私がパチンコの世界で生きてきて唯一身に着けた特殊能力は「人を観ること」です。

 

有象無象が集まるホールで人間関係を作るには、表面上話しただけである程度相手のことを見抜けないと、痛い目に遭うことがあります。

そうならないためには、その人と少し話しただけで自分に対して友好的なのか、非友好的なのか、下心があって近づいているのか、そうでないのかが分からないといけない。

それが「人を観ること」ですね。

 

実際どうしているのかと言うと、特に何をするわけでもないですね。

ただ、話しをする…その中で自分が違和感を覚えるかどうかで、その人を判断させてもらいます。

もちろん、正答率は100%にはならないでしょう。

しかし、「危ない」と明確に感じた人には大抵何か問題があります。

 

最近、本などを読んでいて、この違和感の正体は「心理学」なのだと気付きました。

嘘をつく人独特のしぐさや言い回し、責任の回避、話の誘導など、通常の友好的な会話とは違う、何か引っかかるものがあるかどうか…を心理学ではなく経験として学んで危機察知できるようになったようです。

 

そんな馬鹿な…と思うかもしれないけれど、私はお人好しなところがあるのでこれがなければ今頃ここにいなかったと思います。

実際、これはそんなに難しいことではありません。

 

最近で言えば、コロナで非常事態でしたから人間性がよく出ました。

非常時だからこそ、その人が何を考えているのか、何を大切にしているのか見えてくるものなのです。

例えば、マスクの値段が高騰したあとで、値崩れを起こして街のいたるところでマスクの投げ売りがありました。

 

投げ売りで印象的だったのは、薬局ではなく、全く関係ない業種でも店頭でマスクを売っていたことです。

色々な問題が見えてきますが、そのお店は儲かると思って正規の値段よりも高い金額でどこかから買っていたのでしょう。

そして、そんなお店があるから、薬局などの正規ルートがより品薄になり、実際に高値で売れていたのだと思います。

 

また、私の知人には「マスク50枚を〇〇円で譲りましょうか?」と声をかけてきた人もいます。

偶然手持ちがあっただけの可能性もありますが、その販売量でどうなのかは察しが付くでしょうか。

特に、値崩れが始まってからは高値掴みさせられて焦っていたのでしょうか…そんな話をよく聞きました。

もし、あなたの近くにこんな話を持ち掛けてきた人がいたら、大切な場面でその人を頼るのはやめた方が良いです。

 

非常時で、人命がかかわる場面でもまずお金のことを考える人は、一緒に何かしてもその人に利があれば裏切る可能性が高いです。

その人の生き方としてお金が上位に来るってことですね。

 

逆に、数枚しかないマスクを使ってくださいと手渡してくれる友人もいました。

こういった人とは友好を深めていきたいし、何かお返しをしていきたいと思っています。

 

他にも、普段は無頼を装っていた人がピタッと外出をやめていたりしませんでしたか?

その人は、自分か家族が大切なのだと思います。

悪い人ではありません。

もしかしたら、周りの話に強く影響を受けたり、ちょっと小心者なところがあるのかも。

 

反対に、何も変わらず生活をしているように見えた人は、よほど賢くて物を知っているのか、何も考えていない馬鹿なのか…はたまた、極度に大雑把なのかのどれかでしょう。

一つの行動だけだといくつかの説が考えられるのですが、他の行動パターンも見ればその人の性格や大切にしている物事が見えてきます。

 

お金が大切…とかがダメなわけではなくて、それが自分の価値観と近しいかどうかで仲良くなれそうかどうか分かります。

周りの人を「観る」と新しい発見があるかもしれませんね。

 

人の行動はその人の中身を映す鏡です。

何気ない行動も、しっかり観察すればその人が何を考えているのか見えてきます。

そして、他の行動と照らし合わせればその人の人間性が見えてくるはずです。

 

人を信じることは美しい、けれど、実際に騙す人がいる以上、自衛も必要になります。

また、逆に表面上だけでなく心根の良い人も多い。

そんな人と仲良くできたら、きっと人生はより良いものになるでしょう。

人を観ることは悪いことではないのです。