昨年12月に想い出話として1998年はよく遠征していたと「尼崎サンタの間違った大盤振る舞い」で書きました。

謎の中国人集団に『ファニーサンタ』のセット打法でヤラれまくった直後のホールで、当然のようにクソクソ負けて涙した内容でしたが、そのときにお目当てとしていたのが『原人7』(4号機)でした。

もちろんのことチューンナップされている“裏モノ”仕様。メーカーとは一切関係ありません。メーカーオリジナルは普通のノーマルタイプです。

その尼崎のホールの駐車場前には設置機種の写真が飾られてあり、機種名とメーカー名が表記されていましたが、マツヤ商会ではなく“中国●ーフ”と書かれていたとです(笑)。カバン屋さん(違法プログラムを作る人の総称)の名前ですな。

裏モノといえば、壊れたようにコインを吐き出すイメージを持つ方が多いかと思います。特に2000年以降はそうでしたね。『獣王』とかよりもインパクトが必要になりましたから。それでも、合法的に連チャンを生み出せるストック機が席巻したこともあって“裏モノ”というジャンルは廃れていきました。

『原人7』は、それ以前の機種。出玉はショボいです。『クランキーコンドル』や『タコスロ』のほうが、まだ間違って万枚出る確率は高いという実感です。出したことありませんけど。出玉ではありません。ゲーム性に惹かれて遠征していたのです。

 

 

○ボーナス成立から揃うまでの流れ

この中国●ーフ版の『原人7』は、チェリーの連続がBIGの前兆目となります。チェリーを取りこぼすのも左リール1コマだけなので気が付かないことはまずないでしょう。

いきなりリーチ目が出たらREG確定です。かなりカットされていて、半日打って1回も引かないということもあります。私の体感では、おおよそ1/1280くらいかな。連チャンに影響なし。ちょっと枚数の出る小役です(笑)。

そのチェリーがややこしい。左リールと中リールで並ぶ“連チェリー”となって初めて有効(足跡の化石もチェリー扱い)。4枚の払い出しを受けられます。マツヤ商会が日電協非加盟メーカーだったので、1リール確定払い出し役の特許を(当時は)使えなかったんですね。ウェイトからのスッと揃ったリール始動ができないとかもそう。

 

1)BIG内部成立ゲームは必ずハズレ

2)5G間のチェリーorハズレゾーン

3)5G間の何でもOKゾーン

4)揃えられる(リーチ目が出る)

 

ハズレの内部成立ゲームが必要というのが超大事。続く5G間のチェリーorハズレゾーンには法則があります。あくまでもチェリー高確率状態であり、内部成立の次ゲームも含めてチェリーが出るとは限らないということ。また、この5G間はリプレイやベルが揃ってしまったら即NGとなること。以上です。

一応、チェリーは出るほど期待度アップとなります。5G中の2回も可能性がないわけでは。3回はややアツ。4連は激アツ。5連すれば確定クラス。ですが、5連しても直前のゲームがリプレイやベルだと種なし確定の残念パターン。ハズレであるはずの内部成立ゲームが見当たりませんもんね。ごく稀にですがあります。ね、内部成立ゲームがハズレという法則が大事でしょ。

ほかにBIGが当たるパターンはございません。唯一のイレギュラーパターンとして、チェリー前兆カットの直撃モーニングはありますけど。

 

チェリーが出たところから思考回路が動き出します。もちろん、その前のゲームがハズレでなければ、内部成立の可能性がゼロなので無視。当時は、台の横にコインを置いていました。いや、いま家で打っているときもそうか(笑)。

 

×○○×

○はチェリー×はハズレ。こんな感じですね。内部成立ゲーム候補はハズレしかないので、データ帳にも記載はしません。このケースでいえば、最初のチェリーから数えて11G目にリーチ目が出るかどうか。しかし、綺麗にハマらないパターンも往々にしてあります。必ずしも内部成立の次ゲームでチェリーが出るとは限らないからです。

ハズレとした5G目にベルが出たとしましょう。既に「何でもOKゾーン」に移行しているケースも考えられますよね。

 

××○○

書き換えるとこのような形に。2G目とした最初のチェリーの2G前もハズレならば、このパターンが考えられます。リプレイやベルだったら、内部成立ゲームとなるハズレが見当たらなくなるので種なし確定となります。

このケースで可能性が残るのであれば、最初のチェリーから数えて10G目が、BIG当否の分かる運命のゲームに。普通にチェリーから数えていて10G目のリーチ目で“ノーヘッド”だったんだと分かるのもよくある話です。

リーチ目が出る11G前のハズレが内部成立ゲーム。結果論から言えば、それ以外にありません。打っている最中は、それを推理していくことになります。

 

×○○×

チェリー2連の前、2G目もハズレなので内部成立ゲームの可能性が残されますよね。

○○×??」と考えてみれば、あと2G間チェリーorハズレのゾーンが残ります。ここでリプレイかベルが成立してしまったら終了。こうやって頭の中で可能性を繋げたり消していく。ベルがきちゃった。この2連からヒットすることはなくなったから、その前のチェリーから11G目にリーチ目が出なければ終了……とかね。

 

