ちょっと前に「ホールには高齢者が多い」という論旨のやつを仕事で書いたんだけども、そこで「いや最近は若者ばっかりだよ」というツッコミが入った事がある。

 

筆者は物理法則と同じくらいの固定観念として「ホール高齢化説」を信じ切っており、まさかそこに突っ込まれるとは想定してなかったのでちょっとビビり、じゃあ実際どうなんだと調べてみた。手持ちの某データをチェックしてみたところ、2021年の段階での若年層(20代)の参加比率はだいたい15%くらい。一方で60代以上は5%程度だった。これだけ見ると「若者が多いじゃねぇか」となりそうなんだけども、そもそも20代は20代のみで構成されているのに対し、60代は「以上」なので定点観測になってない。さらに人口ピラミッドも考慮されてないのでパーセンテージだけ比べるのはクルクルパーである。

 

ちなみに現在のジャパンにおける人口のホットスポットは40代後半と70代前半。テーブルにまとめるのはちょっと面倒くさいのでざっくり説明すると、歪なひし形みたいな形をしている。元データが60代以上を高齢者としているのでここもそれに倣うと、20年の段階での高齢者総数は42,632,000人ほど。人口構成比の約33%だ。本国民の3人に1人が高齢者というのは確かにぴったんこカンカンである。はい一方で20代の若者は11,963,000名程度。構成比率でいうと10%にも満たない。んでこれと遊技参加人口率をかけ合わせると、若年層が約1,794,500人、高齢者者が約2,131,500人という結果になる。繰り返すぜ? 若者17:年寄り21だ。

 

……ほらみれ年寄りの方が多いじゃねぇか! バーカバーカ!

 

と、これは「30代を若者にカウントするか」で変わってくる話だけども、そんな事言うならこっちだって50代を高齢者にカウントすんぞという事で無視。ホールにはジジババが多いということでファイナルアンサーとします。が、問題はそこじゃなくて、もともとツッコミをくれた人が「若者が多い」という勘違いをしたか、なんですね。おそらくだけども、その人はパチンコしか打たねぇんだと思われる。

 

はたして何故?

 

ご存知のようにスロは6号機から6.1号機くらいの時期にその体力がガッツリ削られたのに対し、パチはP機の序盤のクソさ加減からV字回復で射幸性がグイグイきてたんですね。一方で6号機は長らく低迷を続けておった。なのでそういう意味でパチスロを打ってる人の結構な部分が玉に移動しちゃったわけです。んで、玉のひとらからすると若者がいきなりユニコーンとか打ち初めて、おらが村に若者が! みたいになるもんで、まあこの2年くらいは凄く珍しくパチ>スロの状態でした。そういう状況下においてはパチンコしか打たん人からすると「急に若者が増えたな」となりますし、一方でスロばっかやってる人からすると「年寄の割合が増えたな」となるわけです。まあスロ打ってる年寄りは天変地異が起きようともスロばっか打つわけで、機械性能とかはそんな関係ない。もちろん店の方向性もあります。パチに力を入れている店はこの数年くらいはフィーバータイムだったと思いますし、スロに全力の店はガチでヤバかったでしょう。スロ専が潰れるのもそれは仕方ない。あんなもん利益出るわけないもんスロ。パチに力いれにゃ。

 

まあ、何が言いたいかというとね。

 

ツッコんで来た人も間違いじゃない。だってその人の世界で見てそうなんだからもう仕方ない。いきなり周囲に若い衆が増えたら「若者が急増しとる」となるでしょうし、逆の立場だと「若者が消えた」となる。なのでこれは了承正解なのです。俺の視点では「おい、大丈夫かパチスロ」となってました。視座がそれぞれ違うから仕方ない。でもツッコまれたら「おい」ってなるし、また向こう様からすると「お前なに書いとるん」となる。

 

視野を広く持つ、というのは凄く大切なことで、それで飯を食っとる以上アンテナは張ってないといけないのですけども、まあじぶんが軸足に置いてる業界を基本にして考えちゃうというのは絶対あって、それが俺にとってはパチスロなんですよね。ゆえに「老人が増えてる」と思って疑わなかったわけで。他の部分は考えてなかった。想像するに逆の立場だったら真逆の肌感覚になってたハズ。

 

この辺はすげー面白いなぁと思いつつ、SNSとかで「俺が正義」といわんばかりの批判を見るにつけ、いやいや逆の立場から考えたら、また違う落としどこが見つかるかもしれんぞいと、ちょっと勉強になった次第。