さて今回で八回目の記事となり釘調整の事ばかり書いても面白くないので、今日はゆきちが今までパチンコの世界で経験してきたアクシデントや、今では考えられないようなイベント、過去の思い出などを数回に分けて書いて行きたいと思います。

これは私がまだ釘師になる前、とあるホールで店長をしていた頃のお話です。

当時勤めていたパチンコ店は権利物を中心とした400台程度のお店、ギンギラパラダイス、ミルキバー、エキサイトコンバットの3回権利物が人気で平日でも昼過ぎには満席になるほどでした。

そんなお店で店長を務めていた私の仕事と言えば客の教育と監視・・・(笑)

当然、それだけの集客をするのは超薄利営業していたからで、そうなると甘い汁を吸おうとする人たちも集まってくる、プロは認めていましたが店のルールを守らない輩を追い出すのが私の主な任務でした。

その中でも一番困っていたのは通常時に右打ちをして玉を増やし、その増えた玉で当たりを狙う客の排除…

7個戻しの入賞口が3発に1発入るわけですから、右打っているだけで玉が増えて行くので、そりゃ右打ちやりたくなりますよね(笑)

回転体付近の調整をシビアにすれば防げるのですが、当時釘を触っていた上司の方が、『当たり中はノンストレスが一番!』と言う方針の方で、その始動口となる回転体の入賞は通常7発~10発に1発入る調整にすれば玉は増えない訳ですが、そうなると大当たり消化のタイムロスが発生し、それがお客のストレスになると3発打てば1発は入る仕様にしていたのです(笑)

不正されない様に監視するのはホールの仕事だからお前らがちゃんと働けば大丈夫!と言うのが上司の口癖でしたw

まぁ、そんな理由で、右打ちで玉を増やす客を野放しにするとたちまち釘調整を厳しくしないと営業出来なくなる訳で、ルールを守らない客には怒鳴り散らし、出玉没収、電源カット!今では考えられないような接客というには程遠い状況でした。(笑)

一見強引に見えるパチンコ店でしたが、『すべての客に平等にチャンスを提供する!』社長の理念に共感したのと、幹部の人達が超武闘派でヤクザ相手でも一歩も引かない、有事の際には全力で社員を守ってくれる漢気あふれるパチンコ店というのが働いていた一番の理由です。

そんな店だからトラブルも多く中でも強烈に覚えているのは、店舗の入口シャッター前に、あからさまにその筋の人の車が横づけにされ、開店準備が出来なくて困っていた時に、社長が一声・・・

『そんなもんガラス叩き割ってのけてまえ!(笑)』と、複数の幹部社員に指示を出し本当にガラスを叩き割って車をのけた時は社長に惚れてしまいました。

そんなイケイケのパチンコ店で勤めていたある日、事件がおこります。

夕暮れ時が近づくと私は店のネオンを付けて休憩に入るのが日課でした。

いつもは自分でネオンのスイッチをいれるのですが、その日は2階に上がるのが面倒でインカムで事務所にいる部下に指示を出したのです。

『ネオンのスイッチいれてくれ~♪』

指示を出し店舗に背を向け歩き出した数秒後、目の前の視界が暗くなったのです。(笑)

嫌な予感がし振り返ると、先ほどまで煌々と光り輝いていた店内が真っ暗に、満席で稼働していた台の電源は落ち、いつも厳しく指導していた客達が殺意に満ちた表情でコチラを睨みつけていたのです。

ハッ!こ、殺される・・・

次の瞬間ホールコンから一斉に異常信号が送信され店内はパニック

『〇〇番台異常発生です!』
『○○番台異常発生です!』

永遠に繰り返されるアナウンス、インカムは既に使い物にならないので事務所にかけこむと、先ほど指示を出した従業員がパニックになっている。

『なにやっとるんじゃボケー・・・客に殺されるやないか!!』

状況を確認するとネオンのスイッチと店内電源のスイッチを間違えて押したらしい・・・

最近のパチンコ台はバックアップ機能が付いているのが当たり前ですが、当時のパチンコ台にそんな機能はついておらず、電源が落ちれば全て初期化・・・

慌てて電源を入れなおすも、当たっていた客は初期化された画面を見て怒り狂っている。(笑)

この緊急事態を早く収めないと、群集心理で暴動が起こりかねないと判断した私は、ホールアナウンスを入れ、当たり中の台、または当たりが発生した直後の台はホールコンで確認が出来ますので、これから各台に補償に回りますとアナウンス・・・

そのアナウンスと共に店内は落ち着きを取り戻す。

ホールコンピューターの当たり履歴を全て印刷し足りない出玉を補償して権利物コーナーのトラブルは回避できたのですが問題が出たのはCR機・・・

ホールコンピューターは時短と確変の違いが判断できないので補償が出来ない。

一律に一定数を補償すれば良いのだろうが、それだと客が納得しそうにもないので考え出した策は客に抽選させる方法。

手書きで書いたクジを引かせてそこに書いている数字の回数分だけ出玉を補償すると・・・

ただ時短中の客なのか確変中の客なのかはホールコンでは分らないので、くじ引きは当然辛目に設定(笑)

1から10まで書いたクジを用意し客にひかせ、10と書いたクジを見事引き当てたオバちゃんは狂喜乱舞していましたが、クジの80%以上は1だったと思います(笑)

当時だからこそできた客に連荘回数を決めさせる抽選・・・

現在やれば一発で営業停止間違いなしでしょうね(笑)

この日を境に私が考えるイベントは過激さを増していくのです♪

次回更新に続く