前回の補足』

 前回は社長に頼まれ傾いた店を2回目の再建成功。しかし女に溺れ仕事を疎かにした結果、罠にはめられ、挙句ゴトを仕込まれ気づくのも遅れ自ら職を辞する結果を招いたとのお話でした。

 前回に掲載するのを忘れた為、ここで・・・・

 裏ロム、裏ハーネス(主基板からサブ基板、液晶に繋ぐケーブル)の疑惑がある時は、メーカーに送ると下記の写真のように回答得られます(正規or不正)

この頃の裏ロムは本当に巧妙で外見をルーペで見ても中々目視では分かりません。

※この結果は正規品で問題ないとの見解。機種はCRモンスターハウス。結局、ハーネスに仕込まれていましたが・・

『心機一転!2.5円・7枚交換で地域1番店を実現』

 ちょうど今頃の暑い時期に3社から内定をもらい、4店舗経営(店長同士の交流も無い為、単店に近い)の会社へ行くことに・・・

お盆の営業を終えた後、一旦閉店して1ヵ月の休業。秋の全面改装リニューアル予定に伴い、シニア層のマネージャーに退いてもらい人事を一新する。その為に私が招かれました。

このお店から徒歩5分に閉店した店が、他社が居ぬきで出店!!グランドオープンをする為、大改装を決意!!

赴任したお店は都内の私鉄沿線駅から3分くらいの商店街出口、〇〇会館みたいな屋号で椅子はラーメン屋みたいな感じ。

トイレの個室は男女共同、現金機しか無い本当に30年くらい前のお店って感じでした。

※解体前のお店を見た時に、こんなお店が本当に綺麗に生まれ変わるの?大丈夫なの?このままなら俺は無理だよ・・・が本音でした。(笑)

お盆最終営業日までは従業員に一切バレないようにする極秘プロジェクト。

実際に最終営業日の閉店後に全スタッフを集め、本日で一旦閉めると伝え、カウンターの中にも一切入らせなかったとの事。

皆が帰った後に、家捜しみたいにくまなく探した結果、特殊景品が数万円分も隠してあったり・・・

予想通りだったらしいです()。

真面目だった50代のカウンターのオバちゃん以外は全員即日解雇(全員に給料3月分支給)。それくらい思い切った改革を社長(70代一世)は決意していました。

空いた役職には支店から信頼出来る人物を異動させるから大丈夫だと。

既に施工業者、島、ホールコンなどのメーカーは決まっていた為に、私の準備は・・・

〇撤去台から残し再設置する台の選別・・残したのは

 『現金機FクイーンⅡ・現金機チューリップ台・CR海物語20台・CRわんパラ20台・CR必殺仕事人10台・大花火6台・獣王6台』

 〇新台の購入(中古含む)

 〇スタッフ募集、面接採用、販促準備(チラシ、駅貼り、ピーワールドなど)

 〇改装終了後の研修

 〇オープン時の調整(赤字予算、計画などはアバウト)

こんなもんだろうか?箇条書きにすると大した事は無いと思われるかも知れませんが、

・ホールに置くゴミ箱はリニューアル後の今風の木目調に合う物を何処に何個置く?

・自販機、券売機、精算機なども木目調に合わせた色にカッティングシートを貼ってもらう

・ドル箱はどんな色にするか?何個必要か?

・カウンターで使うビニール袋に店名を印刷するか?(屋号店名も変更した為)

・コインロッカーは何台必要か?

これらの漏れがないように行わないといけないのである。

※大手さんのグランドオープンマニュアルみたいな物はない。まぁ大体が備品屋が助言してくれるが・・・

改装中は電車で30分くらいの本社(本店)と現場の往復、社長、専務と打ち合わせの日々。

工期は1ヵ月の予定がとてもじゃないが終わらない。

さすがに建物は残すが、外壁、店内の全て解体し、2階の寮、駐輪駐車場までだとこんなに時間がかかるのか?と思うほどでした。

820日から工事に入り、完成引き渡しは秋真っ盛りの10月中旬になってしまっていました。

10月には順調に新しいスタッフ(20代中心)も採用出来ました。明け渡し後は研修も早速開始!!あとは警察と消防の検査⇒許可⇒オープンです。

面接時に、攻撃的そうな感じ、不採用にしたい人にはサラ金から借金は無いのか?そこまで聞きました。

※当時はまだ1人3万で個人情報を調査、報告してくれる会社がありました。面接時に隠しても、調べるぞ!!と言わんばかりにデスク上に見えるように、置いたのです。

新しいスタッフは役職以外は20代で女性が7割、とにかく社長は小汚かったイメージを払拭したいとのことでした。

私も殆ど新店と変わらないリニューアルは初。何が何でも成功させなくてはいけません。研修も順調。ところが、消防検査で駐輪場の屋根の材質が塩ビの為、直ぐに燃えるからダメ!というトラブルが・・・

※この少し前に歌舞伎町の雑居ビルで死者多数の大惨事が起きた直後の為、検査が厳しかったのではと防災設備の業者が言っていました。翌日から作り直しです。

機械も当時は海物語が爆発的にヒット中で入手困難でした。

しかし、私が懇意にしてる販社(代理店)の社長が、三洋から海物語の再販分の割り当てを多台数持っているからと紹介してくれました。

ジャグラーも前店時代に、エレクトロコイン(後にユニバーサルの傘下に入る)の担当が販社に移籍し、彼からも機械も買っていた為に、16台を無条件で入れてもらえたのです。

どうしても足りない海物語3Rを6台だけ中古で単価90万で調達したのです。

※中古は裏ロム、ぶら下りのオマケが付いてくるリスクが有る為、買いたくなかったのです。

また社長から託されのは赤字額は気にしないで良いとにかく同時期にオープンする店には負けるな!!自店は出せるんだ!!と見せつけてくださいと・・具体的な赤字額は1日300万を1週間(2100万)放出して、足りなければもっと出せばよい!!と。

総台数が248台の為、台粗はマイナス1万以上出せる!!これは成功するなと確信をしたのです

数日後に警察許可も無事に下り(新規じゃないので早い)いよいよオープンです。

11月1日をオープン日に決めると、競合の新規店も同日にぶつけて来たのです相手は18時オープン、私は15時オープンと3時間早くしました。

理由は潤沢な資金により赤字放出が可能な為、例えば19時頃に2店舗を比較された場合は、自店はその時点で相当強烈な出玉が積み上げられており、明らかにこちらが出ているとの体感をさせる事が可能だろうと思ったのです。

さて、いよいよリニューアルオープンパチンコは全台が千円25回~30回くらい回るように(傾斜4.5分で海3Rはヘソ13、上げ釘、風車上を11.50)、全台をアースで試し打ちし、回らない台がないように調整。

販促には当店は出玉はMAX、大当り出玉を削る、確変中に玉が減る調整は一切いたしません。常に出玉はMAXを心掛けております!!と掲げ、チューリップ台は社長、専務が釘を見て『うわぁ~コレは出るぞ~』と言い、スロットは全台が⑤⑥半々です。

さてどんな割数になったのか?競合の同時オープンとの勝敗は・・・次回に乞う!ご期待!!

どうしても当時の資料が見つからない為、オープン時の島図を再現しました。