「騙し討ちは嫌ですよ その2」

 前回に続き、同じテーマの続編です。

昔々、それまで禁止だったホールイベントが解禁になる前夜の頃の話だ。
「イベントについてホール業者さんを集めて、パネルディスカッションを行います。ついては安田さんにパネラーとして意見をうかがいたいのですが」という依頼があった。

 まあ、行きますよ。仕事といっても話をすればいいだけだし、特殊なプロ枠ながら、打ち手としての意見を伝える良い機会だからね。

 ところがぎっちょん、始まってみれば、明らかにひな壇の我々がホールへイベントを売り込む形になっているじゃないの!
 「聞いてないよ、帰る!」そんな度胸はないからねえ、このオヤジは。こそっと旧知の仲の隣の参加者に「すんません、全然内容を知らなかったから、一口乗せてもらえませんか」と無理言って、共同提案みたいな形にしてもらいましたとさ。
 これを仕切っていたのはKさんという人。真面目な専門誌を作っている会社のスタッフで、自分も撮影でお世話になった方だったので、前回書いたようなまさかの認識違いもなかろうと油断したぜ!

 結局、この時も真相は謎。自分が勝手に騙し討ちと思っているだけで、先方にすれば「いちいちメディアプロ全員のスタンスや書いている原稿まで、こっちはチェックしきれませんよ」と言われたら、世間知らずな自分にはグゥの音も出ないから。

 そういえば、この時は結局、某チェーン店の偉い人(銀行からの出向組)が「あなたの発言が一番常識があったから」ということで、コンタクトをくれた。
 そして、アドバイザー的な関わり方を半年くらいやったのかな。

 結局、不振店の立て直しに力添えをできなかったことで関わりは終わったのだけど、2.5円換金が限界に来ていた時代。
 「費用は掛かっても改装して、3円に変更しましょう」の提言を受け入れてもらえたら…、とは今も思う。

 それでも、そのチェーンは地域の繁盛店として今も頑張っているので、会社側の判断も正しかったのだろう。そこは拍手です。

 しかし、その時のギャラも、俺は例によって例のごとく、周辺視察~会議出席で「パチンコの1日分」だったのだが、店長会議では「えっ、そんなに安いの?」と言われちったんだよな。
 イベントでは企画の発案に何日もかけて、山ほどファックスのやり取りをして、当日ギャラでパチンコ3日分ほど。途中で「やっぱり打って原稿書いた方が楽じゃね?」と思ったし。
 みんなどんだけ貰ってんだよ、と(笑)。