天下一閃の中央役物を搭載したCRうしおととら、三段クルーンで話題のCR天龍。
どちらも導入日は2018年1月21、22日頃からとなっている。
興味深いのは、両方ともV入賞で大当たりのアナログな快感を残しつつ、人気機種となった天下一閃とは異なるゲームフローとなっている点だ。
まずダイイチの『CRうしおとと』は以下の通り
1.通常のデジパチ同様、液晶をまず当てる(約1/80)
2.右打ちで役物へ球を入れる(普通に打っていれば必ず入る)
3.天下一閃役物の出番!中央を射抜けば大当たり
4.2回ワンセットが51%で連チャンする!(役物の出番はなし)
天下一閃では、ライトユーザーが最も敬遠した要因は、とにかく役物に玉がいかない事だった。
下段役物は勿論、上段役物へも千円で1発も入らないような昔ながらの一発台の感覚に、ついていけなかったユーザーは多いように思う。
という事で、うしおととらでは、役物までのルートを通常のデジパチと同じ感覚で打てるよう液晶化した事で、ライトユーザーにもアナログの楽しみに辿り着ける設計となっている。
残念なのは、天下一閃には無かった連チャンで役物の出番が無い事。
だが、役物のクセが大きかった天下一閃のデキを考えるとアナログな抽選に抵抗がある層に、その楽しみを体感してもらうにはこの程度でよいのだろう。
続いてマルホンのCR天龍。
1.最上段のツメ役物へ玉を入れ、突破すると三段クルーンへ
2.三段クルーンはどれも穴は三つなので、単純計算では1/27が突破率
3.クルーンの当たり穴を
・上段 手前
・中段 奥
・下段 手前
と分散する事で傾斜(ネカセ)の影響を最小限にとどめようとしている
4.更に上段クルーンでハズレ穴に落ちた一部がSPルートに行く仕様となっていて、一気に下段に球が突入する
5.最上段のツメ役物は突破率が低く、その分なるべく役物内に多くの球が入るようなゲージになっていると思われる(詳細は現物を見ていませんので分かりません)
6.また、天下一閃などでは通常時右に流れた玉は完全に死に玉だったが、右からも上段クルーンへ直接突入するルートがある
といった具合に、こちらも天下一閃の弱点だった「通常時、役物に全然玉が入らない」といった欠点を補うべく、間を持たせる工夫が施されている。
パチプロ視点では、それでも確実にあるであろう役物のクセや、まぁまず塞がれるであろうCR天龍の右ルートなどに活路を見い出せるかもしれない。
こういった機種は、スマホガン見の打ち子には絶対扱えない台なので、そういう点でも腕利きのプロは手ぐすね引いて登場を待っているだろう。
ホール視点で見れば、扱いにくい事この上ないように映るかもしれないが、CRAナカムラさんや釘師ゆきちさんのような、過去を良く知り、釘を良く知るスタッフがいるホールならばそれこそ腕の見せ所。
釘配列が単純なデジパチでは絶対に出せない、同一機種内での調整の変化をお店側が演出できる機種となっている。
全国大手にとっては魅力のない機種かもしれないが、こういった機種こそ、他店との差別化を図りたい中小ホールの出番ではないだろうか。
何かと暗い話題も多いパチンコ業界だが、こういった魅力的な機種が登場する内は、まだ大丈夫だと感じさせられる。
(万回転)