昔は自分が生きている世界の中にしかコラムなどのネタは落ちていなかったのですけど、今は便利になったものでちょっとSNSなどを覗くと興味深い話が転がっていますね。

さきほどTwitterを見たらフォロワーの方がオンラインカジノとパチンコについて書いていて、何があったのやら…と調べてみて納得。

オンラインカジノが違法か合法か、はたまたグレーゾーンか…? そして、パチンコとの立ち位置の違いは…と話が広がっていました。

 

まず、パチンコについてですが、グレーゾーンと言われてきたのは数年前までの話です。

今は行政に認められて完全なホワイトだと言えます。

根拠になるのは2018年2月の国会における質疑です。

https://www.p-world.co.jp/news/9941

 

大西議員の「パチンコも刑法で禁止するギャンブルではないか」との質問に対して小此木大臣は「風営法の規制の範囲内で行われている限り、射幸心を助長するには至らない。よって刑法185条(賭博罪)に抵触する罪には該当しない」と応えています。

また、この後には三店方式についての言及もあり、それも含めて賭博罪には該当しないとの答弁をされました。

 

パチンコ業界の活動が法律に則って正しく行われているかどうか指導監督する立場にあるのが警察で、警察を含めた行政のトップが政府です。政府の判断として現在のパチンコ業界の在り方に違法性がないなら、警察としても取り締まりの対象とはなりません。

ずっとグレーゾーンと言われていた業界でしたが、この日から晴れて合法的な経済活動と認められたのです。

 

ただし、日本は三権分立の国になっているので、行政判断ですべてが決まるわけではありません。

この考え方に問題があると感じた人が司法に訴えた場合、判断が覆る可能性も0ではないのです。

…まあ、ほぼ0なのですけど。

 

さて、ではオンラインカジノはどうか…普通に考えたらどう考えてもアウトな内容なのに違法ではないと主張する理由が知りたくて「オンラインカジノ 違法性」で検索してみました。

すると出てきた主張が、オンラインカジノは賭博罪に該当するけれど「賭博犯の捜査は胴元の検挙を目的とする」という前提(真偽不明?)があり、胴元の検挙なくして賭博罪は成立しない…という謎理論でした。

 

なんで謎理論なのか?

それは賭博罪の条文を読めば分かります。

 

刑法185条

賭博をしたものは、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない

 

…胴元のうんぬんなんて一言もかかれていません。

つまり、オンラインカジノをすれば明確に賭博罪に該当します。

そこから先の検挙の部分では警察の捜査方針が問われる可能性もありますが、それは警察の匙加減次第ですからどうにでもなるんです。

 

そりゃあ、振り込み詐欺にしても警察とすれば大本を抑えたいですよ。

しかし、実際に捕まるのは末端の受け子くらいなわけで。

それでも社会問題になるくらい大きな話になれば、犯罪の幹や枝に届かなくても、葉っぱは掃っていくでしょう。

オンラインカジノも同じ。

社会問題だと思ったら胴元うんぬん関係なく検挙できます。

だって、条文に胴元が…なんて書いてないんですから。

 

私が見たサイトではさらに2016年にあった事件で「オンラインカジノをプレーしても逮捕されない裏付け」というのが書いてありました。

当時、オンラインカジノを利用した3人が逮捕されて、二人は略式起訴を受け入れて罰金を納付。

しかし、もう一人はそれを受け入れず、不起訴になったから、オンラインカジノを日本国内でプレーしていても違法ではない…という謎理論でした(笑)。

 

えっと…逮捕されていますよね?

んで、一人は検察に送致されて不起訴処分。

不起訴処分はその内容によって意味合いが大分異なります。

「罪とならず」「嫌疑なし」ならば主張に近いものですが、「嫌疑不十分」「起訴猶予」なら見逃してもらった程度の内容です。

不起訴処分の内容を見ないと何とも言えませんが…サイトの中で「賭博罪」をずっと「賭博法」と間違えて書いているレベルなのでどんな内容なのか想像もできません(詳細を知るには面倒な手続きが必要)。

 

ちなみに、日本で検察に起訴されたときの有罪率は99.9%です。

たまに、出来レースと勘違いする人もいますが、検察がほぼ100%有罪にできると思った場合しか起訴しないのでこの数字になっています。

限りなく黒だと思っても、1%でも白の疑念があれば検察は起訴しないのです(一度、無罪判決をだされた検察官はキャリア的に終わります)。

 

ここまで書いたのは、法律の条文を読んでの飽くまでも私の感じ方です。

行列の出来る法律相談所を見てもわかる通り、法律はその読み方によって弁護士の間でも違法合法の意見が分かれます。

まして、今回は明確に法律でカバーされていない部分での話、そこ判断は難しい。

オンラインカジノが合法か、違法か…その結論を出すのは、私でもあなたでも、オンラインカジノ側でもなく裁判所です。

そのうち、逮捕、起訴の案件が出ると思うので見守りましょう。