DOK羽根甘 パチンコ自伝  

さて時は昭和から平成へと年号が改まり、前回でも述べました通り一発台とオマケチャッカーが姿を消します。
そしてついに私も、自由奔放な学生生活に別れを告げざるを得なくなります。

当時のパチンコ業界はといえば、様々な機種が次々とメーカーさんから輩出され、また次々と攻略法が発覚し、パチンコ雑誌の誌面を賑わせておりました。
中でも、数珠繋ぎ連チャンのデジパチで絶大なる攻略法が存在したのですが…
そうそう、その当時ちょっと…というか大分怖い体験をしておりますので、季節柄とスペシャルコラム企画に、ちょいとそれをご紹介致しましょうか(笑)。

春一番という花札をモチーフにした機種、これは若い方々も甦りシリーズでお見掛けされた、或いは打たれた事がおありではないでしょうか。

大当り後1/4で突入する天国モードを強制的に継続させてしまう超有名な攻略法が存在し、これを駆使して数々のパチンコホールを席巻したプロ集団が存在したのも、これまた有名な話。

この動画、集団メンバーが紹介している目前にある台の「春一番」と書かれたランプに注目です。
周囲のランプとその奥に淡く光るランプのタイミングが重要。
周囲が点灯して消灯、その際奥のランプがまだ点灯しており遅れて消灯するパターン、正にコレが天国モードです。
紹介している間、ずっとこのパターンで点滅しておりますので注意して見てみて下さい。

これが天国モードパターン。

対してこれがノーマルモードパターン、周囲と奥が完全同期しています。
ノーマルモードには他に2パターンあるんですけどね。

私も当時、頑張ってやろうと思いましたが、とにかく難し過ぎて出来ませんでした。
実機を手に入れて練習しなければ無理な攻略法でしたですね。
簡単に出来る大攻略法が存在する機種もありましたが、それはまた他で取り上げることと致しましょう。

さて話は戻りますが、私の場合その攻略法とは全く無関係だったのであります。

程なく潰れてしまったホールでの出来事なのですが、この機種を何台か打っていると一台だけシマの真ん中程にとんでもない台を発見してしまいます。
というのも、ヘソ賞球が異様に多い!
おそらく故障なのでしょう、本来7個戻しのヘソ賞球がアタッカーと同じ15個戻しになってしまっているようです。
つまりデジタルが回れば回る程、上皿の玉が増えていってしまいます。

このままではマズいです、が、先日お話したスーパーコンビの頃から大分、場数を踏んだ私は、悪い意味で免疫が付いておりました(笑)。
わざと回らないところを狙い上皿の玉を減らしつつ打ってゆき、やがて大当りを射止めます。

それでも現在なら、ホールコンピューターに異常値が出て店員さんがすっ飛んで来ることでしょう。
まあ古き良き時代というか悪しき時代というか…
しかもラッキーナンバーで当たってくれて持ち玉遊技となり、少しずつ玉を増やしながら打つ事が可能となりました。これはウハウハだ~!

ただ何となく、なのですがお客さんが殆んど居ないホールなのに遠目からの視線を感じ、それだけが気になっていました。
二度ほど大当りを消化した時でしょうか、飲み物を買いに行った私は、一目で東洋系の外国人と分かる男性から片言で声を掛けられます。

「玉、イッパイ増エテイイネ」と。

この瞬間、私は背筋が凍る程寒くなりました。
彼は近くで見ていないにもかかわらず、私の台が黙ってても玉が増えることを知っている。
つまりこの人はゴト師であり、この台も彼のグループが予め仕込んだもの。
その甘い汁を私が知らずに暫くの間吸ってしまっていたのだ、と同時に気付いたのでした。

中華系のマフィアは縄張りを侵した者に対しては決して許さない。
という話を聞いていた私は、彼の側から離れるなり即行で玉を流し、そして追っ手が来ない事をただひたすら祈りながらホールを後にするのでした。

幸い大目に見てくれたようで、何の報復もなく、本当に助かりました。
パチンコでこれ程肝を冷やした体験はそれ以降、あまり記憶がありません。
しかしまあ…今思い返せばホントに危ない橋を渡って来たものだと思います(笑)。

さて私のパチンコ人生、紆余曲折はまだまだ続くのであります。


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