「パチンコ必勝ガイドClassic Vol.5」の発売日が6月に決定しました。クラシックファンの読者さんにおかれましては乞うご期待…というわけで、今日(3月29日)はガイド編集部で昭和60年に施行された「新風営法以前のパチンコ事情」を知る打ち手で語る座談会に出席しましたよ。

参加したのは私と安田プロ、それから元「パチ勝」の編集長で今も業界事情に詳しいパピィさん(パチ勝ではパパというライターネームで記事を書いておられました)。座談会の内容についてはネタバレになるので触れませんが、今から36年も前に同じ時代を生きた人たちと話をしていると、なんとなく若返ったような気分になるから不思議ですね。

 

 

そう、それは私がまだ19歳の頃。私は渋谷の明治通り沿いにあった「ジャンボ」というお店で、よくパチンコを閉店まで打っていました。打つのは専らゼロタイガーやギャラクシーダイバー、ラドンエイトやキングスターといった羽根モノなので、今のパチンコのように閉店取りきれずを気にしなくて良かったんです。それに、この店は夜8時に打ち止め台を抽選開放してましたから、それらの優秀台を止められずに閉店になるのも普通でした。当時の羽根モノはどんな優秀台でも打ち止めまでに2時間くらいはかかったので、夜10時閉店の12時間営業(当時はそうでした)では致し方ありません。

でもって、閉店まで打った後は渋谷駅のガード下にあった立ち食い蕎麦屋さんで、かなり遅めの夕食を食べて安アパートに帰る。これが私の日課だったんですけどね。

ある時、その蕎麦屋さんですげぇ面白い光景に遭遇したんですよ。というのも、カレーライスを食べてたお客さんが店員さんと揉めてましてね。

カレーライスを食べる時っていうのは、カレーとご飯のバランスを考えながら食べるのが一般的だと思うんですけど、そのお客さんは両者のバランスを間違えちゃったんでしょうね。ご飯が半分くらい残ったお皿を差し出しながら、店員さんにこう言ったんです。

「かけてくれ」

家庭の晩ご飯ではよくありますよね。特に小さい子なんかはカレーばっかり食べたりするし、お母さんも「しょうがないわねぇ…」なんて言いつつも、ちゃんとカレーをかけてくれます。だけど、まさか立ち食い蕎麦屋さんのカレーでこれをやるお客さんがいるとは思いませんでした。

店員さんも困ったような顔で、そんなのダメですよ、どうしてもって言うんなら追加で百円いただきますよう…と渋っていて(まぁ当然ですわな)、しばらく「かけろ」「かけない」の押し問答が繰り返された後、客のおっさん(たぶんサラリーマン)も遂に諦めたのか、カウンターの内側にあるどんぶりに盛られた福神漬けを指さして「じゃあこれは?」と言いました。店員さんも押し問答に疲れていたのか、それともおっさんの迫力に負けたのか、つい「そ、それはサービスです」と口をすべらせちゃったんですよね。

そのやりとりが面白くて、店内にいた他のお客さんはみんな二人に注目していました。あ~あ、これは絶対に福神漬けをガバッと取るぞ…的な空気がギャラリーを支配した次の瞬間、おっさんは常識的な量だけ取ってそそくさと福神漬けご飯を食べ、右手をシュタッと上げて「じゃっ!」と言って店を出たのでした。

その瞬間、店内に爆笑の渦が巻き起こったのは言うまでもありません。例の店員さんも苦笑い。世の中、いろんな人がいるのだなぁ……な~んてコトを思ったという、ただそれだけの話なんですけどね。そんな若い頃の面白エピソードを、なぜだか座談会の最中に思い出しました。

今回の話にオチはなし(笑)。