二人のS vol.1 黎明期

二人のS vol.2 オフ会としぃ君

 

町田で開いた飲み会では、キャラ的には特徴の無い、縦にも横にもデカイ偉丈夫だったのがスティーブン。

ズケズケと一回り年上の初対面の人の自宅に泊るしぃ君とは対照的で、飲み会の席でも気遣いがあり過ぎて何を考えているか分からない。しかも酒も強く全然酔っ払わない。

とってもクールな男、というのが第一印象でした。

ただ、スティーブンもボクと同じく当時ブログをやっていたのですが、その文体がいかにもな2ちゃんねる風味。

なるほど、オタク系統か……。

そういう人間に安心感を覚えるボクとしては、ネット上での距離感が近かった事もあり、また色々と話していく中でゲーム好き・サッカー好きという事も分かり、しぃ君とはまた違う方向で仲良くなっていきました。

ちなみにスティーブンはボクより少し年下の現在30半ば。当時はプロ歴も浅く、パチプロという意味では最下層レベルぐらいに下手クソでしたが、とにかく行動力がありました。

「ガロ鋼で明日〇〇くらいの台あんじゃね?」

と言えば、

「(静岡から神奈川へ)明日、行きます!」

なんて人だったし、またそれを2ちゃん的なノリでブログに書くものだから、そのやり取りが楽しくて自分から声をかけていました。

これは後々の話ですが、現在パチンコ必勝ガイドで大活躍中のトラマツさんも当時はボクらと同じ一般ブロガーでした。それがどこでどうなったかは知りませんが、いきなりアポ無しで名古屋のトラマツさんのところに尋ねていったり……。

よく分からない男です。

それでも、同じヲタ系統。同じサッカー好き。同じゲーム好き。

ここまで揃えば何をかいわんや、時折、家に招いてはしぃ君も含めた3人でウイニングイレブンに熱中していたり、夜になれば酒を飲んでパチンコ話に花を咲かせたりと、学生みたいなノリで楽しく過ごす日々が続いていました。

 

パチプロというのは一度現場を見れば、ある程度はすぐに相手の力量など分かる為、明らかにボクよりはキャリアの浅い二人に対し

しぃ君に「ハナハナでスイカをこぼさず、かつ早く回すにはどうすればいいか」とか

スティーブンに「確変で当たってガッツポーズするその時間で何発増やせると思ってんだ」とか

二人に対しては教える事の方が多く、優越感があったのは事実でしょう。

言ってる事は老害そのものなんですけどね。大人になってから泊りで深夜まで語り合うなんて中々無いわけで、まして同じ趣味を持つ仲間。

ボク自身が好きなパチンコ・パチスロを本音で語れる希少な後輩のような存在でした。

また、二人のSと知り合ったオフ会には、前回のオフ会で知り合い、すでに何度も交流があったMさんもいました。

Mさんは当時、バリバリの専業。まぁまぁヤンチャだった過去を持ち、オフ会の場にMさんが現れると

「あ、なんか怖い人きた……」

みたいにその場が一瞬静まるような人でした。(中身は全然そんな事ないんですが)

ほぼ同年代ながら中々香ばしい空気感を持つMさんと比べたら、二人のSは知り合った当初の心の距離感が近かったわけです。

 

ちなみに、知り合った人数が多ければ多いほど、色々な人が混ざるのも常。

中にはオフ会の一回限りだった人もいるわけですが、幹事として後々言われたのは

「〇〇さんはお店の情報ばかり。そんなつもりで来たんじゃないのにね」

という、パチプロの面倒な人間関係を露骨に体現するような人もいました。ああ、単に情報を漁る為だけに来たんだな、っていう。

また、その場では良い顔をしていても「〇〇店の●●がいいらしいよ」というパチプロだったら当然のように出てくる話に、ネタ元の了解も得ず、お店の中で挨拶もせず、シレっと顔を出してくるような人もいました。

スティーブンとしぃ君。少なくともこの二人に関しては、誤解を恐れずに言えば打ち手としては相当にレベルが低かったので、ボクがそういった心配をせずに付き合える二人だったんです。

何より、パチンコを離れても二人と過ごすプライベートの時間が楽しくて、比例するようにパチプロ生活が充実していたのが2012年ごろの話。

しかし、何事も良い事ばかりは続かないものです。

 

vol.4へ続く