梅雨明けから一気に暑くなりましたね。我が家の近くのカフェは、33度以上でポイント3倍というサービスをしていて、連日多くの人で賑わっています。このようなサービスすらできないパチンコ業界。イベント規制もわかりますが、普通の業界が普通にやっていることの半分もできないのは、ホントどうにかしてほしいですね。

遊技機として娯楽の範疇を逸脱していないか、厳しい目でチェックされて世に出ているわけですし……。ということで、保安通信協会(保通協)が発表した7月の型式試験について。結果書交付は73件で適合は20件(適合率27.4%)。40%が目標と言われていますが、最近は20%台で落ち着いていますな。今月も出玉率と基板関係以外の不適合事例を見ていきましょう。

○7月の不適合事例

1)液晶ユニットを取り付けるためのプレート部品が、申請書類と異なっていた。(5台中3台)

小さなことのように思えますが、申請書類と異なる部品でも適合は受けられません。注目は、“5台中3台”という表記。1台ならOKとかそういうわけではありませんが、わざわざ書いてくれたことによって“型式試験は5台持ちこまなければならない”とか、改めて知ることができます。こういう読み手へのサービスもあるのが保通協先生の素敵なところ(笑)。

 

2)条件装置が作動している全ての遊技において、回転停止装置を作動させる時間にかかわらず条件装置に係る図柄の組合せを表示させる制御が可能となる性能を有していた。

小役成立時にどのタイミングでストップボタンを押しても、小役が入賞してしまうリール制御だったようです。リールがすべりまくって揃ったのかな?

条件装置とは小役などのこと。回転停止装置はストップボタン。慣れている言葉が難しくなっているので、わかりにくく感じつかと思いますが、ウォッチャーからしてみると、この文章はチョイスが絶品なのです。「時間にかかわらず、組合せを表示」の部分ですね。

この場合、ほかにもいくつか抵触しそうな条文があります。「ストップボタンを押してから0.19秒以内に停止しなければならない」が筆頭。0.19秒以内の停止で20コマもスベる場合は「1分間に80回転」よりも速くなってしまいます。こちらを指摘した場合、範囲が広くなりすぎてしまいます。法律用語を使っているので長くなっていますが、指摘が実に端的なのです。

 

3)第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動時に入賞に係る条件装置の作動確率を変動させる性能を有していた。

簡単に言えば、“BIG中に小役確率が変動してはいけない”となります。BIG中は小役が揃いまくってコインが増えるじゃないですか? そう仰りたいですよね、わかります。

BIGは、REGの集合体となっています。REGは最大12G消化か8回入賞するまで継続して、小役などの入賞確率をアップできるパチスロの根幹となるボーナスのこと。これ大事なので覚えてください。

BIGの作り方は2パターンあります。1つは、オートでREGが始まってくれるタイプ(オートJACタイプ)。BIG開始ともにREGもスタート。8回入賞すると、自動的に次のREGが作動します。『アイジャグ』系や『ハナハナ』系など、多くの機種がこちらを採用しています。

もう1つが、『不二子TYPE-A』や『ビーマックス』などのマニュアルJACタイプ。JACインするとJACゲーム(REG)に突入。規定ゲーム数か規定入賞回数に到達すると、再びJACイン成立待ちとなります。このJACインを待っている間のゲームはどうなっているのか?

JACインの確率は大幅に上げられますが、リプレイを除いた小役確率は通常時と同じでなくてはなりません。ここの設計をミスしたということ。面白いノーマルを作ろうとしたのではなく、AT機が隠し持つ“減るボーナス”の失敗例でしょうな。

保通協先生の次回作にも期待しております。