改めて読み返してみれば前回が2018年の8月、それも今回と同じ統一企画でのもの。実に1年半ぶりとなる悠遊道寄稿ですか………とんでもない幽霊部員っぷりですな(汗)。関係各位と読者の皆様には申し訳ない限りです。
仕切り直し…というのも何ですが、今回の統一企画からまたボチボチ戦列復帰して「幽霊」から「影の薄い」部員ぐらいに昇格しようと企んでいる筆不精の侍でございます。

 さてさて、今回のお題は『自分を作り上げたパチンコ(orパチスロ)4選』という事ですが、この「作り上げた」という部分に関しては各自の解釈でOKという事なので、私は時系列を追って「パチンコ打ちとしての自分」「パチンコの技術介入に目覚めた自分」「パチプロとしての自分」「パチンコライターとしての自分」を作り上げたパチンコを各自選んでみようと思います。
改めて考えてみると自分でも興味深いですねぇ…。では、スタート。

◆「パチンコ打ちとしての自分」を作り上げたパチンコ◆
『ドンキホーテ2』(1995年・豊丸)
 それは天国への階段か、地獄への入口か……私をパチンコの世界に誘ったのは紛れもなくこの機種。母親とふと立ち寄った繁華街の駅前ホールでワンコインで当った権利物をパンクさせたのが悔しくて、コンビニを駆け回り打ち方を習得して臨んだ翌日にまたワンコインでヒット、今度は500円を2万円にして帰宅し留飲を下げたのでした。が、話はここでは終わらずレイリー青年はその翌日もドンキホーテ2を打ちに行き、前日を再現するかのようにまた500円を2万円にしてしまいます。そこから毎日のようにホールに通い、気が付けば四半世紀が経っていました(笑)。パチンコライターとなった今から過去を振り返ると、人生の岐路に突如現れた不思議なパチンコ台なのです。

◆「パチンコの技術介入に目覚めた自分」を作り上げたパチンコ◆
『マジカルチェイサー3』(1996年・まさむら)
 直近のユーザーには信じられないでしょうが…ひと昔前のパチンコの確変&時短、いわゆる「電サポ」状態では打ちっ放しで玉が増えるのが当たり前で、専業レベルであってもシビアな止め打ちなど必要なく勝つ事が出来ました。しかしそんな状況でキッチリ止め打ちをしたならば出玉は激増必至。そんな至極当然なロジックを私に強烈に意識させてくれたのがこの『マジカルチェイサー』。
当時モデル・オノさんがパチンコ必勝ガイド誌面でよく取り上げており、それを真似して止め打ちをしてみたら……もう増えるのなんのって(笑)。その後は殆ど負けなかった記憶があります。この台の凄さは止め打ち手順が現在も殆ど変わらず応用出来る点で、いわば私にとっての「増やし系技術介入機の原点」とも言えます。
ちなみに…ですが、29戦28勝、月間自己最高勝率.966を記録したのもこの機種です。

◆「パチプロとしての自分」を作り上げたパチンコ◆
『CR大海物語M56』(2005年・三洋)
 パチプロともなれば各時代に「柱」となる機種が必ずある訳ですが、時代に逆行し長らく現金機を併用していた私にとって最初に「柱」と呼べる機種となったのもやはり…海。
それまでにも『海3』『海6』、ハーフ時短の『新海M27』などは打っていたのですが…毎日のように打ったのはフル時短の新シリーズである本機から。ステージ止めの効果が1,000円あたり1~2回転UPと効果絶大にもかかわらず、当時は専業レベルでさえも「ステージ止め」の概念が薄かったので店側の調整は大いに甘いものでした。毎日打てる日当3万の台に1万円の上積みが可能とあらば、そりゃ日々安泰ですよね。
以後は本機をベースに新台がガバッと開いていればそちらを狙い打ち、イベントがあればその機種のシマへ……という立ち回りが可能になり収支の安定にも大きく貢献してくれました。この稼働の「柱」の系譜はそのまま『CRスーパー海物語IN沖縄(通称:初代沖縄)』『CRA大海物語スペシャルWithアグネス・ラム(通称:初代赤海)』へと受け継がれ、海党の長期政権を築く事になりました。
どのホールにも設置され、スピードがあり紛れも少なく結果は出易い……鉄の意志で黙々と回し続けさえすれば生活が保障される、まさにパチプロレイリーとしての礎を作り上げたパチンコだと言えます。

◆「パチンコライターとしての自分」を作り上げたパチンコ◆
★その1『CR花の慶次~愛』(2010年・ニューギン)
 パチンコライターには各々イメージというものがありますが、私の場合イメージが花の慶次とリンクする…という方も多いのでは無いでしょうか。実際に「武家(の末裔)」「文化人としての側面を持つ」「酒と風流を好む」など前田慶次とは少なからず共通点があり、身近に感じ気に入っているキャラクターです。
「ただ結ぶだけじゃツマんねぇな…。慶次みたいに上で結ぶか」今ではトレードマークとなっているチョンマゲもそんなノリで始めた覚えがありますし、やはりキャラクター面では自分を作り上げた(作り上げるヒントとなった)パチンコだと思います。
また慶次シリーズの中でも特に『愛』は、先行導入期間中に以前から面識のあった必勝ガイド関係者の方々との面識が深まり、結果ライター業に繋がったという「縁」を取り持ったという意味でもパチンコライター・レイリーを作り上げる、いや生み出す元となった思い出深い機種です。

★その2『CR中森明菜・歌姫伝説~あつ菜EDITION~』(2014年・大一)
 本当は『甘デジ全般』と言いたい所ですが、パチンコライターとして…なので実際記事になった機種をピックアップ。『甘明菜3』はパチンコ必勝ガイドMAX連載中の“ケ・セラ・セラ~明日は明日の風が吹く~”第1回登場機種という理由で選びました。
ご存知の方も多いと思いますが…私の主戦は、甘デジ。これはライターになる前からシノギの対象で、古くは『CRスーパー海物語SAE』(通称:初代白海)に始まり最近では『CR009RE:CYBORG NR-K』まで、今ではプライベートを含め稼働の殆どを甘デジに費やしています。理由は簡単で「1日単位での理論値との誤差が少ない」からです。うん、精神衛生上よろしい(笑)。

「パチンコライター」を単なるメディア人としてではなく「パチンコを打って記事を書く人」という本来の意味を含め解釈するならば、私のパチンコライターとしてのアイデンティティーは『傾奇者』『甘デジ』にあるのだと思っています。

 以上、『自分を作り上げたパチンコ4選』でした。
機会がある毎にこうやって自分のパチンコの歴史を紐解き振り返ると……迷う事の多かった人生の分岐点にフラリとパチンコが現れ、一瞬悪戯に見えたその出会いは必然であった事を教えてくれます。
今でもふと「もしあの時ドンキホーテ2がパンクしなかったら…」とか「もし慶次愛の徹夜並びに参加していなかったら…」と考える時があります。パチンコが大好きな家族の中にあって、唯一パチンコを打たない私がまさかパチンコライターになるなんて自分でも思っていませんでした。“縁は異なもの味なもの”という男女間の縁を表した諺がありますが、パチンコそれぞれの機種との出会いもまさに「異なもの味なもの」ですね。

 


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