二人のS vol.1 黎明期

二人のS vol.3 スティーブンという男

 

二人のSとの関係は、出会いからしばらく楽しいばかりで流れていきました。

知り合ってからしばらくたち、スティーブンが静岡から神奈川へ居を移した事で物理的な距離が縮まったのもあり、より接点が増えて、それ自体は喜ばしい事でした。

しかし付き合いが深くなればなるほどイヤなところが見えてくるのも人間の性。

まず初めにアレ??と思ったのはしぃ君です。

とにかくボクの言う事に従順だったしぃ君。しかし飲んだ時の酔いっぷりには、大学生時代に所属していた飲みサークルでも見た事のない、どこか異次元な違和感を感じていました。

これまで様々な酔っ払いを見てきたつもりのボクでしたが

「何かが根本的に違う。ここまで遠慮を知らない奴は見た事ないぞ?」

となったのは、約1ヵ月ほど我が家に泊まり込むようになってから。

付き合いが長くなる中で知った話ですが、どうやら彼は母子家庭で育ち、学生時代イジメにあった経験などもあって、いわゆる精神障害を抱えている子でした。

だいぶ軽度な方だとは思いますが、甘やかしてくれるボクがまるで父や兄のように思えたんでしょう。

普通の感覚を持っているならばあり得ないレベルで「頼る」感を露骨に出すようになりました。それは、パチンコ関連ではなく私生活面での話です。

パチンコに関しては、そこは意地かプライドか。ボクが常々「プロとはこうあるべき」みたいな話を酔っ払いながらしていたせいか、そういう面で頼られる事は無かったものの、ことプライベートになると甘ったれ小僧感を存分に発揮してきました。

たまたま飲みすぎて、他人様のお家で寝ゲロをするとかそんなレベルではありません。(そんな人もいましたが可愛いもんです)

ボクが稼働に行く中、起こしても起こしてもグダグダ起きず、夕方「今起きました」なんてメールが来る。

遠慮なく屁をこく。

ビールを飲んでは大音量のゲップをかます。

勝手に他人ん家の冷蔵庫を漁る。

遠慮なく屁をこく。

屁は強調しすぎましたが「こいつ、いつになったら家に帰るんだ?」と、まるで自宅かのように振る舞う姿に少々ストレスを感じていました。泊める方も泊める方ですが。

 

一方、スティーブンもまぁまぁ偏っている子でした。表面上はとてもクールな大人を演じている。

でも、ウイニングイレブンで自分がゴールを決めた時、大声で「ッシャー!!」と煽るようなガッツポーズをするスティーブンを見て、明らかにオタクの行き過ぎたソレを感じ「アレ??」と思ったもんです。

そして、しぃ君とは逆にだんだんパチンコ・パチスロの面で「分からない事は聞いて当たり前、頼って当たり前」感を出すようになり、表面上は物分かりがいいものの、それとなくする注意が頑として耳に届かない。

そんな感覚を覚えていきました。

 

それでもそこは自分が主催したオフ会を通じて知り合った仲。そして、それぞれ少し家庭環境にも問題を抱えていて、私生活が安定していない二人。

年上でパチプロとしてのキャリアも上なボクとしては、やるからにはしっかりこの世界で食っていけるよう、いつか二人が独り立ちできるようにと面倒を見るのも義務みたいに思っている節がありました。

この頃にはボクのブログを通じて知り合った20名弱がLINEグループで繋がり、誰かが「リニューアルオープンあるよー」と声をかければ、そこそこの人数が集まり、プロ感の一切無いお祭り的なノリ打ちをしたりして、17時頃になると誰かが「飲み行こうよー」なんて言い出す集まりが楽しくて仕方ありませんでした。

そういう流れの中では、二人からのストレスなど些細な話です。

しかし、悲しいかなパチプロの悪い性。

普段の稼働地域は全く違うものの、そういったお祭りを経て情報交換をしていると、今まで知らなかった“稼げる状況”に目がくらみ、暗黙の了解であるべき「それぞれのテリトリー」を飛び越えてしまう人が現れます。

そして、その結果しぃ君が壊れていきます。

 

vol.5へ続く