推理して導き出したドンピシャのゲームで、祈りながらストップボタンを押すのがたまらなく面白いのです。

当たりかハズレかだけのノーマルタイプしかなかった時代に、リール制御以外でこんなに考える楽しみを与えてくれる機種はありませんでした。種なしでもチェリーはまあまあ出現したので、それなりに多くの時間で考え続けることになります。チェリーに種があるかを考える緊張と、ボーッと適当打ちできる緩和のバランスも絶品でした。

ちなみに。チェリー前兆ではなくリプレイ前兆となっているのが『ジャジャJ』という兄弟機です。内部成立ゲームがハズレとか前兆ゾーンの法則もまったく同じ。その尼崎のホールで初めて見かけたので打ってみたところ、いきなり当たって1G連しやがりまして。「なんだよ、リプ連じゃないのかよっ」うん、駐車場の機種紹介で中国●ーフではなくマツヤ商会と書いてあったから仕方ないですね(笑)。

 

 

○そりゃ、ショボくなりますがな

リプレイハズシの効果があったとはいえ、BIG純増はたかだか400枚ちょっと。しかも、1桁ゲーム数で連チャンすることはありません。前兆を経由しなければならないので、最短でも12Gかかります。パワーもスピードもないのです。万枚とか簡単に出るわけありませんよね。

……と、それ以上の原因がありました。隠れた1枚掛け専用機だったんです。いや、3枚掛けも普通にできますよ。というか、周囲の視線もあって3枚掛けばかりせざるを得ませんが。

チェリーが4連や5連した後に調べてみると、何でもOKゾーンは1枚掛けで消化しても問題ないことが分かりました。何でもOKゾーンは5G。常識的に考えれば、15枚投入でBIGが出てくるはずなんですが、1枚掛けでも5Gで良いことが判明。掛け枚数を問わないゲーム数管理だったんですね。

 

あるとき、こんな事象が起こります。チェリーが4連したので1枚掛けで回したら、その最中にチェリーが5連。4連起点での11G目にはBIGが揃わず、あとの5連起点の11G目でリーチ目が出現。1枚掛けで普通に当たってくれていたんです。連チャンゾーン中だけでなく、初当たりでも普通に経験しました。1枚掛けで済むところを3枚掛けに。多くのゲームで2枚を無駄にしていれば、そりゃショボくもなりますな。

チェリー連後など、ほどほどにしか1枚掛けはしませんでしたけどね。効果もあまり興味なかったです。なんせ目立ちます。やり過ぎて撤去されても悲しいですし、揉め事の当事者になるのも面倒臭い。お金を増やすのが目的なら、わざわざ尼崎まで行きません。東京で『ドギージャム』とか設定判別をして打ってますよ(笑)。

 

どうやったら3枚掛けでも枚数を出せるんだろう。というか、当時の尼崎の光景になるんだろう。自宅にある実機での検証も合わせると、設定変更で状態モーニングを入れるのが一番の出玉だったと睨んでおります。

設定変更をする際に左ボタンを押しながらが、チェリー前兆ありの単発。中ボタンだとチェリー前兆カットの単発。右ボタンでチェリー前兆からの状態モーニング。ボタンなしだとモーニングなし中心のランダムになるのかな。方法は違えど、昔の裏モノのモーニングはこんな簡単な作業が主流です。

ベラボウには出ない機種でしたけどね。尼崎の方はお目が高いと申しますか。そのホールでは『原人7』が一番人気だったんですよ。状態モーニングのある朝だけでなくどの時間帯も。実は、私の生涯収支も辛うじてプラス。遊ばせてくれる設定にはしてくれていたのでしょう。そのやり方がまったく分からないんです。

裏設定のやり方とかあるのなら、誰か教えてください。この魂の叫びをしたいがためにこれを書いています(笑)。

自宅の実機は残念ながら尼崎のものではありません。まだ設置されているときに入手しちゃったのもありますけど。証紙は岩手。盛岡に何軒かあったので、そのどこかからきたのでしょう。クセが悪いのか、場所も遠いだけに違うカバン屋さんが作った模倣プログラムで微妙に違うのか。まったく出てくれません。

 

○『ビガー』もチェリー前兆の名機!

チェリー前兆といえば『ビガー』が圧倒的に有名でしょう。同じく11Gのロマン。私も大好きで、横浜の上大岡とか最後まで通っていました。決定的に違うのは『ビガー』はアマいということ(比較論ね)。1000G周期でBIGが成立してくれます。これ大きいです。『原人7』は天井がありません。

そんな良さはありますけど。『ビガー』はチェリー前兆にNGパターンがありません。内部成立ゲームもチェリーと同時当選ありですし。とにかくチェリーが続いて高揚していく楽しさに集約されすぎています。ここは好みの問題。んー。どちらも好きですが、“考えて楽しむスパイス”のある『原人7』にゲーム性としては軍配を上げたいです。1枚掛け問題とかあるので、トータルの完成度は圧倒的に『ビガー』ですけど。

とまあ、これくらい評価していなければ尼崎まで通いませんし、謎の集団に荒らされた直後に打つことはなかったでしょう。「なぜそんなホール状況で打つ?www」それでも、打ちたかったからです。

 

※メーカーと裏モノは関係ありません