ちょっと涼もうと入ったホールで打っていた時のこと。リーチ目が出て1枚掛けするも入っておらず。リーチ目が消えた!? そんなことを思ってしまいました。

パチスロ打ちなら誰もがこんな経験あるのかな。裏モノなんじゃないかとか頭をよぎりますが、このご時世にそんなものがある確率は低いでしょう。いつもは全リーチ目を写真に撮っていますが、この日は充電が切れたためそれもしておらず。

大抵、こういう場合はプレイヤー側にエラーがあるものです。分かりやすい出目だったのでリーチ目の勘違いはありませんが、見間違えている可能性はあります。コイン手入れ時だったので、掛け枚数が違ったときに何かの小役を取りこぼしてしまっていたとか。

ああ、疲れているんだな。夏バテを感じた次第です(笑)。暑い日が続きますが、皆様におかれましては、ご自愛くださいませ。

さてさて。前回のコラムを書いた後、質問をいただいていることに気が付きました。キャベツ太郎さん、ありがとうございます。お待たせいたしました。では、その質問の内容からいってみましょう。

Q)パチスロで押し順ミスのペナルティがあるじゃないですか? あれって誰も得しないと思ってるんです。むしろ意地悪なやつが仕込んどいて後から打つ人に嫌な思いをさせたりして…。規則として設けなきゃいけない決まりとかあるのでしょうか?

答えを先に書きますと、まったく決まりはありません。むしろ、5.5号機以降は押し順ペナルティは廃止されています。理由はご指定の通りです。ペナルティと知らずに打たされ多場合と、普通に打ち出した場合と。期待値がまったく異なるのはフェアではない。そう警察庁から指摘されたのです。

そんなことを言ったら、天井に近い台と遠い台では期待値が異なりますけどね(笑)。警察庁からの指摘では天井機能も触れられていました。6号機でも天井が残っているように、完全禁止ではなく激しすぎる天井性能はダメということなんでしょう。

 

○なぜ押し順ペナルティが生まれたのか?

押し順ナビがない通常ゲームで変則押しをしてしまうと、そこから数ゲーム間、ARTやATの抽選が不利になる。ゲーム数や内容は機種によって異なりますが、このようなものを“押し順ペナルティ”と言います。なぜ、このようなものが必要なのか。

AT小役が最初に押すリールのみの3択だったとしましょう。4号機や5号機の旧基準機は、左リールから押すものが極端に少なくて、中・右リールのものが多かったんです。AT中は押し順をナビするので、振り分けがどうであろうと増えるコインは同じです。しかし、通常ゲームではどこから押すかでコイン持ちが大きく変わります。そりゃ、中・右リールから押したほうが多く小役が揃いますよね。コイン持ちがアップします。

パチスロは、通常ゲームでコインを減らして、その分をAT・ARTを含めた大当たり中に吐き出します。通常ゲームで“より”コインを減らせれば、それだけコインを出せるのです。コイン持ちが良ければ、その分は初当たりが遠くなったり、大当たり時の平均出玉が少なくなってしまいます。ということで、中・右リールから押したら、得をする分はペナルティで削らせようとなったわけです。

 

この押し順ペナルティがなくなったのは、保通協の出玉検査の試験方法の変更でした。すべての押し順で打ち続けて(AT・ART中もガン無視)、最低出玉率(5号機当時は出玉率55%)をクリアしなければならなくなったのです。その結果として、50枚あたりの回転数が50GのAT機が出てくることとなりました。もちろん、初当たり確率は激重となりました。

ほかの内規変更もあって、5号機の終盤ではAT機を作る意味がなくなりましたが、再び作れるようになった6号機。やはり、このペナルティ封じの試験方法は健在なので、通常ベースの高い機種が多くなっています。

 

○6号機のペナルティ

6号機では“押し順ペナルティ”はなくなりました。しかし、違うペナルティを持つ機種が出てきたのです。『チェインクロニクル』と『蒼天の拳−朋友−』は、狙う指示が出ていないときにボーナスを揃えると、そのボーナスが終了するまでAT関連の抽選を受けられませんでした。ボーナスなら良いじゃない? いやいや、このボーナスはコインが増えるどころか、むしろ減ります。しかも、狙えばまあまあ。適当に打ってもたまに揃ってしまうシロモノ(笑)。

なんでこんなものを搭載したかというと、通常ゲームのベースを削りたかったから。長くなりすぎるので割愛しますが、出玉を楽しんでもらうためのアイデアだったのです。ただし、この方式も作れないか作りにくくなったようです。

おおっぴらには公表されていませんが、内規が変更されています。またも、試験方法の変更だとか。それによって、通常ゲーム中に“減るボーナス”が揃ってしまうような機種はダメになったとか。

なので、ごく一部の機種を除けば、ペナルティを気にしないで打てる時代と言えるでしょう。もちろん、今後また新たなペナルティが生まれてくるかもしれないので、打つ機種のチェックは必要ですけどね。

また長々と書いちゃった。ただ、最初に書いた結論だけで説明を終えたら私ではないですよね(笑)。キャベツ太郎さん、ありがとうございました!