悠遊道のニュースにも取り上げられていましたが、5月1日からパチンコの内規が変更されます。最低ベースの撤廃とヘソなどの賞球の下限撤廃です。ちなみに、今までの最低ベースは30でした。

これを読んで、多くの方が思うのではないでしょうか? 「30回転とかしない台ばかりじゃないの」って。ベース違いですね。ベースという言葉には2種類の意味があります。正確なものと誤用になるのかな。“機械割”よりも市民権を得ている誤用になるかもしれません。ちと解説してみましょう。

皆さんが思うベースとは、1000円あたりの回転数になるかと思います。

「ベース25で、ボーダーより2個多いから……」という表現ですね。パチスロの場合も「6号機ATはベース50でタルいよね」など、ベースは回転数を意味します。1000円でどれだけ回る(大当たりの抽選を受けられる)かが、ゲーム性のキモですし、毎回のように「1000円あたり……」と書くのも言うのも面倒くさい。“ベース”というたった3文字で簡潔に表現できて大助かりなのです。

 

今回の内規で取り上げられたベースは、意味が異なります。

通常時100発の打ち出しで、どれくらい賞球としての“戻し”があるのか。その指針となります。今までの基準は、打ち出した分の30%は一般入賞口などで戻そうねってことです。1時間打ち放した場合、発射されるのは6000発。そのうち1800発は戻ってくるので、大当たり分などで4200発が出てくればトントンとなります。

 

パチスロにも同じような考え方はないの? もちろん、あります。

例えば1000円あたり35回転の台があったとしましょう。35回転させるには、105枚のコインが必要になります(リプレイとかは、さておきましょう)。1000円で借りられるのは50枚。差し引き55枚は通常時を消化している間に払い出されています。

この55枚はどう払い出されても同じです。チビチビ出てきても、55枚役(そんなものないですけど)を1/35で抽選してくれてもOK。計算を簡単にするため、後者にしておきます。ここで出てくるのが、またしても出玉率の計算式です(笑)。

55÷35÷3=通常時の出玉率

55は払い出される枚数。35は確率分母。3は3枚掛けだから。ボーナスや一発役の計算をしたのと同じ数式です。結果は0.5238。投入したコインのうち、52.4%は小役として戻ってくることがわかります。これが通常時の出玉率。パチンコの内規でベースと言われていた部分です。これにボーナスなどの出玉率を加えていくと、100%前後のお馴染みの数値になるんです。

 

実は、このベースという用語は、ホールコンピューターで使われているところから広まった言葉だと思います。そして、このパーセントのほうが表示されているんですね(違ったらすみません)。私が見た昔のは、ノーマル機でREGの出玉分も通常時に含まれていました。なので、回転数ではなく「小役還元率」のほうが正しい使い方となるのかな。

しかし、やっぱり親しみやすくないんですね。パチンコだと玉持ちが良くなったところで、ヘソに入らなければ意味がないですし。ベースよりも回転数の高さが大事でしょう。

パチスロもベースを計算するためには、まず1000円あたりのコイン持ちを調べなければなりません。もう一手間の計算をするかだけで、どちらを提示しても数字の意味は変わりません。それなら伝わりやすいほうが良いに決まっています。

機械割の誤用はいくない! ……と前に書きましたが、このような理由でベースに関しては誤用だったとしても致し方なしと考えています。とりあえず、業界人のブログで出てきた場合、回転数の意味じゃないかもとだけ覚えておいてくださいませ。