スパークさんからいただいたマニアックな質問には続きがありまして。前回の基本説明では説明がつかないケースですね。次にやることは、2枚掛けの有効ラインと正確な役構成のチェックでしょう。しかしながら、今週はドタバタしてしまって調べきれず。次回以降の宿題とさせてくださいまし!

今まで気にしていなかったのは、本当に無頓着だったということ。当たるまでの過程(リーチ目や手順)は大好きなので考えますが、当たったあとは“作業”と思うフシがありまして。技術介入のボーナスですらソレですから、長い一撃のAT・ARTは、初当たりが少ないのであまり好みではないのです。作業内容も押し順ナビに従うばかりで同じですし。

はい、そのART機の質問をいただきました。K.S.Yukiさん。身内ではないですか。いつも大変お世話になっております! 積もる話はたくさんありますが、書き始めると長くなること必至なので、質問内容に移らせていただきます(笑)。

Q)京楽さんの『ぱちスロAKB48』に搭載されていた“サプライズリセット”機能について。内容的には「任意のタイミングでプレイヤーが“内部状態及び天井ゲーム数”をリセットし、再抽選を受けられる」という、ものだと認識していますが、当時そのような機能が実装できた理由や、現状の内規では同様の機能を設けられないかという点が気になっています。

(6号機AT機ですと通常時として有利区間を消化している台ばかりなので、同等の機能の実装は無理だと思いますが……)

結論から書きますと、現行6号機での実装は不可能かと思われます。もちろん、書かれているように有利区間の問題もあります。いつ有利区間に移行するか特定できない通常区間では天井ゲーム数を設定できませんし、有利区間が終わったら、そこまでの有利区間情報はリセットされるからです。サプライズリセットをしまくって、やっと当たったときに残りの有利区間が短すぎることも考えられるので、ゲーム性として難しいのもあります。

では、どの時期まで作れたのでしょう? ちょっと紐解いてみたいと思います。

 

○サブ基板管理とメイン基板管理の違い

『ぱちスロAKB48』を分類すると、5.5号機以前の旧基準機になります。旧基準機と5.5号機以降(6号機含む)の大きな違いは、押し順ナビをどこで管理しているか? です。

4号機も含めて5号機の旧基準機まで“サブ基板はメイン基板の抽選や出玉に影響を与えない”という理念になっていました。簡単に言えば、サブ基板を取り外しても出玉率の幅やゲームとして成立していればOK(面白いかは別の話)だったのです。なので、サプライズリセットも認められました。

 

実際は、サブ基板が出玉設計の主役になっていましたが、見て見ぬフリをしていたんですね。しかし、それではいかんだろうということで、5.5号機からは押し順ナビの情報もメイン基板で管理されることとなりました。プレイヤーも気付かないような、ほんのちょっとのフリーズとかを合図にして、その信号を受け取ったサブ基板が押し順ナビを出すように状態変化するのです。

プチフリーズAがAT・ARTの契機として。そのプチフリーズAの発生確率も変えられます。例えば、チャンスゾーン。そのチャンスゾーンに行く契機をプチフリーズCとします。強スイカが成立すると、25%で5G後にプチフリーズCが発生し、そこから10GはプチフリーズAの発生確率が大幅アップという作り方もできるからです。実際は、もっと細かいですけどね。

 

サブ基板管理からメイン基板管理に変わっても、外見では分からないブラックボックスの抽選のように見えるのはこのためです。ゲーム性もまったく変化せず。5.5号機では同時に、純増速度の抑制や押し順ペナルティの規制(ベースが上がった)もありました。そちらへの不満は耳にしましたが、メイン基板管理になってつまらなくなったという話は聞いたことがありません(笑)。

 

○メイン基板とサブ基板の関係

外見上、ゲーム性の変化は感じられないと書きましたが、メイン基板とサブ基板では内面で決定的な違いがあります。信号やデータの送受信です。

メイン基板は、送信できて受信はできません。外部からのアクセスで抽選などが変化してしまっては問題ですもんね。もちろん、パチスロ機全体の司令塔なので送信は可能。この信号を受け取って、サブ基板を使った演出が発生したり、台上のカウンタがゲーム数やボーナス回数を上げてくれたりします。

一方のサブ基板は、受信はできて送信はできません。メイン基板からの受信がなければ、ボーナス非成立なのに確定画面とか出てしまいますもんね。送信に関してはイマイチ分かりませんが、メイン基板が受け取らないんだから意味なしでしょう(笑)。

 

台上カウンタの誤作動は分かりやすい例かも。正確には日電協ボードを経由して信号が送られますが、サブ基板から直接は無理だったかと思います。メイン基板管理のリールで開始絵柄が揃う場合など(例に出したフリーズもOK)は、即座にATやARTのカウントをアップさせられます。

それに対して、サブ基板管理の液晶などの演出のみで当選告知をしてナビ発生となるAT・ARTは、即座に信号を送れません。メイン基板で管理しているリプレイや小役の連続など様子を見てからカウントアップとなるのが一般的でしょう。稀に自力のリプレイと小役で上がってしまうことがあったのは、このためです。

 

サプライズリセットに話を戻しましょう。サブ基板からリセットする情報を送れないので、メイン基板の天井までのカウントも抽選状態も変えることができません。少なくとも5.5号機のメイン基板管理が始まった時点で、作ることは不可能だったということが分かります。

旧基準機の期間は作れたかもしれませんが。『ぱちスロAKB48』以降の機種に搭載されなかったのは、さほど継続的な話題にならなかったか、ほかの抑制する内規が出てきたかのどちらかでしょう。天井間近のリセットを除いて、大幅に出玉性能が変わらないよう設計には気を遣ったらしいですけどね。

 

○実は、一番打ったART機

押し順ナビは好きくないとか冒頭に書きましたが。『ぱちスロAKB48』は打ち込みました。設定2ベースのホールを見つけたのが大きかったですね。ほぼ480Gで止まるので、天井狙いもちょっと早めに仕掛けることができました。まあ、あとゾーン中でも捨ててある台があるレベルのところだったのも。篠田麻里子はLv.500になったし、1/20万を越える“会いたかったフリーズ”も引きましたよ〜。

そのホールで打っていたときのこと。天井を見据えて打てるかなと移動して打った1G目のレバーでサプライズリセットが起こりました。普通のサプライズリセットは単なるリセットです。レバーを叩いた本人が驚く。これぞ本当のサプライズリセットでしょう(笑)。

前の人が仕込んだんですね。気付いたなら解除できる。粋ですなあ。そんな猶予を与えてくれていたのに叩いてしまいました。欲は人を盲目にさせます。それ以降、ゲーム数狙いで座ったときは、まず確認するようになったのは言うまでもありません。

 

偶数ベースで打っていると、初当たりとなる疑似ボーナスの機会も多いですし、枚数変動制の『キングパルサー』(山佐:4号機ストック機の草分け的存在)を打っているような感覚になれたんですね。連チャンゾーン128Gのテーブルとか。

そうそう。真偽は定かではありませんが『ぱちスロAKB48』も山佐の開発が協力したなんて噂がありましたね。『パチスロ鉄拳2nd』の演出台詞で「鉄拳チャンスは本当にチャンスなんだからね!」というのを目にしたとき「推しメンチャンスは本当にチャンスなんだからね!」を思い出してニタニタしてしまいました。ええ、普通に演出も見ますよ。たまに。

読み応えのある実戦記を書かれるK.S.Yukiさんからの質問だったので、私も実戦の想い出を少し書いてみました(笑)。