2019年あたりからでしょうか。“翌日の狙い目ホール”を紹介するTwitterアカウントが増えてきました。中には、本当にボランティアでやっているところもあるかもしれませんが、まあビジネスでしょうね。一般人が勝手にやっているフリをしたステルスマーケティングのような形になっています。

ちょいちょい難しいのは、そこに書かれているホールのすべてがお金を払って依頼しているわけではないだろうということ。記事に箔をつけるためにも、それなりの数は必要です。ピンとこないホールをポツポツと載せているだけでは、フォロワーの数も増えませんし、その掲載枠を高く売ることもできません。なので、無料で水増ししているところもあろうかと思います。

ステマ、けしからん。そんな気持ちになる方もいらっしゃるでしょうが、パチンコ・パチスロ業界ではそうならざるを得ません。そうPR」の文字をつけた瞬間に広告宣伝規制違反となるのですから。このようなやり方が増えたのは、PAA(ぱちんこ広告協議会)や業界団体の力不足ではなく、警察のパチンコ行政がそう仕向けてしまっているように見えます。

○パチンコ業界のステマはやり得

そもそも罰則が違いすぎます。ステマ自体は罰せられることはありません(日本では)。一時期、ペニーオークションが騒がれましたが、あれは詐欺事件でして。ステマをしていた芸能人が何人か消えましたが、その詐欺の片棒を担いだような形になったのも大きかったのではないかと。このステマは、軽犯罪法違反(人を欺き、又は誤解させるような事実を挙げて広告をした)が考えられたそうですが、公訴時効として起訴されませんでした。

また、ステマは景品表示法違反にあたると指摘する弁護士さんもいらっしゃいますね。優良誤認表示(サービスの性能や品質を実際よりも優良に見せかける)・有利誤認表示(価格などを実際よりも有利に見せかける)です。パチンコ・パチスロでは難しいですね。貸玉料金は法律によって定められていますし、サービスの品質についても、個人の感想の域を越さない表現なので立件するのは困難でしょう。

 

ことパチンコ・パチスロに関して、このようなステマ的な記事に対するユーザーからの批判の声は大きくないように思えます。目に入ったとしても「ふ〜ん」と流す感じでしょうか。

その最も大きな理由は、ホールからゴチャゴチャとメールが来まくる時代があったこと。その中から取捨選択するのもゲームの一環という方が多いからでしょう。むしろ、何も引っ掛かるような情報を目にしないと打つ理由が見つからない的な……。そのような人が少なくないから、このようなステマ的な記事が増えていくわけです。

 

○店バレを嫌う打ち手と好む代理店

ステマには、一般人のフリをしたもの以外に、インフルエンサーを使うものもあります。私がパチスロ業界にジェネレーションギャップを感じるとしたら、これがかなりの一位候補ですね。

その昔、専業みたいな生活をしていた頃。普段使いのホールでプチオフ会をしたら、その中の一人に丸一週間通われまして。顔見知りよ。それなりにやり取りあるのよ。「いつまで来るんだ。そのシマの割数が上がりすぎないよう、私は触らないようにせざるを得ないんだけど。マジ、乗っ取り?」と話してお引き取りいただきましたが。

私が今でも「凄いなあ」と思うライター・打ち手の方って、とにかく“店バレ”を恐れるんですよ。定期的に打つホールは特に。しかし、最近の方々を見ていると職種が違うかなと。ホールの名前を出したすぎ。ホール紹介に特化した広告代理店業ですね。それはそれで良いんですけど。ただ、一般的な目からは一緒くたにされます(笑)。

 

もっとも、私もホールを紹介することもありますけどね。グリンピースとか、ニューオオネとか。遺跡のようなところは。

いや、さあ。店バレしないように気を付けている人の書き込みや写真から、お店を特定できた時ってドキドキワクワクするじゃないですか。私がステマをするなら、普通にはわからない。見せるのはギリギリバレるラインを見せますけどね。そんなチラリズムが萌えるのです。

あ、いや。過去にアップしたもので何か見えたとしても、ステマのつもりはございません。今は無頓着なだけです(笑)。