10日前(3月3日)にアップされた安田さんのブログを読んで、私もフィーバーキングⅡの思い出を少しだけ語ってみたくなりました。

三共の現金機「フィーバーキングⅡ」がデビューしたのは、1992年の秋のこと。大当り確率は現金機としてはやや低めの254分の1です(FパワフルⅢや麻雀物語は240分の1)。大当り後は保留玉の1~3個目が16分の1の確率で大当りに書き換えられるため、だいたい大当りの5回に1回くらいの割合で保留玉連チャンが発生しました。連チャン性能そのものは控えめな印象ですけど、この機種の凄いところは、とにかくステージの個体差が無茶苦茶に大きかったこと。ステージのクセが良い台は、ヘソはガチガチなのにブンブン回り…なんてことが普通にあり、多くのホールは釘調整に四苦八苦していたようです。

新装時には千円あたり100個とか回る台が普通に置いてあり、今考えるとよくこんな回転率で営業が成り立っていたと思ったりもするんですが、私が通っていたお店は「7揃いの大当りのみ持ち玉遊技がOK。他の絵柄で大当りした場合には持ち玉も含めて全て交換」というルール、さらには2.5円交換という交換率の低さもあって(当時は2.5円交換が一般的でした)、何とかかんとか利益を出していたんでしょうね、たぶん。

当時、私は大分県でサラリーマンをやっていたのですが、仕事帰りにF・キングⅡを打つのが毎日の日課になってましてね。店側がステージの寄りで調整するようになるまで、1ヶ月くらいはちょっとした小遣い稼ぎになってました。

 

でもってある時、夕方の6時くらいだったかな、いつもの店で適当なF・キングⅡに座って打ち始めたんですけど、これが今まで体験したこともないような回転率だったんです。何が凄いかって、上皿の玉がまるで減らない。この機種はヘソが7個賞球なんですけど、ステージのクセが驚くほど良くってね。どうやらステージに玉が複数乗ると互いに勢いを殺してヘソに向かいやすいクセのある個体だったらしく、それに気づいてからは下手に止め打ちなどせず打ちっぱにしました。その結果、驚くことに打ち出した玉が7個に1個以上の割合でヘソに入賞したんですよ。

そんなわけだから、初当りに200回転ハマっても投資は5百円。これが運良く保留玉連チャンして、出玉を流すと約5千個(2.5円交換につき約12500円)。次も投資5百円で大当りを引き、これが保留玉連チャンやらタイムサービスやら(午後8時から先着5名まで大当り絵柄にかかわらず継続)、7揃いの大当りやらに恵まれて、交換ナンバーで流した出玉は12500個。次は500回転チョイのハマリを食らったんですけど、当然のことながら投資は500円で、大当り後に保留玉連チャンが発生した瞬間に「蛍の光」が流れました。

結局、総投資は1500円。まさか夕方6時から打ち始めて55000円も勝てるとは思いもしなかったんですけど、この日は都町(大分市にある飲屋街)で回らない寿司をたらふく喰って帰宅しました。

 

翌日、仕事帰りに同じ店に立ち寄ると、件のF・キングⅡは誰も打っていない。もしやと思って座ってみたんですけど、ステージの寄りを完膚なきまで叩かれて、千円20個の釘になってました(風車を思い切り内側に叩かれていると納得するまで2千円も使っちゃいました)。昨日はどうしてあんなに開いていたのか、なぜあんなお宝台が空き台だったのか…理由は謎ですけど、私が今まで打った中で最も回ったのは、この時の「玉が減らないF・キングⅡ」で間違いないです。

 

懐かしいなぁ…。

もう一回あの頃に戻れないかなぁ…。

などと、セピア色の思い出に浸りつつ投了。