質問でコラムのネタが決まる嬉しい展開は継続中。どしどしお待ちしております。さて、今回はこちら。よしぞーさんからの質問です。いつもありがとうございます!

すべてのパチスロの乱数は65536ですよね? なぜですか? そうじゃないのもあるんですか?

 メーカー発表でBIG確率が1/238などとされるのはざっくりした表記です。実際の抽選は275/65536で、正確には1/238.3127となっています。この乱数の総数(分母)は65536だけですか? ということですね。ボーナスや小役などの抽選に関しては、現在すべてのメーカーが“母数65536”を採用しているかと思います。

 その理由は……2の16乗だから。合ってるよな。指折り計算する算数音痴がお届けします。パチスロと出会わなければ、こんなに数字と向き合うことはなかったことでしょう(笑)。

 コンピューターのプログラムは、我々が慣れ親しんでいる10進法ではなく、2進法と16進法で組まれています。わざわざ10進法に直すには別のプログラミングが必要で、そうでなくても容量の小さいメイン基板さんを圧迫してしまいます。そのうち65536よりも大きな数字になるかもしれませんが、おそらく“ちょうど良い”のでしょう。プログラムの量としても、確率を楽しませる幅にしても。

 1990年代のユニバーサル系(クランキーコンドル・サンダーV・ハナビなど)は、乱数の総数が16384(2の14乗)でした。当時はリール配列によって、BIG確率の上限が設定されていました。他のメーカーは上限一杯の1/238.3を採用できましたが、ユニバーサル系は68/16384の1/240.9が限界だったのです。打ち手としては、さほど気になりませんが、少しでもボーナス確率を良く見せたいという狙いも65536で統一されていく流れになったかと思います。

 まあ、2進法や16進法だったからこそ、連チャンゾーンが32G(2の5乗)だったり、引き戻しゾーンが128G(2の7乗)だったりするわけです。

 

○成立役以外の抽選

 メイン基板で成立役を抽選する乱数の総数は65536となっていますが、それ以外はどうでしょう?

演出を司るサブ基板。こちらも乱数によってどの演出になるか抽選されています。こちらも総数は65536なんですが、2001年に登場した初代『獣王』は、演出コマンドが80000を超えている部分もありました。実際は、65536(正確には0〜65535)個しか抽選されないので、あとは捨てデータでした。なぜ消去しない? おそらく、消去するとどこかでバグが出てしまったのでしょう。よく分かりませんが、プログラムの世界ではある話らしいです。

 

メイン基板では成立役以外も抽選しています。現在ならフリーズもそうです。「BIG成立時の??%でフリーズが発生」という場合。一般的なのは、乱数の総数が256(2の8乗)です。これも、細かくしすぎても意味なくない? という理由で採用されているかと思います。

 1000G後にプチフリーズ(メイン基板管理)を契機に天井ATに入る場合などは、256を大幅に越えるので、1024(2の10乗)やイレギュラー的に1280(2の10乗+2の8乗)が使われているのかもしれません。この管理に関してはよく分かりません(笑)。

 このように、ゲーム数テーブル方式の機種は、2の何乗というのが一般的です。4号機の初代『吉宗』のように400Gから高確チャンスなど10進法でキリの良い数字になっていることも稀にありますが、それは“一般の方にも浸透して欲しい”という希望の現れでしょう。そして、それもまた2進法と16進法でプログラムを組みつつ、特定ゲームまでの発動を抑えることによって見栄えだけ調整しているのです。

 

うん、ざっくりした質問でしたが、意外に書けましたね(笑)。思いついた質問はどんどん書いてくださいまし!