税務署御一行様 !! いらっしゃいませ

チュートリアルの徳井さんの”所得隠し”が話題になりましたが、さて今回のテーマは……ズバリ!!

【 脱 税 】

です。

税務調査と聞くと、社長宅の畳下に隠し金庫があり、現金(たまりと言います)、金塊などをびっしりと隠している!!こんな昔の映画さながらの光景を浮かべる方も居るかなと思います。

税務調査は大きく分けると2種類です。

①税務署(法人部)による調査。※資本金1億以下の中小が主。

②国税局(調査部)による調査。※資本金1億以上、巨額なケースなど。

十数年前にパチンコチェーン企業数十社が、脱税認定され、修正申告したニュースがありました。

会計コンサルタントが脱税スキームの主導者として逮捕された事案も国税局が暴いています。

スーツ姿の男女計7人に囲まれる

朝7時半前、警備を解除しようとした時に、数人に囲まれました。

調査官)店長さんですね・・・

猫店長)ハイ!税務署さんですね・・・(ニヤリ)

調査官)〇〇税務署、法人課税〇〇部門です。

猫店長)あ~、もう今日は仕事になりませんね。まぁ何も無いので全面的に協力しますよ。
   ↑この協力する姿勢の有無で、彼らの態度も全く違ってきます。

調査官)これまで税務調査の経験はありますか?

猫店長)2~3回ありますよ!!

同時刻に社長宅、本社にも別部隊が捜索着手(連絡を取りあう隠蔽を阻止するため)。

警備を解除して、一緒に店内へ。

税務調査官と、以下のような流れで一緒に確認をします。

現金の確認

①金庫内にいくらの現金が有るか?解錠前に聞かれる。
 種銭の総額と金種別金額(千円1000枚・500円500枚・100円500枚で計130万)
 
 〇昨日の売上金(前日も早番の場合は私でも分からない)印字データ、帳簿と確認照合。
 
 〇売上金から翌日の特殊景品仕入金を引いた”現金有高”の確認(別保管の場合有り)。
 
 〇売上金は全額夜間金庫入金後、特殊景品の仕入は銀行振込みの場合も有り。
 
 〇現金有高は上記の通りか?
 
 〇小口金庫の残金を1円まで帳簿、領収書と照合
  (コレが大事!!一致していれば店舗責任者の信頼は増します!!)

②税務署側の前日仕込み金の有無を確認。

 〇前夜、税務署職員が1万円札×10枚に特殊インクを付け両替機を使用。
  (この”仕込み10万”が、手元の前日売上に絶対に有るはずなので確認)

ここまで30分くらい要し、ハイ!①②共に問題なくクリア。

※この時点で関係各所への連絡を許されます。社長へ電話しますと、既に会計士へ連絡済との事でした。

合鍵について

鍵の保管箱には、様々な合鍵が有ります。ロッカー、倉庫、屋上、キュービクル・・・

1つずつ確認。不明な鍵を追求されます。

調査官)コレ!何の鍵ですか?

猫店長)分かりません!皆さんで手分けして好きなように解錠を試みてください。
    きっと社長も分からないと思う!!何なら差し上げますよ(笑)
    ※この言葉で、興味を無くし諦めた感じでした。

タイムカードの確認追及

架空雇用の人件費を計上していないかの調査。この時、私の支店は何も無かったのですが、本店の事務員が、社長夫人のタイムカードを毎日同時刻に打刻していました。コレは何ですか?毎日二人が一緒なんてあり得ないですよね?と。

税務官に強い目力でじっと睨まれ追及され、あっさり白状したとのこと!!凄く怖かったそうです。

※あの負けん気が強いババア事務員が「怖かったのよ~♪」って言うくらいだから相当なんだな?と思いました。

撤去台の行先

コレはオーナー、幹部、店舗管理者が勝手に中古屋へ売却して、代金を懐に入れてしまう事案が多々あります。

チェーン店移動、売却明細書などの詳細が資料と共に説明出来ないと、本当にしつこく追及されるんです!!

「支店の倉庫にある」「販社〇〇商事の倉庫に保管」など曖昧な内容だと、即、そのまま彼らは確認に行きます。

帳簿・出納長などの確認

会計士の到着を待って、行います。

脱税と言っても、売上金除外、経費、人件費の水増しなどは簡単に発覚してしまうリスクが高いので、違う方法もあります。

<脱税事例>

1個の単価が10万以下の物品購入・修繕費は、経費として認められ即減価償却になります。

①10万円以上の遊技台を経費として計上(減価償却)するには、通常パチンコ2年、スロット3年が必要です。

 20万の中古機が1台欲しいとします。同時にどうでも良い3万円の中古機を3台購入。
 
 合計29万円÷4台=単価72,500円となり、全て経費として計上、1発で減価償却が可能になるのです。

②島を解体・建て直す改装工事も、正規では物品購入の為、数年かけての償却となります。
 
 それを島内部の木、ゴム、補給装置の一部部品を交換・修理などと偽り、ゴム、補給メーター交換単価

 数万×台数など偽り、複数のパーツを安い単価設定で修理したなどと装います。

※メーカーはコンプライアンスの為、①②のようなケースは中間業者を使います。

リベート・バックマージン

①昔は新台の不人気機種を購入すると、メーカーから現金書留にて店舗責任者宛てに「1台1万くらいのマージン」が送られてくる事が多々あったのです。※今は100%無いです。

②例:知り合いのホールが全面改装をしたい!!どこの島のメーカーにするか?

 相手が悩んだ時に、〇社製を使いましょう!!と推奨・仲介すると1~3%が紹介料として貰えます。
 ※実際に私も受け取った事は有りますが、しっかり確定申告しています。

③現在はメーカー直販がマージンを出す事は100%ありません。しかし販社がメーカーからの手数料の一部を、ホール購買担当にキックバックする事はあります。

④最近多いM&A、法人売買、物件の仲介、リース、借り換え・・・などで手数料をもらう。

上記のような事が無いか?

こういった税務調査は、大体2日間行われるのです。

 

かく言う私も税務署より、猫店長さん!お尋ねしたい事がありますと呼び出された事がありました。

▼2016年度ではパチンコ業者は不正発覚7位です。

通年ワースト3にランクインしていましたが、近年は単店が減り、大手は資金調達、上場を目指す目的もあり、決算報告書を自社HPにて公開、PDFでDL可能!納税額まで分かるようになっています。