前々回にコラムのネタを募集しました。今回はその中から「出玉率が密かに凄かった機種」を書いてみようかと思います。オカパチクローバーさん、ありがとうございます。ちなみに、ネタは年中無休24時間募集していますからね(笑)。

 「密かに」としているのは、出玉率(機械割)をまとめた記事はいくつか存在していまして。パッと検索して出てくるのは、スロホさんきらあさんででしょうか。概ね異論はないといいますか、トップクラスの機種は2002年頃に集中していることもあって調べようがなくなっていたりするのです。

どちらの記事でも1位になっているテクノコーシンの『神輿』(2002年)は納得。出玉率261.6%は、天地がひっくり返っても更新されることはないでしょう。純増400枚ほどのBIGと連チャン性ありありのATでコインを増やしていくタイプの機種です。ATは1セット20Gで純増は1Gあたり約10枚。もっとも、出玉率以上にヤバい機能もありました。

サブ基板に付いているディップスイッチを操作すると、2万5000枚か5万枚出るまでATが連チャンし続ける“新装開店モード”というものがあったのです。発動までは抽選で300G〜900Gだったのかな。もちろん、こんな仕込み台を打てたことはないので聞いた話です。

 

○4号機時代の出玉率が凄い理由

なぜ、4号機時代の2002年前後に遊技機規則の上限120%を大きく超える機種が偏っているのか。保通協の出玉検査では、ちゃんと120%未満になっているんですよ。ただ、抜け道が4車線道路ほどありました(笑)。

まずは、サブ基板が基本的にノーチェックだったこと。成立小役の押し順などをナビしていても、演出の一環ということでロクにチェックをされませんでした。細かい部分はあったでしょうが、ユーザーから見れば“やりたい放題”でした。

また、ボーナスや小役を成立させるメイン基板のチェックも、いまとは違っていました。もっとも出玉率が高くなる押し順で適当打ちしてくれたのです。ノーマルタイプの『大花火』や『ガメラ』も140%近くあるのはそういうことです。

ちなみに、設定1でも104%の『クランキーコンドル』は、工場出荷状態の初期設定が5になっています。ユニバーサルはこの時期まで、適当に打って出玉率100%となるところを初期設定にしていました。それくらい乖離するものなんです。もっとも、初期設定にしてしまう電波ゴトの影響で、その後の初期設定はもっと低くなりましたが(笑)。

5号機になって大きく変わったのは、シミュレート試験の導入です。ATなどがメイン基板管理となった5.5号機になるまで、サブ基板が軽視されていたのは変わりありません。それでもシミュレート試験は、成立した小役を全取得します。結果的にATを消化しているのと変わらない。したがって、出玉率上限の120%を超える機種は出てこなくなったのです。

 

○紹介されていない凄い機種(オオタコスロ2)

エレコの『オオタコスロ2』も2002年に登場した機種。純増約600枚と大量獲得のBIGに連チャン性のあるAT(35G1セットで純増は1Gあたり3枚程度だったかと)が加わったゲーム性となっていました。

4号機初期の名機『タコスロ』の後継機ですが、そこまでヒットはせず。ちゃんと解析したのは『パチスロ必勝本』くらいだったと思います。しかも、その解析ページには出玉率が載っていなかったんですよね。後に掲載されたのかもしれませんが、それを見て自力で計算しましたよ。担当機種でもなかったのに(笑)。

実はこの『オオタコスロ2』。妻が好きだったんですよね。「全台設定5」という情報をもらって茨城県まで打ちに行ったこともあるくらい。ただ、私の実感では低設定が異常にキツい。それを確かめて注意喚起をするために計算したところ93%程度だったような気がします。こちらは注意したからまあまあ覚えています。

エクセルさんは賢いので、設定1の計算と同時にほかの設定もやってくれるわけでして。私の記憶が正しければ150%は超していたような。少なくとも140%ほどではありませんでした。見た瞬間に「万確」と思いましたから。そして、普通のホールで見かけないのを納得しました。

BIG確率は通常の機種よりも低かった(BIGの組み合わせが少ないのよ)ですが、設定6 はBIG中のスイカでほぼAT当選。通常時のスイカも1/4で当選。偶数設定なので1度のAT連チャン数で凄まじいことにはなりませんでしたが、とにかく安定感がありました。

 

○率は普通も出玉が凄かった機種(目指せ!ドキドキ島)

ゴールド(オリンピア)から2003年に登場したストック機の『目指せ!ドキドキ島』も、個人的にはかなりヤバいと感じた機種でした。ストック機なので、出玉率は普通のはずなんですけどね。BIGの純増は約400枚とこちらも普通。それでも設定6を入れるホールでは連日のように2万枚を記録していました。残念ながら私は見ていませんけどね(後述)。逆噴射もあったようなので、ツボに嵌れば。そのツボに嵌りやすい機種だったのかもしれません。

ゲームの展開は5号機の『やじきた道中記乙』とそっくりです。なにもなかったとしても150Gでボーナス放出のチャンス。レア小役などで150Gまでの周期を短縮してくれます。ボーナスを放出すれば連チャン性ありあり。

『パチスロ必勝ガイド』の91時間バトルのような企画実戦で打つ予定だったんですよ。連日2万枚クラスが複数あるホールで。少なくともどうやって出るのか目撃できる予定でした。しか〜し、私の担当日に新台入れ替えがあって撤去されてしまいました。

同じホールで狙い台の受け渡しなど続きの立ち回りはできなくなりましたが、なんとか打たねばページを書くことができません。近くに設置店はないのか? 『目指せ!ドキドキ島』を目指して歩き回りドキドキさせられましたとも。当然、低設定ばかりで爆死しました(笑)。

 

○出玉率では計れない部分も大きい

ほかにも凄かった機種はあるかもしれません。どの雑誌も解析しなかった機種もありますし、入手した実機と違う挙動を見せる機種もありました。裏モノということではなくて。雑誌は早めに実機を入手して解析します。それを見越して、初期ロットをアマく作り後期ロットはそこまででもない……なんてことも聞きました。一応、現メーカーの名誉のために書きますが、もうなくなっちゃったところです。

サブ基板はロクにチェックされていないと書きましたよね。サブ基板が出玉の中心だったAT機では違うサブ基板のプログラムとすることも可能だったんですかね。まあ多分ゴニョゴニョな技だったんでしょうけど。

AT機の場合、打ち始めの状態によっても大きく変わりますしね。一方のサイトにしか載っていなかった初代『ミリオンゴッド』は、モードだけでなくATのストックがどれくらいあるかも大きく影響してきます。だから掲載しなかったのかな? 大体のホールは全飛ばししていましたけど。

こんな耳年増になってしまうと、嘘の吐けないノーマルがますます恋しくなったりもするものです。仕事では荒い機種ばかりだったので、プライベートはノーマルを探して打っていましたね。跳ねる要素よりも、設定1の出玉率が気になるお年頃でした。いまも変わりませんけど(汗)。

 

ちなみに、5号機の最高峰は『スパイダーマン3』(サミー:2010年)の119.99%と言われています。A+ARTですが、うーむなんでだ。きっと通ったからでしょう(笑)。次いで同じくA+ARTの『ガンダムIII〜めぐりあい宇宙〜』(山佐:2009年)の119.91%。ノーマルの『熊酒場2丁目店』の119.0%が続きます。

6号機は『地獄少女〜あとはあなたが決めることよ〜』(藤商事:2020年)の114.99%かな6号機から上限が115%未満に変更されています。