「期待枚数÷確率分母÷3」で、そのフラグの期待値がわかる。

前回はそんな基本編を書きました。今回はその応用編です。解析値のわかっているノーマルくらいしか計算できなければ意味なくない? と思った方もいらっしゃるかと思います。確かにそうなんですけどね。この簡単な計算で、結構なことがわかったりもするのです。

その昔、とある機種で計算して「1/32768を引いて設定5でトントン」と雑誌に掲載したら、そのメーカーに怒られました。そこからこのような書き方は禁止されたとか(笑)。なので、おそらくどのメディアも書かない真実の計算方法をレクチャーします。超簡単です。

計算した特定フラグの出玉率をメーカー発表の出玉率から差し引くだけ!

1/8192で期待値2000枚。そんなウリ文句の強烈な一発役を持っている機種があったとしましょう。その一発役の出玉率は「2000÷8192÷3=8.14%」となります。AT機やART機の出玉率は、メーカー発表で97%〜115%くらいのものでしょう。設定4で105%くらいかな。そこから、8%を引いてみましょう。この一発役を引かない限り、設定5でトントン。設定4ならマイナス域です。設定1なら90%を切りますね(汗)。

“出玉率詐称”を声高に言う人は、おそらく引いていないかと思います(笑)。引いたら「あれで何とかなったけど、怖いから二度と打たない」なんて表現になると思いますから。そしてこの計算のように、その感覚は得てして正解です。こういう全設定共通系の一発役は、施行回数を増やしまくって、確率の近似値やそれ以上となってくれることを祈るのみなんです。

一発役を引けた、引けなかった。それによって大きく変わる機種だと認識できていれば、結果を受け止める心構えも変わってこないでしょうか。仕事柄、出なかったからクソ台と言えないものでして。泣きながら、こういう補正の計算をして心を落ち着けています。心の中では二度と打たないグヌヌヌヌとか思いながら。

 

こういった断片の情報から計算していくと、微妙に計算が合わないことも多いんですよ。詐称というほど変なものはないですが、低設定と高設定の出玉率の計算基準が違いそうとか。

……と。これはあくまでも出玉率の話。営業の機械割ではありません。完全等価交換であれば、枚数が上回れば勝利となりますが、交換差額があると“換金ギャップ負け”が増えることになります。一発役でしかコインを持ち帰れない機種であれば「確率分母÷1000円あたりのベース」という“実質初当たりまでの距離”が収支の安定には大事になってきます。

 

交換差額よりもロマンが大事という人もいれば、コツコツ初当たりが大事と思う人もいるでしょう。この両方を兼ね備える機種は作れないので、多くのユーザーが楽しめるよう機種のバリエーションは欲しいかなと。『リゼロ』すごいなと思いますが、そのような機種ばかりになったらそれはそれで困るなと思う春なのです。

さて、次回はパチンコに疎いパチスロライターが、パチンコの計算を少し考えてみたいと思います。講座ではなく、よくわからないことの羅列になるかも(汗)。