大方の予想通り、15%自主規制を延期することになった。業界内では致し方ないという意見が大勢を占めているのだろうが、既に稼ぎ頭を外したホールからの苦情、苦言の類は出ていないのだろうか。

 全日遊連は11月14日、全国理事会後に記者会見を行い、来年1月31日までに高射幸性回胴式遊技機の設置比率を15%以下とする自主規制を延期すると発表した。

 延期の経緯については、6号機の型式試験の適合状況が思わしくないことから市場供給の見通しが立たず、価格の高騰が相次ぐ中古機の購入を組合員に強いることになれば、期日を1月31日までと定めていた場合、経営的に苦しいホール企業が「組合脱退」や「廃業」に追い込まれる可能性があることから協議し、決議に至ったとしている。

 なお、延期の明確な期間は現段階では設けておらず、6号機の市場への供給状況をみて検討するとした。

~以上、web-greenbeltより引用。 http://web-greenbelt.jp/news/detail.php?n=00010888

 行政側が今回の自主規制延期に関して何も文句をつけないのであれば、来年以降も特にこの問題が取りざたされることもないと思う。ただ、個人的に危惧するのは自主規制をきちんと守ってきたホールの立場である。約束事は守る、しかも自分たちで決めたことだから守ると、至極まっとうな振る舞いをしてきたホールが結果的に馬鹿を見ることになったのは事実である。

 しかも、業界団体の同友会は ~目標値を各基準日以降に上回って設置していた会員企業に対しては、各設置比率目標値となるまでの期間を会員資格停止処分とする独自のペナルティを課すことを決議した~ のような決議文を発表していた (遊技日本より https://yugi-nippon.com/pachinko-news/post-20057/)。このペナルティを恐れて、仕方なく該当機種を撤去したホールも少なくないはずだ。

 自主規制を守ってきた組合員に対してどのような説明をしたのか分からないが、今後また何か問題が起きた際、自主規制なんて守るだけ無駄だとする風潮がはびこる可能性は否定できない。今月2日、営業に耐えうるような代替機が存在しない現状、業界にとっては自主規制の先送りもやむなしといったところなのだろうと当欄に書いたが、やはり既に撤去したホールの立場も考えると、これで良かったと思うには疑問が残る。

 後は行政側だが、既に話がついているのであれば、延期も理解できるのようなコメントが出るだろうし、前述したように、特に今後この問題がくすぶることもないと思う。ただ、そうでないのなら、到底納得できるものではないといった話になるだろう。果たして行政側はどう出るのか、注目しておきたいところである。