すでに安田さんや万回転さんがコラムのネタにされているので、何を今さらって感じがしないでもないんですけど、縁あって7月3日の開店前に取材させて頂くことができたので、今回のコラムはその時に感じたことを書いてみようと思います。

 

私が福生市の「ゲームセンタータンポポ」さんを訪ねたのは、グランドオープン3日前の6月30日のことでした。実を言うと、7月29日に発売予定の「パチスロ必勝ガイド9月号」が創刊30周年記念特別号にあたり、何か目玉になる企画が欲しくてタンポポさんの責任者に取材をお願いしたところ、快諾してくださったことで「パチスロ必勝ガイド」としての取材が実現したんですよ。

取材に行ったのは、私とアニ氏(アニマルかつみ氏)、それにタケちゃん(中武一日二膳)、ガイドの責任者である樋口編集長の計4名です。

具体的な取材の流れはネタバレになるんで詳しくは話せませんが、若かった昭和の時代に戻った気分で心ゆくまで打ち倒しましたよ。アーリーバード、ブロンコ、ワンダーセブン、ハイアップターボ、フォーチュンワン、バニーガール、スーパーバニーガール、チャレンジマンAZ、アラジン、ウィンクル、ベンハー、キューティーフルーツS、ファイヤーバード7U、トロピカーナ7X、ニューペガサス、アメリカーナマグナム、ミラクル…。

 

ワンダーセブン。チェリー抜きが生きていました。詳しくは7月29日発売の「パチスロ必勝ガイド9月号」で紹介するので、具体的な手順については割愛します。でもまぁ、有名な攻略ネタなのでご存知の方も多いでしょうね、たぶん。

 

スーパーバニーガール。通常時は可能なかぎり何らかの絵柄を聴牌させる制御が働きますが、ボーナス成立後は対象絵柄を引き込めないと「フラグ不成立の絵柄をハズす」以外はリールが即止まりとなるため、結果的にズレ目が停止しました。つまり、ズレ目はボーナスのチャンス目なんですね。残念ながらこの日はバケしか引けませんでしたが…。

 

チャレンジマンAZ。設定変更後やボーナス成立後など、台の内部状態が変わるとドクロ(5枚役)が揃いやすくなります。この写真はビッグを揃えて嬉しそうに見えますが、実はドクロが揃う前に生入りさせてガッカリしている微妙な表情なのです(笑)。

 

ところで、タンポポさんが他のスロゲーセンと決定的に異なるのは、全ての設置機種が3号機以前ということです。これは本当に凄い決断だというか…ある意味で賭けだったと思います。

スロゲーセンで遊んだ経験のない方は意外に思うかもしれませんけど、ガイドの取材でよくお世話になっている巣鴨のゲームセンターライズさんや、桜木町のゲームセンターノスタルジアさんでは、実は最も稼働が良い機種は高射幸性5号機なんですよ。つまり、バジ絆や初代まどマギ、凱旋やハーデス、北斗転生や化物語といったところですね。スロゲーセンの客層のメインは若者客であり、彼らが打ちたいのは大好きだった機種の設定6。しかしながら、ホールで設定6を簡単には掴めないし、すでに多くの高射幸性機は認定切れによって撤去されています。それで、スロゲーセンで打つのは専らそれらの機種…となるわけですが、そうした営業上のニーズに敢えて逆らって、ゲームセンタータンポポさんはレトロ機種オンリーで開店したんですよ。

我々おっさん連中は、当然のことながら5号機よりも3号機以前に思い入れがあり、思い出補正と相まってレトロ機種を見てるだけでも楽しいんですけど、若いお客さんはそうもいきません、たぶん。自分たちがリールのスベリやズレ目や単チェリーにキャッキャとはしゃいでいる姿を、おそらくは冷めた目で見るんじゃないかなと思います。もちろん、それは仕方がない。どんなに伝説の名機だと説明しても、自分が生まれる前に稼働していたレトロ機種に興味なんて持てませんって。

