「意気がってクールなつもりの若い頃、
感傷を大切にする今、変わるのも悪かぁないさ」

どうにも涙もろくなってきた。同時に癒しというかホッとする物を見ることを欲する自分もいる。
なんだろうね、昔が人間性を抑え込んだパチンコロボだったわけじゃないが、50代も半ばになると感情に突き動かされる度合いが増えるんだろうか?

今の自分はそれを悪い事とは思わない。
ていうか、「あと何年元気な体でいられるだろう?」と思うと、「パチンコを打って原稿を書く、それだけで人生を終わるのはちょっとなぁ」と思うくらいだ。
ホールでは感情を無理に出さずとも、それ以外なら人間らしい感覚や心からの笑顔を増やしたいと願っているものね。

パチンコもそうだ。昔だったら、パチプロがこぞって打った北斗シリーズもやっていたと思うよ。
今は「好みじゃない」で期待時給が安くても、居心地や荒さ、演出面で己がストライク機種を選択しているけど。
それでいいさ。「パチンコで誰よりも勝つ」そんな夢は20代にして潰えた。今の自分には「どう打ち、どう生きる」の両立の方が大切なんだから。

「理屈抜きで打ちたい機種もある。俺にはめぞんだ!」

9月7日

早いもんだねえ、もう今年の3分の2が終了か。
年を取ると年月が過ぎるのが早くて困る。田山さんの亡くなった年齢は去年越えた。次の標識は敬愛したチャンさんが現場でプロを張っていた還暦か。まだまだ遠い気もするし、案外その日が来ると「すぐだったな」と驚くような気もするよ。
それもこれも生き残っていられたらの話だけどさ。

収支の方はツキもあって去年と同じくらいのペースになっている。
先への備えが十分とは言えぬが、日々の糧にはなっているんじゃないかな。
「今を生きられれば上等」若い人にそんな勝ち方は勧められないけれど、さして先が長くない自分はこれでいいかも。
いろんな物に追いまくられて、余暇を楽しむ時間をあんまり取れないのは、ちょっとだけ不満だけどね。

さて、本日もホールだ。入店してみると、お客さんが多くて目当ての海には座れない。
「そんなに必死こいてやる状況かね?」なんて皮肉を言いたくなるものの、打つか否かは皆さんの選択。
死んだ子を数えても仕方がないから、今日はめぞん一刻約束の甘デジをやろう。ていうか、こういう状況を予想して、これをやりに来てたりして…。

めぞんは月曜にやった時よりヘソの左側が弱くなっている。あの日はえらく回ったもんだが、それでも3円では期待日当2万に届かない感触だった。今日の釘では「プロが打ってはいけない」レベルかも?
まあ、やってみないとわからんのがパチンコ。好きな機種にはお金以外の付加価値があるし、出玉関係を頑張ることで案外日当ダウンの幅が小さい可能性に賭けて着席する。

序盤は苦労の展開。
再プレー1250個で120回転で、「この程度の回りの落ち具合なら、やってもいいかな」と思っているところに、もう125個足して129回転で555の大当り。
ボタンが飛び出す先読み&踏み切り演出から弱いリーチの外れを経て、好きじゃあチャレンジが成功ってのは甘デジゆえか。ライトタイプではこのくらいじゃあ期待できなかったものね。

当たったら、普通にひねってオーバー入賞を狙う。1発多く打ち出すのと成功しての払い出しで+6個というのは効果も微妙だが、やらんよりはいい。スルーの下にある賞球口にも入ったりするので、1R辺りの出玉が50個ってこともない。

電サポ中は「6パターンある開放を、大王四神記や鬼武者のように全部1個打ちで狙う。完璧にやれば、玉持ちチャッカーに入った分が増えるぜ!」なんてことはなし。俺、そんなに上手くないし。
「玉が増えたら怒られる店だし、殆ど減らないレベルで十分」と、小デジ回転中だけ玉が電チューに到達しないのが基本だ。
後はメイン保留が減らないのを察知して(リーチ以外にもしばらく保留が減らない時がある)、その間は1セット間のケツにそれぞれ違うタイミング(最後の開放の長さが理由)に合わせて1個打ち。これはミスらなければ全部電チューに拾われるので、賞球口に入った分が増える。
これで、打ちっぱの4~6回開放の一瞬閉まっている間に出るロスを補う、と。
結果は手計算で5個だけ減り。こんなもんだろう。

潜伏は無かったようで、追憶モードは20回転で抜けて、次の当りを拝めたのは再プレー1000個を足した122回転目。
疑似連3回からのエピソードリーチかな? 宴会の後に仲直りする演出だ。

しかし、これも単発。3度目の初当りは193回転目で残りの再プレー125個と6000千円を入れたところ。めぞんチャンスからのリーチを経て、また好きじゃあチャレンジからやっと555。
これが16R3度と8Rが1度ついてくる計5発。やっと投資が止まったかな。

「ヤベエ、涙が止まらん! 
ひっそりとティッシュで目を拭うオヤジがここに」

ここからは電車道。甘デジだから、いきなりドル箱が山積みになるわけじゃないけれど、ハマリは2倍弱が3度に2倍越えが1度だけでけっこう連チャンしてくれたので、夕方には「ゲーム性を考えたら、負けは無かろう」の安全圏へ。

こうなるともうウルウルタイム。月曜もそうだったけれど、連チャンしてエピソードリーチを見るたびに世代的にジャストなBGMも相俟って、この機種は泣かせるのよ。

特に「形見」のリーチね。ばあちゃんが指輪を管理人の響子さんに渡す時の情景が、何でだかわからないけれど、亡くなったお袋がカミさんに俺の小さい頃の話をしていた時とダブるんですよ。
訥々と語るお袋と、穏やかな笑みでそれを聞いていたカミさん。その時はこっ恥ずかしくて席を立った自分だったけど、今になって思い出して泣くとはねえ…。

溢れてくる涙を拭うために、ポケットからティッシュを出して左手でで拭う。
ヘソ消化になるから席は立てないのを「ああ、それでも俺はパチプロなんだな」と独り苦笑いしたのは、去年ライト版を打った時と一緒だ。

そんなことがありながら、BGMで心の旅、初恋、なごり雪、恋に落ちて等を聴きまくった一日は、21時過ぎに終了。
出玉は16117個で出来過ぎの結果ながら、1R辺り52個の込み込み出玉で計算した回りは24.3回/千円。辛いこの機種で8R辺り40回転半じゃあお金にはならんが、今日はこれで良し!