『アイムジャグラー』『ケロット4』『サンダーVライトニング』と、ノーマルタイプが発表されて嬉しくなっております。

はい。このような原稿では、必ずノーマル機やノーマルタイプと書くことにしています。出玉率と機械割は意味が違ってくるので誤用しないように気を付けている。以前、そう書きましたが、イメージは異ならないものの使いたくないと思っていた用語が“Aタイプ”なのです。目にしたところで「この人、用法を分かってないな」とかはまったく思いませんが、古を知る人間としてドンピシャなケースを除いて使いたくないというだけです。

5号機以降はなくなりましたが、4号機以前は機種をタイプ分けしていました。その過程で生まれたのが“ノーマルAタイプ”という言葉です。Aタイプということは、ほかにもあるわけでして。軽く説明しますね。

 

4号機以前のBIGは、最大30Gの小役超高確率ゾーンの間、最大3回のJACイン(REGに相応)するものでした。

Aタイプは、JACインが3回のBIGを搭載していることを示します。置けるボーナスの組み合わせは、出目の組み合わせ総数の1/1500まで。21コマリールばかりだったので、9261÷1500=6。最大6通りまででした。BIGとなる絵柄が赤7なら「左リールに3・中リールに2・右リールに1」で、3×2×1=6のように掛けて6以下となればOK。

Bタイプは、JACインが2回以下のBIGを搭載している機種です。ボーナスの組み合わせを2/1500と倍にすることができます。同様に計算して、最大12通りまでですね。当時は、ボーナスの組み合わせ数によって、許されるボーナス確率の幅が決まっていたので、高い確率の機種を作る際に採用されることがありました。

Cタイプは、2種類あります。1つは、SINボーナスの集中(確率10倍ゾーン)を搭載している機種。SINは、今のものと違って1Gだけ1枚掛けで15枚払い出すプチボーナスでした。集中搭載機でBIGがあることも。BIGの内容によって“ACタイプ(『アラジン』など)”“BCタイプ(『BC20000』など)”と呼ばれました。もう1つは、BIGを搭載していない機種。4号機後期の『ミリオンゴッド』や『北斗の拳』が分かりやすいでしょう。

 

“ノーマルA”と呼ばれるようになるのは、メディアも絡んできます。2号機と3号機は期間が短く、1冊の雑誌の機種解説でも混在していました。この機種は何号機なのか。それを分かりやすく伝えるため、筐体写真の下皿部分に「瑞穂製作所:3-1号機」といったプチ情報を置くようになったんですね。3号機以前は、メーカー毎に販売できる機種数の制限があったので、このような書き方が一般的でした。

4号機からは機種数の制限が撤廃。CTや大量獲得タイプ、ATやストックなど機種のバラエティも豊富になっていきます。そこで『大花火』は“A-600”。『アステカ』は“B-CT”。『獣王』は“A-AT”。『キングパルサー』は“A-ST”などと表記されていきました。問題は、何もないノーマルタイプです。表記は“TYPE-A”とすることが多かったかな。そんな付加機能全盛時代。ほかに説明することのないことを表現するために“ノーマルAタイプ”という言葉が生まれます。

それ以前は使っている人は皆無だったかと。1990年代までは、むしろそれ以外の機種のほうが珍しかったですし。大量獲得タイプが増えてきて“A-400”とは呼ばれたりもしましたけど。

 

時間を5号機時代に進めます。5号機のBIGもJACインという概念は残りましたが、オートJACインという概念ができ、最大3回までという回数制限も撤廃されました。SINの集中は廃止され、AタイプからCタイプの区分をすることもなくなりました。

BIGはボーナス枚数管理に。概要は大幅に変わりましたが、ボーナスの組み合わせ総数の規定だけは残りました。払い出し枚数が360枚以下のBIG(6号機は225枚+最大15枚以下)であれば、昔のBタイプと同じ2/1500(21コマリールなら最大12通り)。4号機もCT機はBタイプにしか搭載できませんでしたが、5号機以降も同様にBIG枚数が少ない機種にしか、2種BB(5号機版CT)を搭載することができません。

これを軸にすると。5号機の『ジャグラー』系や『ハナハナ』系など、枚数はそれなりにボーナス確率を高めたノーマルは、昔のBタイプ相応と考えるのが自然となります。RBも2種BBを使っていますし。

払い出し枚数が361枚以上のBIGを搭載している機種であれば昔のAタイプと同じ1/1500(同、最大6通り)。2種BBの搭載も不可です。厳密に言えば、Aタイプと呼べるのは『新世紀エヴァンゲリオン』や『シェイク2』など、ベースが高くてボーナス確率の重いタイプということになります。

 

ふうう。やっと前提条件の説明が終わりました(笑)。

6号機はBIGの枚数が減少しました。しかし、この1/1500や2/1500の規定は残っています。2/1500の組み合わせと、2種BBの搭載が許される“Bタイプ基準”は「BIGが225枚を超える払い出しで終了」まで。そんな視点で、これから登場する機種を見てみましょう。

『アイムジャグラー』(純増MAX252枚)

『ケロット4』(純増MAX230枚)

『サンダーVライトニング』(純増MAX251枚)

払い出し枚数をメモし忘れた機種もあるので純増表記にしていますが、いずれもBタイプ基準ではないので、Aタイプということになります。いや〜。やっと“ノーマルA”とスッキリ言える日がやってきた気がします。ノーマルと書くのに慣れたので使わないと思いますけど(笑)。

アクロスのAプロジェクト然り。“昔のノーマルAタイプのようなゲーム性”という意味で使われる方が多いと思いますし、伝わるので目にしてモヤモヤすることもなかったです。でも、そんなことを思う春なのです。

これらの機種は5号機と遜色ないボーナス確率ですし、ベースもそれなりで抑えられています。6号機ノーマルは、BタイプではなくAタイプが主流になりそうですね。