【コラム】東北のぱちんこ状況/CRAナカムラ(遊技日本)

ココ十数年のパチンコ衰退の主原因である「統一ゲージ」「等価交換」の浸透が薄いのもあるんじゃないかな。簡単に言うと、都心部はまんべんなく全台キッチリボーダー以下のスタート&BAとTYでもカッチリマイナス調整が当たり前なんですが、東北は同機種内でもメリハリの効いた調整が多く…と言うか、お客さんの入ってる中小店は特にその傾向が強くて、大手全国チェーンであっても他地域よりガッチリ統一ゲージではない感じ。

これはね、打ち手として忘れかけてた「探す楽しみ」があるんですよ。入店して、端から端までツラツラーっとガラスの奥を眺めて回るこの感覚、都心部ではもう淘汰されたワクワク感がまだあるんですよね。

(中略)

お盆前にグランドオープンした「東北初進出」の関東チェーン店では、初日から止め打ち捻り打ちによる「出禁祭り」が大開催され、相当数のプロ達が「二度と来るな!」と言い渡されて愚痴っておりましたww

(中略)

都心部大手のやり方がスタンダードになっちゃうと、せっかくまだ面白い状態で残ってた東北のパチンコがホント面白くなくなるんですわ。それが時代の流れなのかもしれないけどねぇ…

―――引用ここまで

 

CRAナカムラさんは、10年くらい前からパチンコブログを見ていた方ならお馴染みの業界人かと思います。

ボクの知っている限りですが、古くはCRファフナーの攻略が出回ってからも「釘」で対応し、打ち方には一切文句を言わなかったような方。

また、関西圏でキワモノのパチ・スロ台ばかりを集めたお店を作り、「パチプロ大歓迎、うちのお店で勝てるもんなら勝ってみろ」「但しノーリスクで勝とうとする潜伏エナやスロハイエナは徹底排除」こんな姿勢を貫いていた方でした。

勿論、直接お会いした事はありませんし、あくまでネット上でご本人が書かれている情報のみがソースですが、世のパチンコ屋が目くじら立てて止め打ちを排除していく流れの中、どこまでもお店側でしか出来ない方法を尽くしてお客と勝負する、といった姿勢に感銘を受けたものです。

 

 

さて、引用記事のお話。

ナカムラさんはパチンコ衰退の主要因を「統一ゲージ」「等価交換」と述べており、同時に止め打ちに対して一律出禁対応を取る大手チェーンの話も取り上げております。

勿論、ピンプロであれ軍団であれ、好みはあるにせよ基本的に招かれざる客である事に変わりはないでしょう。

一方、統一ゲージで誰もが負ける調整の中、お客側に残された唯一の手段である技術を排除したら、それはもう「勝てるかも」という期待感すらも消す事に他なりません。

そして、その期待感なくしてパチンコ・パチスロ業界は成り立たない、という事が言いたいのではないかと勝手に意訳しております。

 

実際、マルハンやダイナム、ガイアを始めとする全国大手はそれに近いやり方で業績を伸ばし成長してきたわけで、楽園やキコーナ、ニラクなどの2番手グループに位置するようなチェーン店もそれに追随しています。

ただ、ユーザーは確実に減っている。

「止め打ち出禁」というのは、ホール視点に立てば至極効率的なやり方です。

ただ、その流れの中、悠遊道ライターであるゆきちさんのような職人気質を持ったスタッフがいなくなり、数字しか追わなくなっていった結果、ユーザーは今の業界に確実に「NO!」を突き付けている。

そんな焼き畑農業に対し、古き良きパチンコの姿をもって、ナカムラさんは異を唱えているのではないか、と思います。

 

 

少なくとも業界人ではない1ユーザーのボクが、パチンコホールのあり方についてどうこう述べる資格はありませんが

「イヤなら打たなきゃいいじゃん」

という選択は、結果的に大手のやり方を肯定し、勝とうとする人が“駆け引きを良しとする中小”に集中し、まんまと大手の思うツボ、となるわけでそれは本末転倒ではないでしょうか。

 

数は少ないながらもお客に優しい優良店が大手のパワーゲームに負け、お客を取られ、大手しか残らなくなった後に待っていたのはクソ釘&クソ設定。

そんな風にすたれていった地域がどれだけあった事か。

パチプロならば地域を変えればいい話。けれどそうはいかない一般ユーザーにとって、大手の寡占ほど怖いものは無いと思う今日この頃です。

(万回転)