「マスクありますか?」

「すみません、売り切れております」

「いつ入るんですか?」

「ちょっと、分からないんです」

「本当は、倉庫にあるんとちゃうの?」

「いえ、ないんです」

「あんたのそのマスクはいつどこで買ったの?」

ドラッグストアの店員さん曰く「一日中謝ってばかり、毎日毎日、ノイローゼになりそう」

新卒から17年間、販売員の仕事をしてきた私は、店員さんの気持ちはよ~く分かります。なので私は、置いてありそうな場所を確認し、POP表示を確認し、疲労されている店員さんには尋ねないようにします。

また、コロナ騒動とは関係なく、レジが混んでいれば空くまで待ったりします。いつも嫁は、そこまでしなくても、とは言いますが。販売員の仕事を辞めて久しいですが、未だに当時の夢を見ます。やはり混雑しているレジでのトラブルの夢が多いですね。

17年間の殆どは、玩具売場担当でした。たまごっちがブームになった時のお話です。

ずっと品切れ状態のたまごっち。久しぶりに夕方の便で6個入荷しました。それをレジ前に置くと、それを見ていた女学生3人が近寄ってきました。その刹那、割り込んできたオヤジ。いきなり

「これ全部!客やどわしは」 

がっかりして立ち去る女学生。あぁ、お一人様1個限り、の表示を付けるべきだった、と反省しきりでしたね。

理不尽な仕打ちもいろいろありました・・・思い出すのは・・

こんな電話がありました。

「この前おたくで買った自転車に乗っていた中学生の息子が、パンクしたためこけて学生ズボンが破けた。もし事故でもしたら、どうしてくれるんや!とりあえず、明日履いていくズボンがないから、弁償しろ!」・・・自腹で学生ズボンを買って差し上げ、新品の自転車と交換しました。

こんな電話もありました。

「おたくで三月人形を買った者だけど、届け先からのし紙がついて無かったと連絡があった、どういうことですか(怒)」。ブチ切れられたお客からその後も延々怒られっぱなし。ちなみに、この三月人形の対応をしたのは当時の(他人に厳しく自分に甘い)主任であり、その日は休みでした。そして、片道2時間かけ、のし紙を届けたのでした。

また、年末の繁忙期の日曜日、売り場内ごった返しの時にこんなことがありました。

ホバークラフト(ラジコン)をご所望のお客様に対して「充電器セットが別売りになります」

お酒の匂いプンプンのスキンヘッドに眉毛マジックのお客、「何?そんなもん、ついとるんちゃうんか?」と胸ぐらを掴まれ「こっち来いや」と自ら事務所へ入ってその辺りの椅子蹴っ飛ばす蹴っ飛ばす・・・警察沙汰・・

まあ、思い出したくもないですが、とにかく店員さんは大変なんです。特に、このコロナ騒動のご時世に多くのお客と接せねばならず、辞める人続出だそう。

某店舗など、特別手当の支給を決めたそうで、とても良いことだと思います。皆様も、パチンコ店も同様ですがどうか店員さんの立場に立って温かい目で見守っていただけたら、と思います。