ライターの仕事は不思議なもので、立場が上がるほど専門性が薄れる傾向がある。

こう言ってもピンと来ないかもしれないが、ライターの入り口はパチンコパチスロの専門誌になるので、ガッツリ打っているライターの集まりの中で光るものを見せなければいけない。

また、それを読むのも言ってしまえばパチンコパチスロのコアなファンなので、そこで認められるには高い専門性が求められる。

 

ところが、仕事ぶりが周囲の目に付くようになると徐々に一般のファンに近いところでする仕事が増えてくる。

例を挙げるなら、パチテレなどのパチンコ専門チャンネルでの仕事や動画の仕事など。

本と違って受け身でも目にする可能性のある映像の仕事は、コアなファン以外も見るので専門性は下がる。

 

そして、より一般人に近いところだとモンドTVのように契約しなくてもケーブルTVで観られるメディアや、地上波の仕事になってくる。

ここまで来ると「普段パチスロを打ちません」という方も観るので、一般性はかなり上がると言えるだろう。

 

さて、そこで。

自分の仕事ぶりが評価されて出演する場所が変わった時に、自分が何をするべきか。

もちろん、初志貫徹して専門的なことを話し続けても良いだろう。

それも一つの正しい生き方だ。

 

しかし、自分はパチスロが好きで、パチスロを知らない人にも魅力を知って欲しいと思っている。

そう思った時に、自分が語り掛けるべきはパチスロを知らない人、目押しが苦手な人。

そんな初心者でも楽しいと思える機種選び、説明する時の言葉選びが必要になると思うのだ。

 

こんな考えは自分で簡単に至るものではなく、参考にさせてもらったものがある。

昔契約していたスカパーの釣りチャンネルに「SUGOI アワー」という番組があって、それを観て目から鱗が落ちた。

私は釣りが好きだ。

しかし、釣った魚を食べられない釣りは好まない。

 

その番組はバス釣りの番組で、喰って食えない事はないけれど、基本は食べない魚。

ルアーフィッシングにも興味がないから自分からすると興味のない番組。

ところが、この番組はついつい観ちゃうのだ…そこには出演者の釣りの技術以外で楽しませようとする努力や、自分のようなバス釣りをしない人でも分かる表現への落とし込みがあったからだと思う。

 

自分はバス釣りをするには至らなかったけれど、そこら中にブラックバスを放流して生態系を壊したとか、釣り場を大事にしないイメージだったバス釣りへのマイナスイメージは払拭されたように思う（もちろん、大多数のバス釣りファンに罪はないマイナスイメージだが）。

ちなみに、番組を視聴していたのは10年近く前の話なので、今はどうなっているのか分からないが…。

 

さて、パチスロを知らない人に魅力を知って欲しいと思った時に自分がしたこと…まずは、身なりを整えた（笑）。

誰に見られるでもなくスロットを打っていた身なので、本当に外見に頓着がなかったのだけれど、そこをしっかりとしないとまずは言葉を聞いてもらえない。

そして、言葉をできるだけ分かり易く、簡潔にした。

 

厳密に言えば間違ったことも、気にせず説明してしまう。

例えば、何かの抽選が「払い出し終了時」だったとしても、「レバーオン時」だったとしても「このゲームで抽選」で良いだろうと。

細かく言えば言うほど、一般の人には言葉が届かなくなってしまうと思うからだ。

 

もし、スロットに興味を持ってくれる人がいたら、自分以外の誰かの説明を聞けば良い。

自分は入り口で、もっと奥に案内するのは別のライターで。

その時に「ポロリの言っていたこと、微妙に間違ってんじゃん」と思われても、ファンを増やしたいという自分の思いは達成されている。

 

そんな思いを胸に選ぶ、実戦での機種選びは…ジャグラーを打ちながら、震えて待て!!