そう考えていくと、タンポポさんの収益が気になるわけですよ。これだけ凄い機種ラインナップも、お客さんが来店しなけりゃ宝の持ち腐れ。もしも稼働状況が想定より悪かった場合には、若者向けに新しい機種に入れ替えざるを得なくなるでしょう。それはあまりにも勿体ない。なので、レトロ機種を愛するプレイヤーの皆さんは、是非ともタンポポさんに足を運んで欲しいのです。私は自宅から片道2時間半もかかるので、結構な覚悟を決めなきゃなかなか足が向かないのですが、新型コロナが終息したら可能なかぎり遊びに行きたいと思います。

 

ちなみに、タンポポさんにはレトロパチンコも設置されていますが、私が最もツボに刺さった機種がこれ。

西陣の一般電役「エレックススペースライン」です。この機種を初めて見たのは昭和58年の渋谷でした。センター街に入って最初の十字路を右に曲がり、坂道を少し登った左側にあったパチンコ店(店名は失念しました。昔のノートを引っ張り出せばわかるのだけど、肝心のノートが行方不明につき残念ながら調べられません)に設置されていました。

 

「まにあっく懐パチ・懐スロ」さんのブログ「渋谷駅周辺のパチンコ店マップ(1991年)」によると、この時点ではすでに所在が確認されていないので、もっと前に閉店したのだと思います。

Gが「トーオー」、Hは「パチスロサン」ですが、位置的には矢印のカーソル(わかりにくいけど)の部分にあたります。

これはストリートビュー。「PRINT:ONE」という看板がかかっていますが、おそらく当時の建物ではないと思います。どなたか、ここにあったパチンコ店の情報をご存じないですかね?

 

話を戻します。私はこの店で初めてエレックススペースラインに遭遇したんですが、店全体が今で言うバラエティみたいな機種構成で、この機種もたった1台しか設置されていませんでした。もしも何台かあれば、その台を遊技しているお客さんを見て台の仕様を学ぶんですが(当時はゲーム性紹介のPOPも小冊子もありません)、たった1台しかない以上、実際に打ってみるしかわからない。

それで、意を決して打ってみたところ、ゲーム性のポイントとなるのはアウト穴の真上にある3色のカラーランプだとわかりました。それぞれ真上のチャッカーに入賞すると、小当りとなって上部の役物が左から順に一瞬だけ横を向き、同時にカラーランプが点灯します。そして、3色のカラーランプが全て点灯したなら、上部中央の役物が一定時間ずっと横向きになって出玉を稼ぐんです。軽快な効果音と役物の動きがとても楽しくて、大学の講義が1コマ開いた時などによく打っていました。前述したように、私がこの機種に会ったのは昭和58年ですけど、他の西陣機種の設置店(道玄坂下の柳小路センターなど)では見かけなかったので、もしかするともっと古い機種なのかも知れません。

今だったら、基本的なゲーム性もわからない機種は怖くて打てないのですが(知らずに打って損をする可能性がありますからね)、当時は非常におおらかな時代でした。仮にちょっとした損をしたところでたかが知れているし、まさに「庶民の娯楽」といった印象でしたね、ええ。

 

 

ところで、休憩中にタケちゃんが面白いものを発見しました。

これはタンポポさんの向かいにある建物の看板なんですが、どこからどう見ても元はパチンコ屋さんですよね。看板の右下に「立川電業」の文字が見えますが、左上には「ビックチャンス」。さらに看板の中央にうっすらと「ALEX」とあり、下のフロアの構造を見るかぎり他業種と考えられません。これも前述した渋谷のホールと同じく、いろんなサイトで調べてもわからなかったので、廃業ホールも非常に奥が深いのだと思います。

これはストリートビューです。

 

ともあれ、ゲームセンタータンポポさんの記事が掲載されるのは、7月29日発売の「パチスロ必勝ガイド9月号」です。アニ氏の言葉でどんな美文が紡がれるのか、私も楽しみに待とうと思います。

 

 

引用および参考サイト

「まにあっく懐パチ・懐スロ」様

「ここって昔はパチンコ屋?(ここパチ?)」様

「ストリートビュー」様