大学の授業で聞いた時から、どんな形であれ、在日韓国人・朝鮮人の事を書きたいと思っていた。

 この4年間に彼女は、数十人の関係者と会い、そして『PACHINKO』という小説を構想したという。

~以下、略~ ハーバービジネスオンラインより抜粋 https://hbol.jp/172904

 昔、ある業界人の方が言っていた。親しいホール関係者に会って業界のこと、メーカーのこと、警察のことなど、とにかくもっと言いたいことを言うべきだ、メーカーからは高い機械を買わされ、警察には頭が上がらない、いつまでも理不尽なことに従うべきではないと話が進んだところで、最後にはほっといてほしいと言われると。在日の人が多いし、難しいところだねと、その方は言っていた。

 自分たちの地位向上を叫べば叫ぶほど、得も言われぬ不安感に襲われる、今はそういう雰囲気はほとんどないと思うが、一昔前はなかなか難しい環境だったのだろう。現状、カジノ問題を契機にパチンコ業界も注目を浴びるようになり、今後も依存症問題その他でやり玉に挙げられる可能性はある。

 さすがにほっといてほしいは通用しない時代なので、業界としても問題点には誠心誠意取り組む必要があろう。無論、理不尽なバッシングには反論すべきではある。震災地の低貸しホールを特集したNHKのドキュメント72時間のような、パチンコのいい面もあるのだが、現状は色々な意味でまだまだ発展途上の業界といったところだろうか。