「忖度なし!」で簡単になっているように見せて、実はちっとも簡単ではないこのテーマ(笑)。「このメーカーだから」という感覚、先入観がまったくないんですよね。持たないようにしているというか。

あったとすればずっと昔のこと。2000年辺りのオリンピア・平和のBIG中の楽曲は神でした。とにかく取材時など、新曲を聴けるのが楽しみでなりませんでした。山佐も良かった。もちろん、ユニバーサルも良かった。その当時はまだガラケーで、着メロが主流でした。3和音や4和音を組み立てて公開している着メロ職人さんも多くいましたな。

▲『スーパースターダスト2』は超名曲!

その中でもオリンピア・平和は、かなりラブな職人さんがおりまして。学生さんだったのかしら。オリンピア・平和の音楽部門に就職したいとサイトに書いていた記憶があります。それからどうしたのだろう。着メロから着うたフルの時代になって、あっという間にサイトも休眠状態へ。その後の顛末が書かれることもありませんでした。開発職になっても書けないでしょうし、就職に落ちても書けないでしょうし。

 

そんなパチスロの音楽ですが。最近は、どのメーカーも曲が多すぎませんかね?

正直、オッサンとなった脳みそでは覚えきれません(笑)。お気に入りの曲ができたとして、あの曲を聴こうと思ってその機種を打っても、条件などが合致せず聴けないことが多くなってしまいます。そのサウンドが聴きたいのであれば、YouTubeなどを漁ったほうが早いという。

単純に“昔のサウンドが良かった”というオッサントークではありません。昔の曲ほどよく覚えているのは、そればっかり聴かされていたからだと思います。それしか曲がなかったというのもありますし、パチスロはノーマルが主流、パチンコも今のように複雑ではなかったので大当りする度に聴かされることとなっていましたから。まだテレビCMが自粛される前のこと。「創聖のアクエリオン」の “1万年と2000年前から愛してる”あの歌が話題となりました。

 

▲再発見、再評価された『CRF創聖のアクエリオンSF-TV』

それがちゃんと稼働もしたのは、当たったらちゃんと流れたからではないでしょうか。当たっても流れなかったら、要求不満のまま帰ることになります。そうならなかったから、ちゃんと稼働もしたのでしょう。私も先に出たパチンコを打ちましたもん。“気持ちイイ~”というほど溶けましたもん。でも、あの歌が聴けて満足でしたね。

 

▲これも神曲『アラベスクR』

その着メロの頃って、あのBIGサウンドが聴きたいから打ちに行くということも多かったんです。山佐の『アラベスク』とか、定期的に、無性に打ちたくなったものです。

しかし、今は音楽を目当てに打ちに行きたくなることはありません。まず覚えられないですし、打ちに行ったところで聴けるとも限りませんから。まあまあ打った方のつもりでいる『クランキーセレブレーション』でもサウンドをソラで思い出せません。聴いたら分かるというレベルです(汗)。

 

『リノ』にしてもそう。“あれが流れているから何連しているな”なんて他の台の推移を分からなくて良いのです。ずっとマンボNo.5が流れていれば、ついつい気になってチラ見をしてしまうことでしょう。勝手に聴こえてくるのではなく、チラ見して把握する。そんな能動的な苦労をしたほうが射幸心はそそられるかと思います。

今のサウンドクリエーターが昔の人たちより劣っているとはまったく思いません。曲が多すぎて、一曲入魂を聴く機会がハナっからないから覚えられないだけのことではないでしょうか。

このサウンドが聴きたい。打てば高確率で聴ける。そんなアプローチもして欲しいなと思う今日この頃なのです。機械のスペックなどは遊技機規則や内規に左右されますから。それ以外の遊技する動機を作ってくれないかな……と。