ちょっと前のことですが、残念なニュースを耳にしました。11月中旬に予定されていたパチスロサミット2018の中止(延期?)です。その中には“6号機ウルトラ試打会”が予定されていて、ぜひ多くの機種を見てみたいと思っていました

 

細かい事情はわかりません。しかし、噂では「本当にその機種発表するの? お蔵入りにするんじゃないの? そんな機種を一般ファンに打たせていいの?」なんて横やりが入ったとか。よし、わかった。打てなくても構わないから、役構成の写真だけ撮らせてください。ほんとそんな気分です(笑)。

 

ということで、またもや同じ写真からのスタート。

 

 

この役構成が意味しているものとは?

 

前回は基本的な答えとして“5号機版AT機の復活”で、おそらくこのボーナスは“減るボ”と書きました。今回は、その先。もっとディープな世界です。

 

この写真をよく見てください。上のボーナスは3BET。下のボーナスは2BETとなっています。

 

3枚掛けのみだったとしましょう。それならば、普通のボーナスでART機の可能性も出てきます。コインを増やすのではなく、プレミアム的な扱いや、ちょくちょく当たってチャンスゾーン的な役割を持つ可能性がありますね。それならば、わざわざ2枚掛けのボーナスを用意する必要がありません。3枚掛け専用機とすれば済む話です。何かやっているのです(笑)。

 

ちなみに、規則通りに作られているかを検査する機関では、2枚掛けと3枚掛けで遊技できるならば、それぞれ出玉率をチェックされます。3枚掛けがセーフでも2枚掛けがアウトであれば、世の中に出すことができなくなってしまいます。普通に作った場合、リスクでしかないんです。3枚掛け専用機がたくさんある理由がわかりましたよね。そういうことです。設定が6段階ない機種が増えたのもそう。

 

脱線しました。その“何か”こそ、“5号機版AT機の復活”なんです。しかも、複雑なトリックを使っている証拠です。単にAT機を作るのであれば、3枚掛けだけでもできますから。

 

2枚掛けと3枚掛け“それぞれ”出玉率をチェックされると書きました。3枚掛けなら3枚掛けで試験します。どのような挙動になるかはわかりませんが、48枚のボーナスのほうを抽選します。

 

しかし、実際のホールでは、まず新装開店の前にホールスタッフが2枚掛けでボーナスを内部保有するまで回します。そうしてから、ユーザーは3枚掛けで遊技することになります。2枚掛けと3枚掛けの混合は、検査機関で試験されません。これがトリックです。

 

ご存知の方も多いかと思いますが、6号機は5号機以前よりも出玉率の上限が低くなっています。5号機以前は120%未満でしたが、それでも115%程度あれば優秀とされていました。115%未満で短期や下限などチェックがさらに厳しくなった6号機は、110%を切るのではないか? そう業界関係者は考えていました。ですが、一発目として登場した『HEY!鏡』の設定6は112%です。それは、このトリックによって実現できたのでしょう。これこそメーカーの努力の結晶です。

 

まあ、5号機時代にあったアクセルATと『やじきた道中記乙』の合わせ技なので目新しくはないんですけどね(笑)。少なくとも、現状考えられる最強システムでしょう。6号機初期は、この方式が主流になるかと思います。

 

この写真、取材で大都技研さんにお邪魔させていただいた際、真っ先に撮影したものです。さっとこんなことを考えてから試打しました。単に「面白いかな?」と探り探りではなく。「これだけ知恵を詰め込んだ機種なら6号機を深く勉強できる違いない」という嬉しい予感を持って打つことができました。

 

そんなこんな、一銭の得にもならない話ですが。パチスロは打たずとも楽しめるという方向で書くことになるかと思います。ふう。ようやく自己紹介のときに載せた写真の話が完結(笑)。改めまして、読者のみなさま、よろしくお願い申し上げます。