今年の統一コラムのテーマを聞いてからPCに向かい、はや数時間。

 「背筋が凍りついた体験」に合致してると判断できる過去の経験をピックアップし、テキストエディタに打ち込んでみて、その後延々続く、PCと私の「にらめっこ」。

 正直なところ、どのエピソードも話のスケールが大きくないので、膨らまないしパンチにも欠けているんですよね。。。

 その後、思案すること数日。ようやく、何を書くかが決まりました。

 と言う事で、今回の私のテーマコラムは小説で言うところの「ショートショート形式」のように【短編コラム×5本】で綴らせていただきます。

 

1.うら若き乙女ゆえの。

 数年前の話ですが、地元の某ホールに「某誌で活躍されている女性ライターさん」が来店取材に来ていました。

 愛読誌ではなくとも名前は存じている人でしたので、折角なのでちょっとお話させていただき、その日は終了。

 その後暫くすると、また同じホールにその女性ライターさんが再来店。

 たまたま来店日にそのホールに狙い台もあったので打ちに行ったのですが、今度はその女性ライターさんから話しかけられました。

 まぁ、当時の私は目立つ髪色でしたし、覚えやすかったんでしょうね。

 で、少々話をしてから自身の台に戻ると、数分後にその女性ライターさんがやって来て、私に「撮影お願いしていいですか?」とひとこと。

 どうやら、ファンの方にツーショット写真を頼まれたものの、アテンドさんが不在だったので、私に声をかけたようです。

 別に断る理由もないので撮影係をしてあげて台に戻ると、今度はその「ファンの方」から声をかけられました。

 まぁ、厳密に言えば「声をかけられた」と言うよりは『お前【○○たん(女性ライター名)】の何なんだよ?』と、ワケの判らぬ言いがかりをつけられただけですが。。。

 熱狂的ファンからすれば、撮影係をしてもらった事への恩義なんぞなく、その女性ライターさんが私に話しかけた上にお願いをしていたと言う事実が不愉快だったんでしょうけれども、「ライター」のファン層にもこんな感じの奴が居るのか…と思うと、何とも言えぬ気分に。。。

 

2.ライブの日、噛み合わぬ歯車。

 とあるライブの日、入り時間後のミーティングからリハまで数時間あったので、ライブハウス近くのホールに時間潰しで打ちに行った時の話です。

 当時は基本的に北斗の拳S.E.(Sammy)を打っていたので、その時もご多分に漏れず、同機種をチョイス。

 そして、ちょっとハマりを喰らったものの、バトルボーナスを射止め連荘がスタート。

 まぁ、30連くらいしないとリハに間に合わないと言う事態には陥らないでしょうし、「投資分+打ち上げ代でもあれば御の字!」と思いつつ消化を開始。

 

 …その数十分後、携帯電話越しにメンバーに平謝りしながら28連目のバトルボーナスを消化している私が居ました。。。

 

3.メイドの叫び

 10年以上前に私が通っていたホールの話ですが、ホールスタッフとしては珍しく「ミドル~シニア世代の女性」が居ました。

 愛嬌も愛想もあり、ホール内での立ち居振る舞いから察するに、パチンコ・スロット好きが高じて働いていたのかなと。

 そして、当時はホール独自のイベントも許容されており、特定日に限らず季節行事に併せたイベントなんかも目白押し。

 そんな中、「バレンタインデー」に関するイベントがありました。

 まぁ、女性ホールスタッフが雑なコスプレをして、チョコを配っているだけでしたが、そうは言っても勿論ながら男としては「若くて綺麗なお姉ちゃん系の店員」から貰いたいワケで。

 そんな下心を隠しつつ、誰が配りに来るのかドキドキ状態で「北斗の拳(Sammy)」を打っていると、優しく肩を叩かれる。

 「来た!」と思って振り向くと、そこに居たのは『安っぽいメイド服に身を包んだ、前述のミドル~シニア世代の女性店員』でした…

 で、何度も会話した事のある人でしたし、冗談めかした感じで「流石に○○さんのメイド姿とかキツいっすわw」と言ってしまったんですよね。(当時を思い返せば失礼極まりないのですが。。。)

 勿論、そうは言っても向こうは仕事、私にチョコを渡してきました。ただ、目は全く笑っていない。

 そして、チョコを受け取った私の耳元で、こう言いました。

 「アタイだって、好きでやってんじゃねぇよ」と。聞いた事のないようなドスの利いた声で。。。

 

4.誌面企画と賞品と。

 数年前の話ですが、愛読誌の別冊が何種類か出ていた時期がありました。

 で、よくTwitterでやりとりをして、連れ打ちしたこともある【現・有名ライター某氏(当時は新人)】が「読者投稿系ページ」を担当しており、スロ写メを募っていました。

 私も演出写真はよく撮りますし、知り合いが担当ライターでもあると言う事で、テーマに合致する写メを何枚か送りました。

 すると数日後、そのライター氏から「グランプリに選んで良いですか?」との連絡が。

 勿論、拒む理由もないですし、むしろ光栄なことですので二つ返事でO.K.をすることに。

 返事を送ると、再度先方より連絡があり、そこには「賞品として、○○(某機種)の実機を送りたいのですが。」と言う相談が…。

 

