悠遊道のようなWEBで書くコラムと、いわゆる紙媒体である雑誌で書くコラムの、最大の相違点って何だかわかりますか?

 

答えは文字数制限があるかないか。WEBには基本的に文字数制限がないので、書き手が読者さんに伝えたいことを余さず書くことができます。まぁ、それでもさすがに何万文字もの文章は読む方も疲れるため、常識的に考えるとコラム1本に使う文字数は500文字~3000文字くらいが適量なわけですが、紙媒体の場合は好き勝手に書くわけにはいきません。なぜなら、雑誌には文字量があるから。

書き手の都合で文章を長くも短くもできるWEBと違い、雑誌の場合は編集者がサムネイルを作った時点で文字量が決まります。後者は文字量に合わせて過不足なく文章を書く必要があるため、気の向くままに書き連ねたら3ラインほどオーバーしたけどまぁいいか…な~んてコトは絶対に許されないわけです。もちろん、文字数が不足しているのもダメ。だって、本文の最後に意味不明な空白があったら見栄えが悪いでしょ? つまり、雑誌に記事を書く際には書くべき要素を取捨選択した上で、全体のバランスを考えて文章を構築する能力が要求されるんです。まぁ、商業誌で書いているライターは少なくともプロの文筆家ですから、この程度のことは出来て当たりまえ。出来なきゃそもそも原稿の依頼なんて来ませんからね。

 

ただね、同じ「見開き2頁のコラム」を依頼されたとして、必ずしも同じ文字量になるとは限らないんですよね。(※注・写真の点数やカコミ記事の数は全く同じという前提で話を進めます)。

どういうことかと言うと、雑誌によって文字のポイント数(大きさ)が異なるからです。大きな文字を使えば当然のことながら文字数が少なくなり、小さな文字を使った場合はその逆になります。ここで注意すべきは、雑誌がターゲットとする読者層に応じて、ポイント数を使い分けることなのね。

私の場合、パチスロ必勝ガイドMAXで連載している「浮草家計簿」というコラムは、基本的に本文が1ラインあたり17Wで計215ライン、すなわち3655文字が決められた文字量です。この連載はすでに14年続いてますから、思うままに書いていってもだいたいキッチリと収まります。要は体感で文字数がわかるんです。昔はこれができずに、原稿を書く前にプロットを組んだりしました。そうしないと頭でっかちの文章になったり、大風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなったりするんですよ。

 

 

だけどね、最近は読者さんの年齢層が上がったため、この文字数で書くのがキツくなりましてね。読みにくいから文字のサイスを大きくして欲しいと、そういう要望が編集部に寄せられると、当然のことながらそれに対応しなければなりません。でもって、文字のサイズを大きくするのはいいんですけど、それに伴って文字数が削られるのが非常に痛い。前述した「浮草家計簿」は、カコミ記事のネームと写真のキャプションは大きめのサイズに変更しましたが、本文のサイズは以前と同じポイントを使用しています。そうしないと内容が薄くなっちゃうから。

 

ただ、10月3日に発売された「パチスロ必勝ガイドクラシック VOL.2」では、さすがに小さな文字で押し通すわけにはいきませんでした。担当編集から提示された文字量は、何と13W×143L。トータルで1859文字ときたもんだ。つまり、同じ見開き2頁でありながら、使える文字数は浮草家計簿の約半分ってことなのね。この雑誌に寄稿した「枠上人生 クラシック篇」を読んで、何だか読み応えがないなぁ…と感じた方がおられましたら、文字数が激減したことで書きたいことの半分も書けなかったことが原因ではないかなと。

 

 

いろいろとネタはあったんですよ。たぶんもう書く機会がないからここで書くけど、今回は個人的に初めて万枚を突破したエピソードを綴りました。機種は3号機の「リノ」です。でもって、当時は万枚の出玉を流す可能性なんて想定してなかったんでしょうね。店から借りたカートで運んだドル箱を5つ、一気にジェットカウンターに流したところ、機械の表示領域が4桁だったために「0663枚」という表記のレシートになってしまい(実際の出玉は10633枚)、ちょっとドキドキしながらカウンターの昔のお嬢さんに手渡すと、ちゃんと15万2300円分のブツ(7枚交換です)を渡されて胸を撫で下ろしました。もしも9千円しかなかったらどうしようかと心配していただけに、ちゃんと両替できて嬉しさ倍増だったことをよく覚えています。他にも、地元のチンピラっぽい連中がチラチラとリノのシマを徘徊していたり…こうしたネタを、リアリティ溢れる文章で綴る予定だったのが、残念ながら全てカットする羽目になっちゃいましたよ。

 

兎にも角にも、もしもパチスロ必勝ガイドクラシックの第三弾があるとしたら、次は見開き2本の計4頁で書きたいなぁと。そう編集長に申し出てみようと思います。

てゆーか、次があればいいなぁ…(笑)。