この年は、各メーカーがさまざまな趣向を凝らした新機種を相次いでリリースし、その内のいくつかは「名機」と呼ばれて後世に名を残しました。

 

有名どころは以下の通り。

アントニオ猪木という名のパチスロ機(平和)、レンキン(Sammy)、アウトロー(エレコ)、バンバンダッシュ(大都技研)、旋風の用心棒(ロデオ)、それ行け!マンボウ(オリンピア)、花火百景(エレコ)、海一番(山佐)、陸奥一番星(平和)、マジックモンスター(オリンピア)、野獣R(ロデオ)、スロッター金太郎EX(ロデオ)、爆風(オリンピア)、ゴールドX(ミズホ)、ファイヤードリフト(Sammy)、吉宗(大都技研)、ドロンジョにおまかせ(平和)、オートマティック(ベルコ)、キングキャメル(Sammy)、やじきた道中記X(ミズホ)、スーパーブラックジャック777(NET)、荒野のマンボウ(オリンピア)、ビーストサップ(エレコ)、黄金神G(オリンピア)、北斗の拳(Sammy)、大ヤマトS(ダイドー)…etc。

 

猪木シリーズはすでに平和からユニバーサルに制作権が移行しましたが、初めて初代・猪木を打ったファンは皆、口を揃えてこう言いました。「これって、ほとんどサラリーマン金太郎のシステムと一緒じゃね?」。まぁ、いいじゃん。確かにゲーム性は金太郎とほとんど変わらないけど、私は猪木の方が好きだったんだもの。ああ、でもイノキロードトゥゴッドは打つ気になりませんでした(笑)。

一方、サラリーマン金太郎の本家・ロデオからは、スロッター金太郎EXという全くゲーム性の異なる後継機が登場しました。AT抽選を行うのはボーナス中&ボーナス後のみ。どちらかというとATはオマケで、ボーナスの連打で出玉を増やしていくゲーム性でしたが、サラリーマン金太郎を打ち込んだファンからの評価は低かったようです。

 

エレコのアウトローは、格闘家のボブ・サップをイメージキャラクターに採用したストック機。ただし、液晶演出はおろかボーナス告知画面にすらボブ・サップは登場しません。???と思っていたところ、何と中央パネル脇の筐体部分にサップの写真シールが貼られていました。たぶん、この機種がデビューする頃にサップの版権を獲得したんでしょうけど、無理やりイメージキャラにするなんて完全なるやっつけ仕事のような気がします。まぁ、後のビーストサップでは液晶演出で活躍しまくってたからいいか…。そうそう、ゲーム性はそれなりに面白かったですよ。ビッグが出始めたらビッグばかりが続き、バケも同様の連続性がある…そんな明らかに意図的なボーナスの偏りが存在し、酷い目に遭うことも多かったですけどね(涙)。

エレコの花火百景は、アルゼの大花火とほぼ同じゲーム性。全面液晶で大花火を再現した機種…といったところでしょう。

ミズホのゴールドXは百萬神ことミリオンゴッドの代替機。ゴッドに比べて若干マイルドなゲーム性がウリだったんですけど、液晶出目の法則性を突いた攻略法が発覚し、シマ封鎖に追い込まれてしまいました。封鎖の直前には液晶の左半分をシールで隠して営業していたホールもあったけど、それってどう考えても苦し紛れの対策じゃないかなと。最終的には対策機のゴールドXRが登場しました。

 

オリンピアの黄金神Gは、一見すると百萬神=ミリオンゴッドのパクリのようにも見えますが、両ボーナスを搭載した正真正銘のオリジナル爆裂AT機。なんで、こんな紛らわしい機種名にしたのか今でも謎です。

大都技研の吉宗は、711枚ビッグが「1G連」する最強のストック機。ビッグ中の7揃い(シングルとダブル揃いがあり)、純ハズレ、純粋なパンク、JACハズレ、JAC中に俵の8連続押し順正解…の、いずれかの条件を満たすと「ビッグの1G連」が発生し、リミッター(5連)に到達するまで1G連の権利をストックします。仮に、1回目のビッグでシングル揃いを2回(ストック2個)とダブル揃いを1回(ストック2個)、それに純ハズレ(ストック3個)を引いたうえで1パン(ストック2個)した場合、トータルの1G連ストックは9個になりますが、初回を含めて5連リミッターなので、5個ぶんの権利は無効になるということ。もっとも、どの1G連契機も簡単に引ける代物ではないので(ビッグ中純ハズレの確率は何と21845分の1)、リミッターに届くことなど滅多にありません。なお、リミッター到達後のビッグでも、条件を満たせば次回1G連のみ発生します。要はストックはされないってことですね、ええ。

 

そして、パチスロ史上最大の販売台数記録を樹立したモンスターマシンが、年末に登場したサミーのストック+AT機「北斗の拳」です。累計販売台数は約62万台(サミーの公式発表)。それまでの最高が山佐のニューパルサー(約22万台)でしたから、最終的に2.5倍以上の差をつけてぶっちぎりの記録を打ち立てたわけです。おそらく、この記録は未来永劫絶対に破られないんじゃないかな…。

ちなみに、累計販売台数記録の第2位は「北斗の拳SE」の約34万台、第3位は「押忍!番長」の約26万台、第4位は「吉宗」の約25万台、第5位が前述の「ニューパルサー」。5号機は北電子の「アイムジャグラーEX」が約20万台で第6位に食い込んでいます。初代北斗はメーカーの公式発表値ですが、他はあくまで某業界通の方が所有の参考資料に記載されていた数値なので、実際には違っていたとしても責任は持てませんのであしからず。それと、北斗SEが販売台数第2位というのは意外に思うかもしれませんが、この機種はもともとお蔵入り機種だったのを、検定が切れる初代北斗の入れ替え用として無理くり販売に持っていったため、前述したような数字になったと思われます。結果的に初代北斗よりも早くハズした店も多かったですし、ゲーム性が評価されての第2位ではない…という推測を付け加えておきましょう。

 

 

 

ちなみに、この年の私の収支は以下の通り。

平成15年のトータル

  1月     -376,500円

  2月   -52,000円

  3月  +146,900円

  4月  +118,500円

  5月  +189,000円

  6月    +75,500円

  7月    +97,500円

  8月     -269,000円

  9月       -50,400円

10月      +61,500円

11月     -54,000円

12月  +151,500円

合計 プラス 38,500円

 

年間トータルで3万8千円ってアナタ、時給に換算したら20円くらいですよ。しかも、この年に私はアラジンAとマジモンで各1回ずつ差枚数万枚オーバーを達成してたりして…。

それで年間トータルの収支がほぼチャラってことは、勝ち負けの金額がおそろしくデカくなってたんですね。

 

何となく5号機の高純増タイプ末期のパチスロ事情に似ているような気がしますが、歴史が繰り返すのだとしたら、いずれ6号機も同じ道を辿るのかなって。

 

個人的にはそうならないことを祈りたいんですけどね。