 …私の実家には実機を置けるスペースもないですし、それ以前の問題として、私の父がパチンコ・スロット否定派なのですが。。。

 とは言え、ライター氏&編集部のご好意をお断りするのも不調法ですし、気付けば板ばさみ状態に…。

 

5.優しさのベクトル。

 遡ること数年、冬の終わりも近付いた頃のライブの日。

 性懲りもなく、入り時間~リハの間にライブハウス近くのホールに足を運び、スロを打って時間を潰していました。

 この時、打っていたのは当時好んでいた「哲也 新宿vs上野(アリストクラートテクノロジーズ)」。

 ボーナスの落ちもよく、収支的にはかなりのプラス。

 あと30分程度でライブハウスに戻らなければと言う頃、ART突入ナビのストックも残り少しと言う所で、天運チャンス中にまさかの「特殊リプレイC」降臨。

 本機は、CZ中のART突入フラグ(特殊リプレイ)成立ゲームで「3択ナビのストック消費による正解」or「ナビ無し時の自力正解」でリプレイを入賞させる事でARTのセットが開始となるタイプ。そして、私が引いてしまったのは3種の特殊リプレイのうち最も出現率の低い「特殊リプレイC」。

 それが何を意味するかと言えば…

 ARTが1,000G開始(写真では、数G消化しており残り996牌)となります。。。

 勿論、そんなロングARTを消化する時間も無いですし、ストックもまだまだある状況。

 店員氏に「メダルを流して交代」の可否を確認すると「可」との事なので、すぐさま近場に住むスロ打ちでもある後輩バンドマンを呼び寄せて、残りを託して事なきを得ました。

 えぇ。

 ・・・その時点では、そう思っていました

 その後、ライブハウスに戻り、サウンドチェックとリハを終えた頃。

 地下のライブハウスだったのですが、何やら地鳴りがしているような違和感。

 同じく違和感を覚えたらしいライブハウスの女性社長が、聞いた事もないような大声で「皆、スグ上がって隣の駐車場に行って!!」と叫ぶ。

 普段穏やかな社長の叫びに驚いた直後、体感的に「ヤバい」と判るレベルの揺れ。

 駐車場に出た頃には立ってられない程の状態でしたし、如何に尋常じゃない揺れなのかは近くの高層マンションを見れば一目瞭然。

 当時使っていたガラケーでワンセグを起動しニュースをつけると、マグニチュードの値が関東大震災以上と言う情報が。。。

 そう、この日は2011年3月11日。

 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)でした。。。

 

(参考:前述の哲也実戦写メのプロパティ:撮影日時)

 勿論、ライブは中止。

 メンバーは車で帰路につくも、私は電車だったのでどうする事もできず、コンビニで最低限必要となりそうな物だけ買って近場の小学校に避難することに。

 夜もふけた頃、家族全員の無事も確認できたものの、未曾有の事態ゆえに気持ちは落ち着かない。

 「身体を動かせば不安も紛れるだろう」と、避難所で力仕事の手伝いをしていたが、断続的な緊急地震速報と余震が不安を煽るばかり。

 深夜、夜風に当たりつつ自販機に向かうと、避難先の目と鼻の先にビジネスホテルがあったことに気付く。

 その後、10分おきくらいで様子を見に行くと、27時過ぎ頃にホテル前にタクシーが停まっており、人が降りている。。

 全速力でタクシーまで走り、次の予約等がないことを確認の上、避難所から荷物を取ってくるまで待って欲しいとお願いして、乗車。

 29時過ぎに、ようやく家に帰り着くことが出来ました。

 

 ・・・その数日後、見慣れぬ番号から携帯に着信があり、出てみると「哲也のARTを託した後輩バンドマン」。。。

 状況が状況だったとは言え、完全に存在を忘れていました…。

 話を聞くと、ホールは営業中止で出玉の交換も出来ず、逃げる時に携帯を落として大破、更にはホールまで乗ってきた自転車も盗られて散々な状況になったけれど、無事ではあったとの事。

 ほっと胸をなでおろしつつ、家族の無事を確認して安心しきっていた「薄情な己」にゾッとすると共に情けなくなりました。。。


 以上が私の今夏のテーマコラムとなります。

 感じ方は違えど、どれもある意味で「背筋が凍ったエピソード」ではあります。

 ちなみに、ここ最近で一番背筋が凍ったのは、近場のホールの店員氏から「もしかして、ネット上でライター活動してません?」と聞かれた時だったりするのは、ここだけのお話。と言う事で。

 そんな感じで、K.S.Yukiがお届けしました今夏のテーマコラムでした。

P.S.
 上記1.~5.の各エピソードのタイトルを平仮名にして1文字目を繋げると、ナミ氏のSPコラムの校正作業を終えた直後に空耳のように聞こえた某所からのメッセージになるとかならないとか…。


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